厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS セクハラと贈収賄

<<   作成日時 : 2018/04/24 19:36  

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しつこいけれど、個人的には非常に興味があるので、財務次官のセクハラ事件についてもう少し視点を変えて考えてみたい。それは、本件を贈収賄として構成する可能性についてである。

公務員である次官が職務に関連して賄賂を受け取れば収賄罪になる。それを送った側は贈賄罪になる。公務員がその職務に関して賄賂を収受、または要求、約束すれば構成要件には該当する。職務関連性は、抽象的(一般的)職務権限に属するものであれば足り、現に具体的に担当している事務であることを要しないと解される。今回の次官が記者に対して自分の関係する仕事について「ネタ」を提供することは、十分に職務関連性があると考えられる。多分問題は「賄賂」の定義である。

賄賂罪の保護法益は一般に公務員の職務の清廉性であるといわれる。つまりその清廉性(ないし公正性)をゆがめる可能性のあるインセンティブであれば賄賂となる可能性があるのだと思う。金銭及び商品券などの金銭等価物、高額な物品などはもちろん、債務の肩代わり、金銭の貸付、酒食の接待、旅行招待、就職のあっせん、試験の採点、性的サービスなども賄賂になりうるのである。

今回の事案は、まだ完全に事実関係が明らかであるとも言い難いので、一定の前提で考えるなら、仮に次官が(一部報道にあるように)夜間に自ら電話をして特定の女性記者を誘って飲食店に呼び出し、あのような言葉を吐いていたなら、いろいろな意味で最悪である。セクハラという問題を除いても、彼にとって女性と飲食をするという行為やそういう低次元の会話をするということ自体が楽しみであり、そのために呼び出したことが明白だからである。最近はパパ活なるものがはやっていて、なんでも若い女性に定期的に一定の金銭を払って食事をしたりする関係があるそうだ。そういう場合でも一定の回数を重ねれば私的に親しくなるだろうけれど、恐らく金銭的対価を伴う関係という線は変わらない。今回の事案で次官がそういうところに価値を見出していて、なおかつ自分の立場を利用して(若い女性と食事したりする)サービスを享受していた、そして女性記者の側はそれを知りながらそのサービスを提供し、見返りに一定の情報を得ようとしたということであれば、贈収賄が成立する可能性はないだろうか?

言いたいのは、意外に公務員であるがゆえに本件は大きな問題だということである。民間人が幾ら饗応を受けても犯罪ではないが、公務員が職務に関連して饗応を受けたら立派な犯罪である。刑法が守ろうとしている公務員の職務清廉性というものをもう一度きちんとかみしめてもらいたい。個人的な意見としては、女性記者と一対一で密談することすら「饗応」となり得る。自分が若い女性だから特別にあってくれているということをわかってそういう場に臨んだ担当記者とそれをわかって意図的に若い女性を担当にしているメディア側は贈賄の共同正犯である。若い美しい女性とお金を払っても二人きりで話したいという男性は現に存在するのだ。まあメディア側がどのような人を記者にするのかはメディア側の選択に任せるとして、少なくともそのような疑いがもたれることのないようなやり方を取材する側も取材される側もとるべきだろう。やり方はいくらでもある。どうしても深夜に記者と会う必要があれば、公務員側が(家族がいる)自宅に呼べばいい。そもそも特定の記者と密談するということ自体、職務の公正性を疑わせる可能性があるのだから、必ず複数の記者とやるというのも一つだ。今回の関係者の様々な関係者の言動を見ると、メディアも、役所も、セクハラという問題以前において、職業倫理というものを一体どのように考えているのかかなり憂慮せざるを得ない。

真面目に立件されるとは思わないけれど、冷静に考えてみたら、実体はそんな感じかなと。

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