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 西日本鉄道と日立製作所は2018年4月24日、交通データの分析を基に最適なバスダイヤの策定を支援する「バスダイヤ運行計画支援システム」を共同で構築すると発表した。今後システム開発を進め、2019年度のダイヤ策定業務での利用開始を目指す。慢性的な運転手不足に対応しつつ、顧客の利便性を維持・向上できるダイヤ策定を目指す。

西日本鉄道と日立製作所が共同開発する「バスダイヤ運行計画支援システム」のイメージ
(出所:日立製作所)
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 新システムでは、利用者の乗降データとバス走行実績データを組み合わせて分析。停留所ごとの乗車・降車の需要や、バス1便当たりの混雑度や渋滞などによる運行への影響なども勘案して、最適なダイヤ編成ができるようにする。気象データや人口統計などと組み合わせたり、AI(人工知能)で需要予測したりする仕組みも検討している。

 乗降データは西日本鉄道が発行するICカード乗車券「nimoca(ニモカ)」の利用履歴から取得する。バス走行実績データはGPS(全地球測位システム)による位置情報や走行速度などのデータ(プローブデータ)を活用する。

 西日本鉄道は路線バス事業者としてグループで約2800台のバスを運行する国内大手。2018年3月に乗務員不足対策を理由として、福岡市内で路線を再編したり最終バスの運行時刻を早めたりするなどのダイヤ改正を実施した。新システムを人手不足の課題解決に役立てる。

 バス業界ではGPSの普及などを背景に、ダイヤ策定にビッグデータを活用する動きが広がっている。岡山県を地盤とする両備グループもダイヤ策定の自動化に取り組んでいる。