【途中までネタバレなし】小沢健二「春の空気に虹をかけ」ライブレポート #ozkn

 小沢健二「春の空気に虹をかけ」の初日、2018年4月23日(月)東京国際フォーラム公演のライブレポートです。
 本稿は途中までネタバレなしで、ネタバレ箇所の手前に注意書きを入れてます。ただ今回、わりと開けっぴろげというか、出演者や曲目などがどんどんオープンになっているので、どこからどこまでがネタバレじゃないのか判断が難しいところ。ただ、いちおう本稿では「開演まで伏せられていたこと」(メンバー、曲目、演出等)はネタバレ扱い、とします。
 それと、会場内(物販エリア含む)の撮影が一切禁止されていたため、個人的に買ってきたグッズ以外の写真はほとんどありません。あとは現地に着いてからのお楽しみということでご了承ください。

▲そんなわけで、こういう味気ない写真しか無いのです

【1】公演概要

  • 公演名:小沢健二「春の空気に虹をかけ」
  • ときところ:
    • 2018年4月23日(月)東京国際フォーラム ホールA
    • 2018年4月29日(日)大阪城ホール
    • 2018年5月2日(水)日本武道館
    • 2018年5月3日(木・祝)日本武道館

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【2】グッズ

 グッズは公式サイトに写真と小沢氏ご本人のコメント付きで掲載されているのでそちらが詳しいです。最新の在庫状況も反映されているようで、完売した商品・サイズには取り消し線が引かれてます。
 あと今回、クレジットカード(VISA/Master)が使えます。

 
 グッズの種類が多いから購入額をシミュレーションしたいなー、と思ってGoogleスプレッドシートで非公式にこんなものを作りました。

 シートの中にも書いてますが、このシートを自分のGoogleドライブにコピーすると金額の計算ができます(要Googleアカウント)。購入した品物についてくるおまけの個数もわかるようにしました。
 ためしに全グッズを全種類購入するとなんぼかな? と試算した結果がこちら。おおー……。
f:id:kagariharuki:20180424204731j:plain
 
 今後の公演ではルール変更があるかもしれませんが、初日の場合、先行販売(チケット無くても可)の時間が15:00~17:30で、17:30時点で一旦物販が終了。(スタッフのアナウンスによれば)17:30になったら物販の列がそのまま入場待機列に切り替わり、18時から入場スタート。入場から開演の間や、終演後にも購入はできたようです。僕は16:45くらいに並びはじめて30分くらいで購入できました。グッズの種類が多いので1人あたりの購入に時間がかかりますが、窓口の数も多めなので、意外とスムーズに列が進みます。
 あと、初日の物販で早い時間に並んだ人には、リハーサルの音が聞こえていたそうです。会場のリハーサルが壁越しに聞こえていたのかな? と思いきや、「別の日のリハーサルの音源を流しているように感じた」との証言もあり、今のところ真相は不明です。
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【3】これから行く人へのアドバイス

 ネタバレにならない範囲でざっと挙げると以下のとおり。

1.ライブは正味2時間強

 初日の場合、開場が約15分押しの18時15分ごろ、開演が約20分押しの19時20分ごろで、終演が21時30分ごろでした。つまりライブ自体は2時間10分くらい。小沢健二氏のライブにしてはわりとタイトな尺でしょうか。たしか「東京の街が奏でる」とか、3時間近くあったはず。
 ただ、これから曲目が追加されたり何かしらの仕掛けがあるかもしれないので、あくまで参考程度に留めていただければ幸いです。

2.おなじみの曲も最近の曲もしっかり聴き込んでおこう

 2016年の「魔法的」ツアーは誰も聴いたことのない新曲をバンバンやって「初めて聴く曲なのにめちゃくちゃ良い! すごい!」と圧倒されるライブでしたが、今回はその逆で「おなじみの曲がこんなに最高の演奏で聴けるなんて! 楽しい!」って趣向だと思います。なので、セットリストにある曲をおさらいしておいて、なんならもう全部合唱できるくらいの勢いで臨むのが楽しいんじゃないかと。実際、小沢氏が客席に合唱を呼びかける場面がいっぱいありました。喉のコンディションも整えておいたほうが良いでし
ょう。

3.Apple Musicの『Tokyo, Music & Us 2017-2018』は観ておこう

小沢健二 & 満島ひかり

小沢健二 & 満島ひかり

  • Tokyo, Music & Us 2017-2018
  • ノンフィクション
 詳しい理由は述べませんが、第1回も第2回も観ておくと楽しめると思います。特に第1回。既に観ている人もおさらいしたほうがいいかも。

4.「空虹回路」は必携


 2016年「魔法的」ツアーや2017年のフジロックですっかりお馴染みになったグッズ、魔法的電子回路。今回は7色の「空虹回路」が販売されています。東京国際フォーラムくらいの規模で客席のみんなが電子回路を点けていると、ちょっと感動するくらい綺麗ですね。これが大阪城ホールや武道館の規模だったらもっと大変なことになるでしょう。ぜひみなさん電子回路を身につけましょう。
 ただ、先述のように物販はけっこう時間がかかるので、電子回路だけを目当てに並ぶのはなかなかハードルが高いです。「魔法的」ツアーのときは客席内で電子回路を行商しているスタッフのかたがいましたが、今回の初日では見受けられず。ぜひ他の会場では行商していただきたいですね。

5.(会場内で使えるなら)「春空シャボン玉ペンダント」も買っておきたい


 新グッズの「春空シャボン玉ペンダント」。4色あってどれも素敵なデザインです。目薬のボトルくらいの大きさで、蓋の部分にシャボン玉を吹くための輪っかが点いてます。
 これでみんながライブ中にシャボン玉をたくさん飛ばしたら、さぞかし素敵なことでしょう……が、東京国際フォーラムの館内でシャボン玉を吹くのは禁止でした。残念……。大阪城ホールや武道館では吹けることを願っております。

6.前方の席じゃなくても、後方でもけっこう楽しめそう

 今回は砂かぶり席で観たんですが、幸運にもめちゃくちゃ前方の席でした。が、今回のような大箱の場合、後ろで観るのもそれはそれで良いのかな、って気もしてます。
 まず、聴覚的な面で、あまりにもステージに近すぎるとサウンドの全容がつかみとれないかな? っていうのがひとつ。
 それと視覚的にも、先述のようにみんなが電子回路を点けた客席の光景がめちゃくちゃ素敵ですし、もし他の会場でシャボン玉も吹けるのならもう最高なはずです。
 もっと言うと、そもそも小沢健二氏の曲を好きな人って「周りにほとんど同好の士がいない、でも私はこの音楽がものすごく好きなんだ!」ってフラストレーションを溜めてる割合が高いと思うんですよ(偏見)。だから、今回のようなどでかい会場でみんなが一斉にあんな曲やこんな曲で楽しく踊っている光景を見るだけで、ちょっと不思議な気持ちになるんじゃないでしょうか。「小沢健二の曲を聞き込んでいる人が、世の中にはこんなにいるのか!」って。
 それと、今回の会場のうち、東京国際フォーラム以外(つまり大阪城ホールと日本武道館)は客席がステージを囲むようなレイアウトになっています。だから、今後の公演では360度あらゆる角度のあらゆる距離から楽しめる演出が用意されているはずです。
 もし、まだ今回のライブに行こうかどうか迷っている人がいたら、今からでも入手できるチケットで観てほしいです。

7.帰り道も油断は禁物

 東京国際フォーラムでは終演後、ホールからの帰り道に、ある「映像」が流れていました。僕はその映像に気づくのが遅くてちゃんと観られなかったのですが、どうやら今回のライブのリハーサル風景を収めたメイキング映像だったようです。どうかお見逃しなく。

8.(余談)レコジャケ・ジャケットは良くも悪くも目立つ

 今回のグッズの中でもひときわ異彩を放つ逸品、レコジャケ・ジャケット。背中にレコードジャケットを収納するアイデアはもとより、その収納部分に小沢氏の顔がプリントされてたり、色が強烈に目立つ原色だったり、洗濯機もドライクリーニングにも対応していなかったり(つまり洗う術なし)、普段使いをまったく考慮していない潔さにシビれます(褒めてます)。しかも金額が17,000円!
 これを1着どころか2色とも購入しちゃう人はどうかしてると思いますね。つまり僕です。

 初日の会場でこのレコジャケ・ジャケットを着用している人は僕以外に誰も見かけませんでした。このカラーリングで1人だけだから、まー目立つ目立つ。
 元から着用する気満々だったので、自宅のレコード箱を漁って『VILLAGE』のレーザーディスクのジャケットを選んで(中身のディスク等は抜いて)持っていきました。レコジャケ・ジャケットにレーザーディスクのジャケットを収納する暴挙! でもデザイン的にすごく収まりがよくて満足してます。収納したジャケットがボロボロになっちゃうのでは、って心配もありましたが、後で確認してみても特に傷んだ様子はなくひと安心。

 おしゃれに着飾った東京国際フォーラムの人々のなかでこんな浮ついた格好をしているので、とにかく目立つしとにかく話しかけられました。知り合いにも、初対面の人にも。おかげで、僕がぼけーっと突っ立ってるだけでどんどん知り合いがこちらへ集まってくる。ちょっとしたランドマーク気分ですよ。ネット上でしか交流のなかった人にも「かがりさんですか?」とお声かけいただいたり、「かがりさんを見かけた」的なツイートが飛んできたり。しまいには、全然知らない男性が「素材感を確かめさせてほしい」とおもむろに僕のジャケットに触れてきました。なんだったんだあれは。知り合いには「スタッフ(スーツ着用)よりもスタッフっぽい」と評されましたが、どっちかっていうと「歌舞伎町の名物おじさん」とかそういうベクトルの目立ち具合だったと思います……。
 話が大幅に逸れちゃいましたが、何を言いたいかっていうとレコジャケ・ジャケットはすごく面白いアイテムなので、お財布に余裕のある人or後先考えず面白そうなものはとりあえず買っちゃう人(もちろん僕は後者)にはオススメ! って話です。
 普段使いはできないけど、家でハンガーにかければちょっとしたレコードディスプレイにもなりますね。まあ、17,000円も出せば普通のレコードラックが買えてお釣りが来そうですが……。

 あと、値段が値段なだけにしっかりした作りになってますが、おかげで着てると暑い! ライブが始まった時点では着てましたが、暑すぎてすぐに脱いじゃいました。スタンディング席の人は脱いだジャケットの置場に困ること必至なので、ロッカーに預けてしまったほうが無難だと思います。

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【4】5/2,3開催の非公式オールナイトイベント「春の余韻に砂をかけ」のお知らせ

 それでは、ネタバレ全開のライブレポート本編……の前に、ちょっと広告を入れさせてください。
 5/2,3の武道館公演の後に、渋谷でオールナイトのイベント(もちろん非公式)を開催します。武道館で完全燃焼した後ですから、派手に踊るのではなく、ほどほどのペースでゆったりと余韻を味わえるイベントにできればと思っています。
 列島各地にショッカーのように潜む小沢ファンの人たちが大都内に集結する夜なんて、今後何回あるかわかりません。せっかくの機会、武道館から日常に帰る途中で立ち寄られてはいかがでしょうか。
 初日の終演後、知り合いの方々と立ち話したりうどんを食べながら感想を述べたりしたんですが、やっぱり全然時間が足りない! 喋りたいことが多すぎる!! そんなわけでこういう場をご活用いただければ幸いです。
 詳しくは以下をご参照ください。

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※以下ネタバレになります。メンバー、セットリスト、そのほか細かい内容を知らないままライブに臨みたい人は気をつけて!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【5】「36人編成ファンク交響楽」メンバー(※未完成)

  1. 小沢健二(ボーカル、ギター)
  2. 満島ひかり(ボーカル、他)
  3. 土方隆行(ギター)土方隆行 (@KATAYAN6923) | Twitter
  4. 中村キタロー(ベース)
  5. 白根佳尚(ドラムス)白根佳尚 (@DrShirane) | Twitter
  6. 及川浩志(パーカッション)
  7. 西村奈央(オルガン)西村 奈央 (@nyaoyan1008) | Twitter
  8. 服部隆之(指揮、エレクトロピアノ)
  9. 朝川朋之(ハープ)
  10. 奥村愛(ヴァイオリン)

※以上、とりあえず憶えている範囲で記載しました。公式発表等あれば追加いたします。

 今回の「36人編成ファンク交響楽」、「ひふみよ」以降のライブでは最多人数の編成です。
 なんといっても満島ひかりさんの参加が最大のサプライズでしょう(小沢氏は「事件」と表現)。しかも1曲や2曲のゲストではなく、最初から最後までフル登板。時にはコーラス、時にはボーカル、時には芝居(!)、時にはギター(!?)と、実にマルチな活躍ぶりでした。
 人数の話でいうと、2016年のツアー「魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ」は(小沢氏のライブにしては)少人数の7人編成でしたが、2017年にリリースした『流動体について』や『フクロウの声が聞こえる』ではストリングスやオーケストラを入れたり、フジロックのホワイトステージでは「魔法的」メンバーにスカパラホーンズ等を加えた大所帯だったりと、大人数で奏でるほうに小沢氏の気持ちが向いているのかな? って気がしていました。そこで今回の36人編成、と考えるとすごく自然な流れに思えます。実際、MCで『流動体について』のレコーディングが今回のライブの大きなきっかけになった、と述べてましたし。
 リズム隊をいつものメンバーでしっかり固めつつも、それ以外のメンバーは初共演の人が多いのも大きな特徴ですね。5月2日にスカパラのライブがあるのでスカパラの参加は無いかな? と思ってましたが。
 あと、個人的に推したいのは指揮の服部隆之さん。『LIFE』の頃からレコーディングでもライブでも小沢氏と何度となく共作・共演していますが、ステージ上で共演するのはめちゃくちゃ久しぶりなのでは? 服部さんが指揮する楽団の演奏ももちろん最高ですし、なにより服部さんご自身の動きがものすごくかわいい! 指揮者の動きって、背中越しでも人柄みたいなものがすごーく伝わってきますね。指揮をしない曲では椅子(カホン?)に座り、客席のほうを向いて楽しそうな身振り手振りでノっていたのも素敵です。
 どうしてもフロントの小沢氏&満島さんに目がいってしまいますが、ほかのメンバーの方々も皆さんすごく楽しそうで最高です。
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【7】ライブレポート

1.アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)


アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)

アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 会場の照明が暗転し、薄暗いステージの上に次々とメンバーが現れます。
 「アルペジオ」イントロのオルガンの音がずーーーっと長く響くなか、小沢健二氏の
第一声は「僕の彼女は君を嫌う」から始まる、一連の「アルペジオ」の語り部分。CDに収録されているようなリズミカルなラップ調じゃなくて、語り、というかほとんどシャウトに近かったです。ひと息で吐き出すような、力強い口調。そこから恒例のカウントダウンでスタート。
 満場の歓声の中、あらためてイントロのギターから始まる「アルペジオ」。会場の照明が点くと、小沢氏の隣には満島ひかりさんの姿! Mステのときと同様、2人のかけ合いで語りが展開します。ステージのバックには無数のシャボン玉。

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2.シナモン(都市と家庭)

シナモン(都市と家庭)

シナモン(都市と家庭)

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 「変! 身! す! る!」の振り付けは「SONGS」出演時と同様。
 間奏で一部メンバーの紹介がありました。そういえば「魔法的」のメンバー紹介もこの曲の間奏でしたね。ミュージシャンだけでなく、ステージ上のカメラマン・奥山由之氏も紹介されていました。リズムに乗せて「あとで写真が公開されるよ 楽しみだね」的な小沢氏の説明。
 ちなみにこの時点でステージに上がっているメンバーはおそらく半分弱(15名くらい?)だったと思います。少しずつメンバーが増えていって、次の「ラブリー」の途中で服部隆之さんも含めて全員揃ったのかな?
 
 最後の「シナモンの香りで僕はスーパーヒーローに……」とまで歌って溜めたところで、メンバー紹介的なMCへ。

満島ひかり:「このまま最後までステージで歌います!」と紹介して大歓声。
土方隆行(ギター):「強い気持ち・強い愛」などのレコーディングに参加しており、「昔も一緒にライブをやりたかったけどできなかった」と念願の共演だったそうです。
朝川朋之(ハープ):90年代のライブにも参加しているが、共演は久々。「朝川さんのハープと僕のボーカルを合わせる難しい曲があるのでお楽しみに」みたいな予告がありました(おそらく「いちょう並木のセレナーデ」のこと)。
西村奈央(オルガン):「スカパラの沖(祐市)さんみたいなオルガンを弾ける人をずっと待っていた」「アルペジオのデモを録るときに音を聞いてびっくりした」とベタ褒め。先日のMステでも共演してましたね。

 あと、たしかここで、「アルペジオ」について「自信作なんですよ~」と嬉しそうに語っていた気がします。このあたり、異様にテンションの高い語り口で、90年代の小沢氏を彷彿とさせる部分がありました。
 そして、「大会場なのでみんなと歌いたい」と宣言。「男子!」「女子!」と呼ばれたときに、自分の気分で「女子だ!」と思ったら歌ってください、とのこと。
 ……と、ご機嫌なMCを経て、何事もなかったかのように「シナモンの香りで僕はスーパーヒーローに変! 身! す! る!」と演奏に戻りました。

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3.ラブリー

ラブリー、東京湾上屋形船Liveは雨

ラブリー、東京湾上屋形船Liveは雨

  • 小沢健二と満島ひかり
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 みなさんがお待ちかねのこの曲。「録音時のオリジナル歌詞カードTee」は2枚に分かれています。
 「Apple Musicでやったやつの豪華版です」みたいな説明からスタート。満島さんとのボーカルの割り振りは「ラブリー、東京湾上屋形船Liveは雨」と同じだったかな? もちろん演奏は超豪華。途中からステージ中央に服部隆之さんが登壇したと思います。
 「魔法的」に引き続き、間奏のフルートはみんなで口ずさむことになるので、あらかじめ練習しておきましょう。

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4.ぼくらが旅に出る理由

ぼくらが旅に出る理由

ぼくらが旅に出る理由

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 服部さん率いるオーケストラがいたら、そりゃあやりますよね。何度となく聴いたCD音源と同じストリングスが! 目の前で! 響いている! という感動。
 満島さんがステージ上でMVのモノマネをしているのが見どころです。着替えの服は今回のグッズで、歯ブラシは「それで歯を磨くわけないだろ!」なでっかいブラシ。
www.youtube.com
 「こんなに遠く離れていると……」は客席の女子、「それで僕は腕を振るって……」は男子が合唱。

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5.いちょう並木のセレナーデ

いちょう並木のセレナーデ

いちょう並木のセレナーデ

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 「あれ、雨が降ってきましたね……」と突然の謎の小芝居。「野外」「フリーコンサート」みたいなフレーズを交えていたので、ソロデビュー時の野音のイメージだったんでしょうか。
 「こんなときは傘でも差しながら歌いたいですね」と述べ、ステージ上手のベンチ(?)に腰掛けて満島さんと相合い傘で「いちょう並木」。まるでミュージカルの一場面のような構図でした。
 ナタリーのライブレポートに書かれた小沢氏のコメントによれば“満島さんには歌だけでなく、演奏にも演出にも美術にも、どんどん参加してもらいました”とあるので、このあたりの演出は満島さんのアイデアかもしれません。

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6.神秘的

神秘的

神秘的

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 引き続きベンチに腰掛けたままですが、小沢氏のすぐ隣に座っていた満島さんは下手側のベンチに移動。
 また、「いちょう並木」でスタンドマイクを使っていたのを、この曲ではヘッドセットマイクに切り替えてました。「ギターが難しいのでマジメに演奏する」と述べていたので、ギターを大きく動かしながらでも歌いやすいようにヘッドセットマイクを選んだのかもしれません。
 「子どもが周りにいる人とか、感じる歌詞があれば一緒に歌ってください」と呼びかけてました。

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7.いちごが染まる

 スローなテンポの曲が続きますが、ここではステージ中央に戻ってスタンディングで演奏。
 小沢氏の周りに4本の透明な柱が立っていて、演奏中、その柱を囲むように赤と緑の蛍光色の糸(?)を満島さんがグルグルと巻き付けてゆきます。良い喩えかどうかわかりませんが、プロレスのリングみたいな状態。ナタリーのライブレポートに載っている写真はまさにこの場面ですね。

 赤と緑の糸が交差していくうちに、だんだん不思議な模様ができていきます。いちごの色にも見えますし、また、アルバム『刹那』のジャケットのようでもあります。そういえば今回、『刹那』のジャケットデザインを手がけた平野敬子さんからお祝いの花が来てましたね。
 ちなみに、この曲の歌い出し前に小沢氏が上着を脱いだとき、周りのご婦人がたが身悶えしていて楽しかったです。

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8.あらし

 「ひふみよ」以降のライブでは毎回1曲ずつ入ってくる『Eclectic』枠、僕は前々から「∞(infinity)」を予想していたんですが、はずれました……。
 「東京の街が奏でる」以来の「あらし」。ホーンが加わってよりオリジナルに近いアレンジになっていたのかな。
 満島さんがクリスタルのような透明の石を手にしていて、それが客席のあちこちを照らしていました。
 それと、白根さんのドラムがすごかった! 自分の位置からはステージ下手にいる白根さんの姿がよく見えなかったのですが、できれば他の会場では白根さんの勇姿をしっかり眼に焼きつけたいです。

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9.フクロウの声が聞こえる

フクロウの声が聞こえる

フクロウの声が聞こえる

  • 小沢健二とSEKAI NO OWARI
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 「36人編成ファンク交響楽のど真ん中のやつをやります」と宣言してスタート。
 「魔法的」バージョンと「小沢健二とSEKAI NO OWARI」名義のCD版とで、別の曲と言っていいほど大きくアレンジが異なりますが、意外にも今回は前者寄りのアレンジでした。
 (CD版ではカットされていた)イントロのギターリフや「直観と推論」や「凍えることなんてないから 寒かったら暖炉に火灯すから」のフレーズが復活している! あと、Fukaseさんパートを満島さんが歌うわけでもなく、ボーカルは小沢氏ひとり。「Uh, uh」や「そう、そう」や「Saori!」の合いの手もなし(これはちょっとさびしい)。
 セカオワと一緒に録ったCD版ももちろん大好きなんですが、個人的にはやっぱり初めて聴いた「魔法的」バージョンへの思い入れが強いんです。なので、それを36人編成ファンク交響楽で発展させた今回のアレンジには「そう! これ! これが聴きたかった!」と大感動。
 間違いなく、今回のライブの大きな見どころのひとつです。すごかった、超すごかった。曲が終わった後の歓声もとびきりでかかった気がします。
 大歓声を浴びた小沢氏の「ここで終わってもいいんですけど(笑)」と飛ばしすぎたジョークを交えつつ、さらなる見せ場へと突入してゆきます。

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10.戦場のボーイズ・ライフ(一)

 ここまではわりと想定範囲内のアレンジが多めかな……? と思っていたら、ここからのメドレーがとんでもなかった!
 「戦場の/愛し愛されて/東京恋愛専科/生きるのさ/ボーイズ・ライフ」!
 「ひふみよ」で「ローラースケート・パーク」⇒「東京恋愛専科」⇒「ローラースケート・パーク」のメドレーがありましたが、それをさらに過激にしたバージョン、といえば良いんでしょうか。
 一番手の「戦場のボーイズ・ライフ」は「ラッキースター」を(なぜか)省略。「胸の奥にそっと……」のパートは満島さんボーカルでした。
 「僕にとって射す光」の「射す光」のフレーズを繰り返して、次の「愛し愛されて生きるのさ」へフェードイン。

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11.愛し愛されて生きるのさ(一)


愛し愛されて生きるのさ

愛し愛されて生きるのさ

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 「魔法的」のセットリストに入ってなかったので、ライブではずいぶん久しぶり……? と思ったけど、去年のフジロックでやってましたね。「録音時のオリジナル歌詞カードTee」にもなっています。
 途中のフレーズを女の子や男の子に合唱させつつ、「そんな言い訳を用意して」のフレーズから「東京恋愛専科」へ。

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12.東京恋愛専科


 「東京恋愛専科」、新たな振り付けがありました。
 「ばーらーばー……」の部分で「雨、雨、あれ、傘、目目、耳耳、鼻鼻、口口……」(※うろ覚え)というもの。言葉だけじゃ何が何やらですね。
 フジロックのときの振り付けも好きでしたが、今回のコレも楽しい(けど難しい)です。

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13.愛し愛されて生きるのさ(二)

 BPMがグンと早くなって、「家族や友人たちと!」の語りから再び「愛し愛されて生きるのさ」へ突入。

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14.戦場のボーイズ・ライフ(二)

 ボーイズ・ライフに始まりボーイズ・ライフに終わるメドレー。
 ここの歌詞、「VILLAGE」で歌われていた3番(?)のフレーズだったと思います。「戦場のボーイズ・ライフ」の曲構成って変則的で、「大サビ⇒1番⇒2番⇒サビ⇒ブリッジ⇒サビ⇒サビ⇒大サビ」*1みたいな流れなんですよね。で、CD版では2番までしかないんだけど、たしかVILLAGE版では「大サビ⇒1番⇒2番⇒サビ⇒3番⇒サビ⇒ブリッジ⇒サビ⇒サビ⇒大サビ」の流れだったと記憶しています(あとでちゃんと確認します)。ここで歌われているのは、この「3番」以降のパートだったんじゃないかと。
 ちなみに、シングル『戦場のボーイズ・ライフ』の発売が1995年5月17日「VILLAGE」ツアーが同年4~5月ごろ(ビデオ化もされた武道館公演「VILLAGE "the show"」が5月13日)。おそらく、レコーディングがおこなわれたのはそのもうちょっと前でしょう。順番的には「CDレコーディング⇒VILLAGEリハーサル⇒VILLAGEツアー⇒CD発売」って流れだったんだろうと推測します*2

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15.強い気持ち・強い愛

強い気持ち・強い愛

強い気持ち・強い愛

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 アップテンポな曲の畳みかけが続きます。「魔法的」ツアーでも必ず毎回盛り上がってましたが、もちろん今回も客席のボルテージは最高潮。
 ……すいません。このあたり、テンションが上がりすぎてたようで正直よく覚えてないです。ライブ中にメモをとってたんですが、この曲に関してはたった1文字、「強」としか書いてません。強かったんでしょうね。全体的に。
 ただ、曲が終わったあと、スタッフの持ってきたギターが満島さんに手渡されるのを見て驚いたことだけはよく覚えてます。
 
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16.ある光


ある光

ある光

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 Apple Musicの『Tokyo, Music & Us 2017-2018』で峯田和伸とセッションしたり、Apple MusicとiTunes Storeで配信したり、今回の「録音時のオリジナル歌詞カードTee」にラインナップされていたり。これだけ条件が揃ってて「ある光」をやらないはずがない! と期待していた人も多いでしょう。もちろんやりました。
 しかも、イントロのギターを弾くのは満島ひかり! 満島さんのギターから響く、ディストーションをかけて歪みまくったリフ。なんだなんだこの曲は、まさか新曲? と動揺していたところで「let's get on board!」のシャウトが響き、客席に歓喜の声が上がります。
 「強烈な音楽がかかり……」「僕の心は震え……」といった語りが入るたびに大歓声。
 2012年の「東京の街が奏でる」以降、「let's get on board」の後に「光よ 一緒に行こう」と歌われていましたが、今回はフレーズが違ってました。「遠くまで行こう しっかりと」みたいに聞こえましたが、ちょっと自信ないです。

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17.流動体について


流動体について

流動体について

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 例のハンドクラップからスタート。フジロック'17のホワイトステージでは、このハンドクラップからフェイントで「ぼくらが旅に出る理由」が始まりましたが、今回は素直に「流動体について」でした。
 昨年末のMステ出演時と同様、「なかったのなら」「舞い降りる時に」の部分はキー低め。
 最後の大サビは3回くらい繰り返した気がします。「もう1回!」の呼びかけのたびにどこまでもどこまでも客席の熱量が上がってゆきました。やっぱりこのあたりも記憶があいまいですね。
 本編はここで終了。ステージから去るときに小沢氏が「どうもありがとう、よいお年を!」と挨拶してた気がします……が、さすがにこれは僕の聞き間違いかも。

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(アンコール)

 アンコールではメンバー一同、グッズのTシャツかレコジャケ・ジャケットを着用して登場。グッズ紹介ページ「バンドメンバーのオフィシャルコートですが、さてさてみんな何を入れてくるのやら」と書かれていたのでメンバーの背中に注目していたのですが、僕が見た限りではレコードを収納していた人はいなかった気がします。もしかしたら、この時点でかなり時間が押していたので遊ぶ余裕がなかったのかも。

18.流星ビバップ

流れ星ビバップ

流れ星ビバップ

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 ものすごくスローなテンポで「薫る風を切って公園を通る 汗をかき春の土を踏む……」*3のフレーズを弾き語り。
 「春! 空! 虹、春、空、虹!」のカウントから、36人編成ファンク交響楽による高速BPMにシフトチェンジ。アンコール待ちで一旦座っていた人たちも一斉に立ち上がって踊りまくりです。

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19.春にして君を想う


 「この曲は、指揮者の服部隆之氏がエレピを演奏します」と述べてから、「春にして君を想う」。
 間奏で静かなタンゴ(?)を踊る小沢氏&満島さんの姿が楽しげでした。

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20.ドアをノックするのは誰だ?

ドアをノックするのは誰だ?

ドアをノックするのは誰だ?

  • 小沢健二
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
 演奏前に、「この曲は元々『ノーザン2』というタイトルで、『ノーザン1』は『ラブリー』になったんですけど」と解説。ちょうど『LIFE』の頃に小沢氏が「ノーザン川崎」というフレーズを好んで使っていたようなので、その流れでつけた仮題なのかも。
 ただ、客席でドアノックダンスを軽快に踊っている人が意外に少なかったのがちょっとショックでした。なんなんでしょうか。若者のドアノックダンス離れが深刻化しているんでしょうか。啓蒙活動が必要なんでしょうか。
 
 ところで、アンコールの曲はみんな「春」絡みでしたね。「にして君を想う」はもとより、「流星ビバップ」は「の土を踏む」だし、「ドアノック」は「風薫るの夜」だし。

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21.アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(二)

 今回のライブタイトル「春の空気に虹をかけ」は、「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」の歌詞です。だからライブ自体も「アルペジオ」に始まり「アルペジオ」に終わりました。
 オープニングと同様、イントロのオルガンの音がずーーーっと伸びてゆき、「春! 空! 虹、春、空、虹!」のカウントから、「アルペジオ」のインストゥルメンタル。
 小沢氏が「36人編成ファンク交響楽ということは、36人のメンバー紹介があるということです」「メンバーの名前が呼ばれたらみんなで『オッオーッオッ!』と讃えてください』と述べ、メンバー全員の名前を満島さんが紹介していきます。

「土方隆行」\オッオーッオッ!/
「中村キタロー」\オッオーッオッ!/
「白根佳尚」\オッオーッオッ!/

みたいな感じ。文章だと雰囲気が伝わらないかもしれませんが、これ、実際に声を合わせて36回以上も\オッオーッオッ!/って言うと妙に楽しいので、みなさん恥ずかしがらずぜひ大声で叫びましょう。

22.アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(三)

 メンバー紹介を終えて、もう1回ボーカル入りの「アルペジオ」。今回の「アルペジオ」、「ひふみよ」における「流星ビバップ」みたいな位置付けですね。
 最後の語りは小沢氏1人で力強く、エモーショナルに。二階堂ふみさん&吉沢亮さんの軽快な語りも良いですが、今回の小沢氏自身による語りはとにかくかっこよかった! 同じ旋律に乗せた同じフレーズでも、こんなに大きく印象が変わるとは。
 
 演奏が終わり、小沢氏が客席に「僕のライブに初めて来た人?」とアンケートを取ると、1~2割くらいの人が挙手していました。
 初めての人たちに「日常や生活に戻るため、いつもカウントダウンで終わるんです」と説明してから、最後のカウントダウンに入ります。
 
5
 
4
 
3

(客席から「やだー」の声)
 
2
(小沢氏が「大丈夫」とこたえる)
 
1
 

「生活に帰ろう」
 
暗転。薄暗がりの中、メンバーがステージを去って行くのが見えました。
 
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音声トーク

 ライブ前日に予告されていたとおり、終演後、ナタリーによる音声トークの配信がありました。
 この音声トーク、何時から配信されるのかさっぱりわからなかったのですが、終演直後に楽屋からすぐ配信開始してました。あまりに突然だったので僕も途中から(ロッカーの荷物を取りに行ったりしつつ)聴いていたんですが、どたばたしてたのであまりちゃんと耳を傾けられず。僕が覚えているのは「蛍光Teeはステージからよく見える」「満島ひかりさんの視力は2.0なので2階席までよく見えた」といった話題くらいです。
 配信終了後も12時間くらいは聞き返せたようですが、まさかそんなすぐに消えてしまうとは知らず、結局聴けずじまいでした……。残念。
 残りの3公演でも同様の配信があるなら、今度はちゃんと聞き逃さないようにしたいですね。
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【8】個人的な感想

 最後に、いくつか感想というか雑感的なものをいくつか。

「長さの意味」

 初日で個人的に一番グッと来たのは、36人編成ファンク交響楽による「フクロウの声が聞こえる」でした。
 CD版でカットされていた歌詞が今回ふたたび歌われていたのは先に書いたとおり。CD版は5分以内(4分59秒)に濃縮されてましたが、元々の「魔法的」バージョンは6,7分くらいあったと思います。今回もやっぱり6,7分くらいあったはず。
 そういえば、今回のグッズ紹介ページでこんなコメントが書かれていました。
「いろんな場面で、長さの意味ってある、と思う昨今です。」
 最初は6,7分くらいあった曲を、シングルで4分59秒にした意味。それをまた6,7分に戻す意味。その「長さの意味」を想像すると楽しいです。
 たとえば、小沢氏のライブはいつも「もう1回!」と繰り返す部分が多いですよね。今回もいろんな曲で「もう1回!」が炸裂しました。同じフレーズを何度も繰り返して曲の長さがどんどん伸びていくほど高揚感も増してゆき、「日常」や「生活」とはかけ離れた境地へ行ってしまう。だからその対極にある「日常」のお供のシングル曲は短めなのかな、とか想像してみたり。

「幻?」

 今回のセットリスト、もちろん最高の曲目が揃ってるんですが、意外にも「天使たちのシーン」とか「さよならなんて云えないよ」とか「今夜はブギーバック」といった定番曲が入ってないんですよね。まあ、尺が限られている以上、新曲が加わった分だけ定番曲の枠が減ってしまうのは仕方ないと思います。
 むしろ心配なのは、2016年の「魔法的」で初披露されたまま、未だにリリースされていない新曲の数々の今後です。実は今回、終演して真っ先に「ああ、魔法的の曲はやらなかったか……」とちょっと残念に思っちゃいました。
 「涙は透明な血なのか?(サメが来ないうちに)」も「飛行する君と僕のために」も「超越者たち」も「その時、愛」も、それに(魔法的の曲ではないけど)「東京の街が奏でる」も、このまま「甘夏組曲」*4のような幻の曲になっちゃうんじゃないか、って不安があるのです。
 「飛行する君と僕のために」はフジロックでやったときのホーンアレンジがめちゃくちゃかっこよかったし、「超越者たち」とかもストリングスが合いそうだし、みんな今回の36人編成ファンク交響楽で演奏しても絶対映えると思うんだけどなー……。今後のライブやレコーディングに期待したいです。

おわりに

 以上、初日についてさらっと軽くレポートするつもりでしたが、いざ書いてみたら例によって大ボリュームになってしまいました。毎度のことですね。でも、まだまだ全然書き足りない気がしてます。
 
 ライブ終盤、小沢氏が「あと2公演は来てください」と(恒例の)無茶振りをして客席から笑いが起きていましたが、たしかに今回のライブは会場もバンドもスケールが大きすぎる。1回きりで味わいつくすなんて到底無理です。
 ライブが終わってからネット上でいろんな人の感想を目にしてますが、「うわー、こんなの気づかなかった!」と驚く部分がたくさんありました。ちょっとした演奏のアレンジとか、演出とか、その他いろいろ。
 なんだかんだで僕は今回、4公演ともすべて参加する予定です。なので、これから見ていくうちに他にもまだまだ書きたいことが増えてくるだろうと思います。というわけで、本稿は今後も随時加筆修正していくつもりです。
 
 最後に。先にも書きましたが、5/2,3の終演後に開催する非公式イベント「春の余韻に砂をかけ」もよろしくお願いします!

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*1:この用語の使い方も構成の捉え方も、正しいかどうかけっこう怪しいです……詳しい方いればご教示ください

*2:こちらhttp://ozkn.net/post/35707059976/stripped-the-rolling-stones-1 によれば、「戦場のボーイズ・ライフ」のレコーディング中、小沢氏がおさえていたEMIのスタジオを一時的にローリング・ストーンズに貸したのが1995年3月3~5日

*3:もしかしたら違う箇所だったかも

*4:1996年のライブ「レビュー'96」で初披露されたきり、お蔵入りになっている曲