トップ > 東京 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事
【東京】鉄道施設では初選定 上野・旧博物館動物園駅舎が都の歴史的建造物に
京成電鉄(本社・千葉県市川市)は、台東区上野公園にある旧博物館動物園駅の駅舎が「都選定歴史的建造物」に決まったと発表した。鉄道施設の選定は初めて。今後、活用方法について、近くにある東京芸大と協議を進めるという。選定は19日付。 (井上幸一) 同建造物は、都景観条例に基づき、歴史的価値を持つ建造物(原則として建設後五十年経過)のうち、景観上重要なものを都知事が選定する。今年四月現在、立教大本館(豊島区)、泰明小(中央区)、吾妻橋(台東、墨田区)、山本亭(葛飾区)、伊勢丹本店本館(新宿区)、東京芸大の赤レンガ一、二号館(台東区)など、今回の駅舎を含め九十三件が選定されている。 旧博物館動物園駅は、一九三三(昭和八)年、京成本線開通に合わせ、当時の東京帝室博物館(現東京国立博物館)、上野動物園の近くに開業。京成上野、日暮里駅間で、ホームは地下にあった。 駅舎は、鉄骨鉄筋コンクリート造で平屋建て。場所が御料地(皇室の所有地)だったため、御前会議で昭和天皇の勅裁を受けての建設となり、こうした事情から、駅舎内外の意匠は西洋風の荘厳なつくりになった。利用者の減少で九七年に営業を休止、二〇〇四年に廃止となったが、駅舎やホームは残された。 京成電鉄では、今回の選定で駅舎の歴史的価値が認められたことから、「保存、活用することにより、上野エリアの魅力向上に貢献していく」とのコメントを発表。駅舎の傷みや汚れなどを改修する工事を行うとしている。 また、同社は昨年六月に上野公園にある東京芸大と「連携・協力に関する包括協定」を結んでおり、駅舎の活用方法について大学側と検討していく。
|