中朝国境の町を歩く 対北制裁で経済的打撃

南北、米朝会談への期待で回復の兆しも

2018年4月25日(水)

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図們江の向こうに見える北朝鮮。向かって左側にはロシアのハサン湖が、北朝鮮の向こうには日本海が控える(写真:福島香織)

  久々に中朝国境に行ってきた。今回のコラムはその簡単なリポートから始めたい。

 行先は吉林省の琿春という人口23万人程度の小さな街で、ロシアと北朝鮮と中国の3カ国の国境が接する。北京駅から列車で1本、10時間あまり。この路線は、吉林駅あたりから先の風景がなかなか美しいと評判だ。5月も半ばを過ぎたころだと、おそらく車窓から、芽吹いたトウモロコシ畑の新緑の絨毯を眺めながら鉄道の旅を満喫できるだろう。

 私が訪れた4月半ばは、まだ新緑の季節には早かったが、気温は日中15度ぐらいと快適だった。午前6時40分発の列車で、少し予定時間より遅れた午後7時すぎに到着した。

 中朝国境だから緊張しているかと思えば、普通の国境の地方都市であり、耳に入る言葉や目に飛び込む文字が朝鮮語とロシア語が若干多いぐらいの特徴しかない。飲食店のメニューに、朝鮮族の好む「狗爪」(犬の手)が当たり前のように並んでいるのに、朝鮮族自治区らしさを感じる。

 琿春を訪れたのは、琿春と図們などの街に北朝鮮の国境沿って対北朝鮮人用難民キャンプの建設が始まっているとロイターなどが報じていたので、ひょっとすると見つけられるかな、と思ったからだ。だが、残念ながら、さほど現地滞在時間も長くない中、探し切れなかった。おそらく山間部の方にあるのだろう。あるいは、まだ造られていないか。

 もう一つは、中国が対北朝鮮経済制裁に参加し、琿春の税関を通じて中国に例年大量に輸入されていたズワイガニや毛ガニなどの北朝鮮産海産物が全面禁輸となったことを受け、国境の町の経済がどれほど打撃を受けているのだろう、と気になったことだ。

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「中朝国境の町を歩く 対北制裁で経済的打撃」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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