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【スポーツ】

[エアレース]室屋4位も機体性能アップ確信 5・27母国V3いける

2018年4月24日 紙面から

レース後、室屋(右端)は悔しさをにじませた((c)Red Bull Content Pool)

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◇レッドブル・エアレース世界選手権 第2戦カンヌ大会<決勝>

 22日 カンヌ海岸特設コース(フランス)

 室屋義秀(45)は最後のファイナル4に進出したが、風の影響で体勢を崩し、2秒ペナルティーもあって無念の4位に終わった。しかし、改良した機体の性能アップを確信。次の千葉大会(5月27日決勝)での、史上初となる母国戦3連勝に向けて明るい展望を描いている。優勝は同期生のマット・ホール(46)=オーストラリア=で、今季初V(通算5勝目)。

 コートダジュールの気まぐれな風が、希望の火を吹き消した。「あれがなければ勝てた。1年通していけばこんなこともありえるかな…」。室屋は悔しさをにじませながら気丈に語った。「あれ」とは、ファイナル4のターン8で吹いた風のことだ。

 予選6番手から決勝に臨み、ラウンド・オブ(R)14、R8と順調に勝ち上がった。R8では「ベストライン、ベストタイム」と大満足の57秒374をマーク。自身も周囲も優勝を信じた。

 だが、好事魔多し。この日はVTM(垂直ターン)をするターン8のエアゲート(パイロン2本並列)の外側だけ時折、弱い突風が吹いていた。ピート・マクロードがR8でこれにやられてパイロンを輪切りにした。室屋もファイナル4でこの風に直撃され、パイロンに当たりそうになって機体を傾けたところ、エアゲート通過時に水平でなかったとして2秒のペナルティーが科された。

 「本当にあそこだけ。コンマ7秒ほどロスした」と悔しがったが、結局1分0秒261で最下位に。2秒ペナと0秒7のロスがなければ57秒561のトップタイムで優勝だっただけに、「注意深く観察していればあの風が予測できた。たぶんトップの2チームはつかんでいたと思う。パイロットの経験値としていい材料になった」と反省しきりだった。

 それでも室屋の表情は明るい。機体の大規模改良で戦闘力は格段に上がった。あとは本拠地のふくしまスカイパーク(福島県)でセットアップ(機体調整)を煮詰めていくだけ。「トップと5点差のランキング3位から逆転したほうが面白いでしょ」と笑うチャンピオン。史上初の母国戦3連勝へ視界良好は変わらない。

 

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