性的暴行:元NHK記者に懲役21年判決 山形地裁
2018年04月25日 13時35分 毎日新聞
2013~16年にかけて山梨、山形両県で女性3人に性的暴行を加えたとして、強姦(ごうかん)致傷(刑法改正で「強制性交等致傷」に名称変更)などの罪に問われた元NHK山形放送局記者、弦本康孝被告(29)の裁判員裁判で、山形地裁は25日、懲役21年(求刑・懲役24年)の有罪判決を言い渡した。
被告は一貫して無罪を主張したが、児島光夫裁判長は3件とも被告が起こした事件と認定し、「常習性が認められ反省の態度がなく、再犯の恐れがある。被害者の処罰感情も厳しい」と述べた。一方、弁護側は控訴するか明らかにしなかった。
裁判では、現場などで採取されたDNA型が被告のものと一致したとする鑑定の信用性が最大の争点となった。
児島裁判長は「犯人以外のDNAが混入した形跡はない。被告と同じDNA型の出現頻度は約8垓(がい)4000京(8兆4000億の1億倍)分の1で、偶然の一致はあり得ない」として、別のDNAが混入した可能性があるなどとした弁護側の主張を退けた。その上で「就寝中の無防備な被害者を襲った。その後の精神的苦痛や日常生活への悪影響は大きい」と断じた。
判決によると、弦本被告は13年12月と14年10月に山梨県内、16年2月に山形県内で、いずれも当時20代の女性宅に侵入して暴行し、うち2件で女性にけがをさせた。
弦本被告は11年4月にNHKに入局し、甲府放送局に配属。15年7月に山形放送局へ異動した。17年2月に逮捕された後、懲戒免職となった。【的野暁】