立ち往生から一夜が明けてもまだ動けずにいる国道8号の車列=2月7日午前7時35分ごろ、福井県あわら市牛ノ谷

 今年2月の記録的な大雪で福井県内の国道8号がまひしたことなどを受け、国土交通省の有識者検討会は4月23日、同省で開かれ、大雪による車の立ち往生対策に関する中間とりまとめを行った。チェーン規制の強化、大規模な立ち往生を引き起こした車にペナルティーを科すなどの検討、早めに通行を規制して集中的に除雪する「予防的通行止め」の導入を盛り込んだ。各地域で運用を検討し、来冬から実践する。

【画像】本当に怖い雪の凸凹道

 中間取りまとめでは、「できるだけ通行止めにしない」というこれまでの目標を転換し、「立ち往生の抑制と通行止め時間の最小化を図る道路ネットワークの影響の最小化を目標に対応すべき」としている。

 県内の国道8号で発生した約1500台の立ち往生は、チェーンをしていない大型車が起因だったとし、多くの車がチェーン未装着だった。このため提言では、警報が発令される水準の大雪が降った場合、チェーンを装着していない車の通行を制限できる仕組みの検討を促している。規制手順を高速道路会社などと調整する方針。

 さらに、チェーンをせず大規模な立ち往生を引き起こした場合、高速道路の利用が多い運送業者のトラックなどに適用している割引制度を停止するなど、一定のペナルティーを科すことも検討することも盛り込んだ。

 大雪が予想される場合に高速道路や国道を早めに通行規制し、集中的に除雪する「予防的通行止め」を実施すべきとしている。運送業者らには国が事前に道路情報板で対象区間を知らせ、回り道をするよう呼び掛ける。

 ハード面の整備では、地域の実情に応じて国道の4車線化、付加車線や登坂車線の設置、迂回バイパス道の整備も挙げた。カメラの増設、ロードヒーティング、消雪パイプなどの対策も明記している。

 会合後、検討会委員長の石田東生筑波大名誉教授は「福井県の西川知事からの要望も反映し、対策は最大限取り込めたと思う。今後、どう実践したか、その効果や課題もチェックしたい」と述べた。

CASA
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