「体感治安」という指標に意味はあるのでしょうか。
見かけた意見だと、「{犯罪は増えていて安全神話は崩壊した}とマスコミが人々の不安を煽りたかったが、
犯罪率を大々的に公表したのでは{日本は昔より安全になっている}という結論になってしまう。
そのため、体感治安という用語を作り出した」というような内容のものもありました。
それも本当かどうか分かりません。
大体、警視庁も体感治安調査を行っています。
「犯罪に遭う不安ある」77% 警視庁が体感治安調査
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2005H_R20C …
犯罪率や犯罪に合う確率は分かるのですが、「体感治安」の意味とはなんでしょうか。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:2013/08/15 13:24
まず、犯罪統計というのは、実は客観的な数値ではない、ということがいえます。
犯罪というものが数値になるためには、次のような段階を踏むことになります。
1・親告罪の場合、被害者が警察に訴え出る。非親告罪の場合、外部の人間による通報や、警察官自身がその現場に居合わせる
2・その状況について、警察が「これは犯罪である」と認め手続に入る。
つまり、ある出来事があって、それが「犯罪である」と統計数値に表れるためには、通報と警察の手続、という二つの段階を踏むことになるのです。
で、例えば、です。
親が子供を叱り、その中で殴っていた、とします。
故意に相手を殴っているわけですから、親の、子供に対する「暴行罪」という風に言えるでしょう。しかし、それが全て通報されるでしょうか?
少し前までであれば、子供を厳しくしつけるのは親の仕事、という認識が強かったですから、このような行動を近所の人が見ていても通報する、ということは少なかったでしょう。勿論、親が自首をするとか、子供が被害届を出す、という可能性も極めて低いです。すると、この時点で見逃されていたものが多くなります。
そして、いざ、警察に通報されたとして、今度は警察がそれを事件として処理するのかどうかが問題になります。
警察の基本的な態度として「民事不介入」というものがあります。刑事事件はともかく、家庭内などのことについてはなるべく口出しをしない、というものです。すると、通報は受けたけど、「やり過ぎないように」と親に一言注意して終わり、という形で「事件にならない」というようなこともあるのです。
そして、こういう態度は、社会の意識によって大きく範囲が異なります。
昨今は、「児童虐待を防止しよう」という意識が高まりました。すると、以前は、子供を殴ってしつける親は見逃されていましたが、現在は通報される、ということが多くなります。また、警察も、そういう社会の認識が高まれば、ただ注意するのではなく、親を犯罪者として取り締まる、という風に態度を変えざるを得ません。すると、犯罪認知件数が多くなる、というわけです。
で、これは実際の犯罪認知件数の変遷を見ると非常によくわかります。
昨今の「治安悪化」言説というのは、1990年代後半に一気に犯罪認知件数が増加したことが基になっています。
警察白書のデータで、どのくらい増加したのか、を示します。
1996年に180万件ほどだった犯罪認知件数が、2002年に280万件になりました。僅か6年で実に1.55倍です。さらに、この2002年をピークとして、今度は、犯罪認知件数は減少をはじめ、2012年には138万件になりました。
つまり、1996年から僅か6年間で1.55倍にまで急増し、そこから今度は10年間で半減してしまったわけです。明らかに景気とか、そういうものとは違うファクターが影響している、というのがわかるわけです。
と、前置きが長くなりましたが、体感治安というのは、そういう「人間の態度」で件数が大きく変化している中で、人々が現在の治安状況にどのような感情を抱いているのか、というのを調べているわけです。
実際の犯罪状況がどうであっても、人々は犯罪が身近でおきやすくなっていると感じる。逆に、増加しているのにおきにくくなっている、と感じる。客観的なデータがあるものであっても、それと人々の意識が乖離することは珍しくありません。まして、先に書いたように、犯罪統計というのは、様々なファクターによって左右されるものなので、人々がどのような意識を持っているのか、というのも重要になる、というわけです。
No.6
- 回答日時:2013/08/16 11:45
>またグラフでは1989年の後が書かれていませんがこれは画像が古すぎないでしょうか。
古いも何もありません。今回の回答の為に当方がワザワザ作ったグラフなので、出来立てのホヤホヤですよ。
グラフの作成に使用した元データは1929~2012の期間のデータです。
エクセルの折れ線グラフの仕様で、横軸の年度表記が1989までしか表示されてませんが、データはちゃんと2012年まであります。
>犯罪白書を見たところ平成8年から14年あたりは増えていたのですが、14年の後から昨年の24年まで毎年前年比で減っていました。
>(1929年から1973年あたりは増えているのではなく、変化なし。青い線と犯罪数の推移が合っていない)
青い線は、エクセルの折れ線グラフの「線形近似」で自動で挿入した線なので、「全体として、増加傾向なのか、減少傾向なのか」が判る筈です。
一部分だけ見て「ここは変化なし」って言っても、意味はありません。知りたいのは「昔に比べて、今現在はどうなのか」つまり「全体として、増加傾向なのか減少傾向なのかが知りたい」のですから。
作って下さったものですか、ありがとうございます。
2012年までのデータが入っているのなら、全体を見てやはり犯罪率は減っているように見えます。
エクセル自体や線形近似機能はよく分からないのですが、もしかして1989年の後を省略したためにこういう青線になっていませんか。
1929年から1973年あたりを増加傾向と見ても、その後は減少傾向に見えます。
No.5
- 回答日時:2013/08/15 16:01
A No.3 HALTWO 再びです(^_^;)。
私が NY (New York) に住んでいた頃、Rudy こと Rudolph W.L. Giuliani III が NY 市長となり、彼は NY の警察官を倍増して犯罪件数を大幅に減らしました。
人々の不安が高まって街の通りから露天商が激減した湾岸戦争前夜に私が Hold Up を喰らって殺されそうになったのも New York の犯罪率が正に Peak となった頃なのですが、確かに Rudy が市長になってからは地下鉄の落書きは激減し、街には活気が戻ってきたように感じたものです。
しかし一方で、NY 生活に慣れてきた私は「全体的な犯罪率は低下しても、何処の街の何通り辺りは返って凶悪な犯罪が起きるようになっている」という情報を得られるようになり、市内の目抜き通りを追われた犯罪者達が裏通りや隣接する都市に流れ込んで行く実態を理解できるようになりました。
統計上、Rudy の市長任期中に NY 市の犯罪率は下図のように半減したのですが、NY 市郊外に住んで NY 市に通勤していた私や知人達の感覚では自分達の居住生活圏に於ける治安が良くなったとは感じておらず、体感治安は変わっていませんでした。
実際、私が遂に流れ弾に当たって怪我をしたのも NY 郊外の滅多に行くことのなかった都市での事でしたし、間近で殺人窃盗事件が起きることも「んなもの、しょっちゅう(^_^;)」と言えるほど、日本に較べれば信じられない率でしたから・・・真夜中に通り向こうの DELI (雑貨店) に友人とポテチを買いに行き、今さっき撃ち殺された遺体とは知らずに「臭っせぇオッサンだな」と遺体を跨ぎ越して帰って来た後で警官達の事情徴収訪問を受けて目が点になったこともあります(笑)。
私が住んでいた家は街の住人達が皆でお金を出し合って地元の警察に寄付 (私も半年毎に $20 出していました) することにより、毎晩 Pat'Car が何度も Patrol してくれる Route になっていたのですが、その理由は「斜め向かいに住む幼馴染みの女の子を強姦殺害した男の家族が 1 Block (街区) 離れた所に未だに住んでいるので、殺された女の子の父親が酔っ払うと Shot Gun を男の子の家にブチ込み行って大迷惑している」というものでした(^_^;)。・・・この事件は日本の TV 番組 Video (北野武が出ている「テレビ特捜部」) で「あれ?あそこの家はウチの近くにある・・・そう言えば昔、大学で・・・あれれ?」と始めて知りました(笑)。・・・周囲に較べて犯罪率が非常に低く、夜は警察が Patrol してくれる街という知人の紹介で移り住んだのですけれどねぇ(^_^;)。
犯罪率というのはあくまでも広い範囲に渡る地域の統計、或いは特定の都市に於ける統計であり、自分達が住んでいる地域の Pin Point での統計ではないこと、統計には表面化しない犯罪がその地に住む人々の体感治安に大きく影響を及ぼしていることを理解していただければ幸いです(^_^) /。
No.3
- 回答日時:2013/08/14 15:06
Internet Site で調べると犯罪そのものは非常に少ない街なのだけれど、CVS (Convenience Store) の周りにはガラの悪い中高生が昼間から座り込んで騒いでいるし、夜中も公園で学生らしき集団が大きな声を出しているし、目つきも風体も悪いオッチャンがぶつぶつ言いながら歩いているのをよく見かけるし、電車や店の中では Manner の悪い人をよくみかけるので、本当に治安が良いのかどうか非常に不安(^_^;)・・・犯罪自体は少ないにしても、犯罪者予備軍みたいな人が多いと感じたり、犯罪として検挙されなくとも悪い事をする人が横行しているなんてのが「体感治安が悪い」ということなのでしょうね。
逆に「犯罪そのものは非常に多い」にも関わらず、街全体が華やかでうきうきした気分になれることから「治安が悪い」とは感じられないものは「体感治安が良い」ということになるのでしょう。
実際の犯罪率は非常に高いのに犯罪に巻き込まれるまで体感治安が良く感じられてしまう典型が「海外旅行」でしょう(笑)。
私は New York に 10 年住んだ経験があるのですが、観光旅行に来た女の子が可愛い Mini Skirt を履いて御土産を買うべく現金をごっそり入れた Bag を片方の肩にかけ、危険な街の裏通りの店に観光 Guide 片手に出かけようとするのを何度も止めた経験があります(笑)。
「そんなところに引っ越すのは止めろ!」と注意したにもかかわらず「同じ大学の学生がいっぱいいるし、夜は Hispanic 系の住人達が庭で歌って踊っていたりする所だから安心よ」と引っ越してしまった留学生の女の子から翌週には「上の階で強姦があったんだってぇ(T_T)」と電話がかかってきたり、下の階に引っ越した友人の車が壊されて Stereo を盗まれたと言うので警察を呼んでやったりとよく世話を焼いたものです。・・・その私自身も命に関わる事件に何度も遭いましたし(^_^;)・・・。
見た目の雰囲気による感覚的な治安を体感治安と呼ぶのですが、あくまでも個人々々の主観ですので実際の統計とは人によって大きく異なるものです。
殺人事件なんて日に何度も起きて日常茶飯事の都市では同じ事件を日に何度も報道しない上に重要度も低いものですので英語 News は観ないし英語新聞も読めない観光客や留学したての学生はどれほど治安が悪いか判らずに体感治安は良く感じてしまうものですが、日本では殺傷事件ともなれば毎日々々何度も報道しますので返って体感治安が悪く感じてしまいがちなのだろうと思います。
New York では日本全体とか地方全体のような広い範囲での治安統計ではなく、今現在住んでいる街の Block (街区) やこれから行こうとしている場所の Route (通り) 沿い及び目的地周辺の治安を考えるのが当たり前のことだったのですが、他国に較べると極めて安全な日本では広い範囲の統計を見がちであり、それと主観的な感覚とのずれが大きいことから体感治安などという言葉がよく用いられるようになったのでしょうね。
No.2
- 回答日時:2013/08/14 13:21
>犯罪率を大々的に公表したのでは{日本は昔より安全になっている}という結論になってしまう。
統計マジックに誤魔化されないようにご注意。
犯罪発生率は「国民○○人あたりで、警察が犯罪として認知した件数」です。
犯罪が巧妙化し、警察にバレる件数が減れば「犯罪そのものは増えているが、警察が犯罪として認知できる件数が減って、統計上の犯罪発生率が下がる」のです。
「体感治安」というのは「警察が犯罪として認知できなかった犯罪も含んだ、庶民が身体で感じた治安の良し悪し」です。
「統計上の犯罪発生率」が、実情を反映しなくなってしまったので、苦肉の策として「体感治安」と言うのを作っただけです。
因みに、1926年から2011年までの「10万人あたりの刑法犯の件数」の一覧をグラフ化してみたら、完璧に「増加傾向」にあるので
>犯罪率を大々的に公表したのでは{日本は昔より安全になっている}という結論になってしまう。
と言う部分は「大嘘」です(添付画像参照。赤線が件数、青線は近似直線)
これが
犯罪率を大々的に公表しても{表面上、数字の上だけで、日本は昔より安全になっているように見えるだけ}という結論にしかならないし、犯罪率は上昇傾向にある。
と言うのであれば、嘘ではなくなります。
因みに、大々的とは言わないけど、犯罪発生率などの資料は、毎年公表されてます。
「犯罪白書」って、聞いた事がありませんか?
以下サイトで過去の分もすべて読めます。
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/nendo_nfm.html
この回答への補足
体感治安とは話が逸れるのですが、
このグラフを見るに、年々犯罪が増えているのではなく1981年から1985年の間に急に増えて急にまた減っているように見えるのですが気のせいでしょうか。
(1929年から1973年あたりは増えているのではなく、変化なし。青い線と犯罪数の推移が合っていない)
またグラフでは1989年の後が書かれていませんがこれは画像が古すぎないでしょうか。
犯罪白書を見たところ平成8年から14年あたりは増えていたのですが、14年の後から昨年の24年まで毎年前年比で減っていました。
>「統計上の犯罪発生率」が、実情を反映しなくなってしまったので、苦肉の策として「体感治安」と言うのを作っただけです。
これも不思議に感じます。
いくら統計上の犯罪発生率が、実情を反映しなくなったとしても、体感治安が実情を反映するとも思えませんが気のせいですか。
体感治安が警察署長や現場の刑事に聞いたものなら分かりますが、
ただの一般人に聞いたそれもデータによる正確な裏付けがない、そんな状態でなんの調査をしていたのでしょうか。
それなら実情を反映しない統計を見ていた方がまだましだと思います。
No.1
- 回答日時:2013/08/14 13:08
犯罪の報道が多いので体感治安は良いものではないが実際は治安は良くなっている、というはなしですね。
>「体感治安」の意味とはなんでしょうか
言葉の意味としては実際の犯罪数やそれに合う確率(治安)とはべつの「治安に対する不安」のことでしょう。
不安は感情ですから、不安の有無と治安の実態に相関関係があるとは限りません。
体感治安という概念の意義について知りたい、ということであれば
実態に基づかない不安(感情・心理)があることを理解すれば、その不安を取り除くためにどうすればよいのか考える手がかりになります。
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