Diary

地方で2年間eスポーツと向き合ってみた。そしてこれから

どうも、PUSHMANです。
富山県でeスポーツと向き合い始めて2年が経ちました。今思い返せば、あっという間でした。
小規模なイベントなどを行っている方、特に地方で活動している方に読んで頂ければ。
きっと悩んでいる人も多くいると思ってまして。アドバイスするほどの結果や立場でもありませんが、活動を進める上で「そういうやり方もあるんだぁ」と何か参考程度になればと思い、ブログにまとめることにしました。先に言っておきますと、自分も良くわかんないし、常に悩んでます。何を悩んでるのかも分かんないのでただ不安なだけかもしれませんが。笑

まずはじめに

私は急に、eスポーツのイベントなどを行おうと考えた訳ではありません。
約10年程前の高校生の頃からパソコンでFPSをプレイし始めたのがキッカケで、今でいうeスポーツというジャンルに興味を持ち始めました。(当時はただ面白くてやり続けてたんですが。)
その当時は今ほどオンラインでも大会は無く(オフイベは年に数回程度)だったんですが、大会はやっぱりモチベーション面でも楽しさでも大切で。「でも大会が少ない!」ということで、高校生頃のに昼食代にと親から貰っていたこずかいを少しずつ貯めてWebMoneyを買ってそれを賞品とした大会などを開催し始めたのが、イベントをやり始めたキッカケになります。それ以降もプレイヤーとして大会に参加しつつも、オンラインでの大会の開催を続けていました。


(動画:開催していた大会のフラグハイライトムービー

2012年頃からは、当時活動していたゲームでもある「CallofDutyシリーズ」のPC版コミュニティ「CallofDuty Japan Community(CoDJAPAN、後の@JOINGAME)」を立ち上げて、スポンサーを付けて定期的な大会を開催するようになりました。大会の配信では当時ニコ生で2日間で10,000人以上が視聴するなど、その後フラグムービーを作ったりと数名のメンバーで割と真面目にやってました。ルールなどは、各チームの代表者たちを集めて話合って決めたりなど、今のオフシーンの活動する上でも大切なことを沢山学ぶことが出来ました。しかし、顔の見えるオフシーンとでは全然違いました。

他にも、国内の有名FPSプレイヤーを取材するウェブサイトなんかもやってたりもしてたんですが、前置きはこの辺にして本題に移りたいと思います。

お店(JOYN)を立ち上げたキッカケ

高校卒業後は、都会に憧れて大阪の学校へ進学してその後に東京へ行き、フィリピンに語学留学中に出会った韓国人と東南アジアを数か月間バックパッカーで周り「都会ってどこも都会じゃん。田舎はいい!」と田舎至高主義になり、帰国後に地元の富山県に帰って来ました。


そして、地元のNPO団体の活動を引き継いで活動していた平均年齢60以上のボランティア団体に入り最年少で叱られながら理事長をしていた年もありましたが、竹を切っていたある日、定年退職したおじちゃん達が「アイツはどうして金もないのにボランティアで竹を切っているのか。大丈夫なのか。」と心配し始めて、メンバーの中に居た今のお店のビルのオーナー(東京を拠点に長年海外などでも事業をされていた方)から「何が好きなんだ?」と聞かれて「ゲームが好きです」とゲームについて語った所「居抜きの店舗があるからゲームで何かやってみれば」とゲーマーが集まれるお店をコンセプトとした「JOYN」を2016年春から始めることにしました。竹取物語ならぬ、これが富山県でeスポーツと向き合う物語の始まりになりました。

※JOYNは、JoyとJoinの造語です。先ほどの項目で出てきたJOINGAMEを意識してのネーミングです。

定期イベント開催

JOYNを立ち上げた2016年春から定期的なゲーム大会を開催し始めました。
イベント開催側としても、参加側としてもハードルの低さを重視してスマートフォンを使用したモバイルゲームに着目しました。
まずは、当時自分自身もプレイしていたゲームである「ハースストーン」イベントから始めました。Twitterを中心に告知をして、イベントを行った当初から幸いなことに10名以上が集まりました。結論から言うと、お店を立ち上げての最大のメリットはイベントを行う際の箱に困らないということでした。

その後、イベントに参加する常連の方たちも固まって来て、その中にトレーディングカードゲームのイベントを開催していたメイさんや、セイクウさん(現イベント開催を主とするチーム ToyamaGamingメンバー)といった方達の協力を得てイベントを定期的に開催していきました。2年経った今でもこの当時のメンバーがイベント運営の中核を担ってもらってます。おかげで続けていられる事実もあるので、やはりオンライン上で開催していた大会の際もそうでしたが、同じくゲームが好きな協力者という存在は非常に大事です。

2016年夏に「シャドウバース」がリリースされてから、シャドウバースのイベントに着手しました。
初めての大会は、自分たちを含めて参加者6名ほどでした。当時「シャドバ人集まらないから辞める?」といった事も話をしていました。しかし「シャドバはカードゲーム未経験者の方が多そうだから新規向けのルールが良いんじゃないのか」などと試行錯誤やメンバーで話し合ったりして、その甲斐もあり1カ月後には定員の16名がコンスタントに埋まるようになりました。
そして、更に規模を大きくしようと、そして少しでも世間の方にeスポーツを知って貰いたいという意味から、駅地下のイベントステージや温泉の休憩スペースを借りて大会を開催することにしました。近場で大会をされている店舗に協力して貰って、イベントの開催日を調整したり、告知をさせて頂いたりしたお陰で多いときで60名近くが集まりました。
今でもシャドウバース大会を月に3,4回ペースで開催しておりますが、有難いことに沢山の方が参加して下さっております。しかし、これはシャドウバース側からのイベントに対しての手厚いサポートのおかげでもあります。(シャドウバース以外も含めて大体年間で延べ1,400名程が定期オフイベントに参加しています。)

富山県eスポーツ協会設立


(富山県eスポーツ協会 ホームページ

2016年9月に富山県での一連の定期大会などの活動から縁があり、富山県eスポーツ協会を設立することになりました。2018年におおもとの日本eスポーツ協会(JeSPA)が合併することとなったため、現在は事実上の活動休止状態です。しかし、それでも日本eスポーツ協会の加盟団体として富山県eスポーツ協会を設立して良かったと考えております。
理由は、まず活動費を毎月頂いていたため経費面で助かっていたこと、JeSPAに窓口となって頂きイベントの際のゲームライセンス関係が円滑に頂けたこと、モニターやゲーム機などの機材面のレンタルが出来たことが挙げられます。それによりイベント開催を行う際に非常に助かりました。
そして、ボランティア団体での活動を通して感じたことでもありましたが、地方は特にただ新しいだけでは(eスポーツを知らない人たちを相手に)話が進めにくいので、協会というバックボーンを付けることが最大のメリットであると考えていました。実際、そのおかげで地元メディアでもeスポーツについてや活動などが取り上げられるようになり、地元密着をコンセプトとした次で説明します「ToyamaGamersDay」といったイベントの開催にも繋がりました。

富山県でeスポーツを。


(2016年秋。ToyamaGamersDay初開催の様子)

協会を設立したと同時に、好きなゲームを持ち込んで交流や対戦を目的としたイベント「ToyamaGamersDay(略称:TGD)」を地元でもある射水市の会議室を借りて開催しました。
普段から開催しているデジタルカードゲームに、格闘ゲームタイトルも加えて開催しました。格闘ゲームを加えた理由は、自分自身Uターンで地元に帰って来た身でありましたので、ゲームセンターを中心に活動していた先駆者達を無視することは出来ない、との考えからです。地方はプレイヤーの母体が都会より少ないですので、分散することだけは避けたかったです。私自身、FPSとデジタルカードゲームは分かりますが、格闘ゲームに関してはからっきしだったので、県内で活動している格闘ゲーマーでもあるマスター富山さんにスグに連絡して協力をお願いしました。初開催でしたが100名程が集まり、東京からDetonationGamingに所属している立川選手(富山県出身)とその友達の現TeamLiquid所属の竹内ジョン選手が来ておられて大変盛り上がりました。

このとき、県外からの参加者が多いことが分かり「どうせなら富山県らしさも味わって欲しい」という考えから、富山県を意識したイベントとなっていきました。
(関連リンク:ToyamaGamersDay ウェブサイト


(2017年夏。TGD17SUMMERの様子)

2017年の春と夏には、南砺市の老舗酒蔵「若鶴酒造」様の「大正蔵」をお借りして開催しました。
富山県の地酒とゲームを楽しむをコンセプトに春は夜通しでオールナイトで実施しました。
夏はクラウドファンディングで資金を募り、日本でも有数の銅製品生産地でもある「高岡銅器」の職人さんによる特製メダルを創って頂き、CYCLOPS athlete gaming所属のGO1選手を始めとするプロプレイヤーや、富山県出身の有名プレイヤーFAB選手を招待して開催しました。
(動画:TGD17SUMMER ハイライトムービー
 
 

(2017年秋。TGD17FALLの様子)

秋は、小矢部市のNPO団体と共同開催で旧小学校の現教育センターを使用してオールナイトで実施しました。
地元小矢部市の商店街の方達の協力もあり、普段とは違う形でイベントを行うことが出来ました。

TGDは、毎回100名規模で開催しており、現在は地元の各ゲームコミュニティに協力して頂き、年4回を目標にイベント開催しております。
先日地元新聞でも記事になっておりましたが、秋には市の協力を得て実施予定となっております。
(次回、TGD18SPRING 開催は4月28,29日)

イベント以外の活動


人の前で話すのは子供の頃から大の苦手ですが、定期的に富山県内であるプレゼンイベントなどに参加させて貰い、eスポーツについて説明させて頂いたりしております。一般の方からの理解も大事ですが、イベントなどを行う際などに私自身の力だけでは成長させることが難しいと実感しているため、県内企業の理解度も上げていく必要があると考えているためです。おかげ様で、時間がかかりましたが県内の企業やメディアで前向きに検討して頂いているのが現状です。


有難いことに県内のテレビや新聞、情報誌などで沢山取り上げて頂きました。上記と理由は被りますが、一般の方や企業の方に知って頂くための必要な活動であると考えています。最近、富山県出身のプロゲーマーということで、立川選手と大谷選手が大きく紙面で取り上げられることがありましたが、やっぱりプレイヤー(選手)が目立ってなんぼだし、良い影響も与えると考えているので、あのような露出が増えるといいなぁ~と。メディアとプレイヤーを繋ぐキッカケのような仕掛けを今後は意識して取り組んで行きたいです。


お店の外でいざイベントをしようと思ったときに不便さを感じることもあったり、やはり会場費の関係で赤字になるとイベントが続けるのは困難になってしまうので、地元のコミュニティがイベントを開催し易い環境があればどうかな、とゲーミングモニターを置いた部屋を作りました。
JOYN COMMUNITY SPACE. について


元々ゲームが好きで活動している理由が大きいですが、ゲームというのはイベントに参加する方との言語に近いコミュニケーションツールでもありますので、日々ゲームはやります。
普段からお店で開催している大会には毎回当然のように勝ちを狙って参加して、負ければ「あれはズルいわ」と参加者に向かって普通に悔しがったり、自分の店舗で他の方に運営を丸投げして(いつもか)ハースストーンの予選大会を実施して、まさか優勝してしまい、そのまま大会を勝ち抜いてアジア選手権に出たこともあります。笑
RAGEといった大型大会には、普段の定期イベント常連さん達10名程で毎回遠征をしており、割と無意識にゲームを楽しんでいます。自分自身も参加者と同じ目線で楽しむことは大事だと考えています。でないと、何が楽しいかの本質は分からないと思うので。

これから

今までの活動をもとに、やりたいことが沢山あります。今までの活動を成長させることも。
そういった意味でも、個人という立場では動きにくい事でもあるので、現在は東京を拠点にeスポーツ関連事業をしておられる戦場(ゲーム)で6年程前に知り合った方に協力して頂き、株式会社の5月,6月中の設立に向けて動いております。社名は思い入れの深い、原点でもあるeスポーツ(FPS)にのめり込む事となった活動していたチームから名を取って。また、お知らせします!

まとめ

長々と書きましたが、一緒にやる仲間(協力者)を作ることは大事です。
1人でも2人でも居れば随分と違うと思います。それはタスク面助かるからだけではなく、それ以上に精神的な支えになります。
正直、東京などのイベントでドコーッと人が集まってるのを見て凄くジレンマを感じていた時期もありました。地方で活動してて同じことを少なからず感じる人は居るはずですよね。(勿論、主催の方も頑張っての結果ということも分かっているつもりです。)
人数が全てではないけど、いざスポンサーなんかを付けようと思うとその数字と比較されちゃうのも現実です。だったら地元の企業に? でも、地方というのは大体理解されて動くまでが遅いんです…。難しい! とある誘いに対して断りのメールを打っていたとき、多分あれがここ数年で泣いた記憶のあること。涙が止まらなかった…。自分にもっと力があれば、次のステップに行けたのに。と、数ヶ月間気持ちが沈んでて何もやる気が出なかったです。でも、例えば定期的なイベントの参加者が前回より3人増えたとか、新規が1人来たとかそういう小さい積み重ねで「次の機会こそは!」と今は気持ちがみなぎってます。結局折れずに立ち直れたのも、イベントに参加してくれている常連勢や手伝ってくれている仲間なんかのおかげ。そういう小さく見えて大きな「1」をコツコツと積み重ねるしかないと今は思ってます。きっとここら辺は仮に東京であっても同じだろうなぁ、と。別に地方は弱みであるとも思ってなくて、地方にしかできないこともある。むしろ「1」が地方の方が重いからこそ続けられることもある。対してその「1」が軽いと苦しいこともあることも安易に想像出来る。結局どこも同じなんだなー、と。

最後に、地方は母数が小さいので出来る限り協調して分散しないようにした方がいいです!既に誰かやってたら一緒にやるのが理想。きっとその方が次に繋がりやすいと思う!あと、イベントのバナー画像やウェブサイトなどの宣伝物は全て自分で作ってますが、そこら辺の知識が少しあるだけでイベントっぽくもなるので少し触ってみることをお勧めします!もしくは作れる仲間を!
あとあと、参加者が1人増えるだけで主催者は相当嬉しいはずなので、少しでも気になったら遊びに行ってあげて下さい!

冒頭にもお伝えしましたが、「あくまで参考程度に。自分も悩んでるけど、何に悩んでるか分からない。ただ不安なだけかも。」という内容でした。笑

最後まで読んで下さった方、有難うございました!

それでは今週末、TGD18SPRING でお会いしましょう!!w

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