技術書典4にサークル参加してきました
2018/04/23

技術書典4に弊社から3名のエンジニアがそれぞれ別のサークルで参加してきましたので、そのレポートをお送りします。

参加エンジニア紹介

  • 吉海
    • ドーモ、SIMEKIRI GIRI GIRI BOYの吉海です。私は「俺のLab.」というサークル名で参加してきました。
  • 今村
    • フロントエンドエンジニアの今村です。サークル名は「大根侍」です。婚活と絡めて、機械学習で色々作ってみた話を本にしました。機械学習でアプリなどを作りたい人にオススメの内容です。
  • あんどう

技術書典歴

  • 吉海
    • 技術書典1〜2: 不参加
    • 技術書典3: 一般参加
    • 技術書典4: サークル参加
  • 今村
    • 技術書典1〜3: 不参加
    • 技術書典4: サークル参加
  • あんどう
    • 技術書典1〜3: 行ったけど待機列or待ち時間が長すぎて帰った
    • 技術書典4: サークル参加

吉海は技術書典3がはじめての技術書典だったのですが、みなさんが自由に書いた技術書の同人誌がずらっっと並んでるのを見て、とても感動したのを覚えています。技術のことであれば、何書いてもいいのが面白いですよね。ただ、スケベな技術本はNGです。

準備についての振り返り

今回、吉海と今村は初のサークル参加かつ同人誌の執筆も初めてだったので、かなり苦労しました。ただ、今回の苦労で色々と得たものがあったので、共有したい思います。

執筆環境

ツール メリット/デメリット
Google Docs(吉海)
メリット
  • 見た目を確認しながら執筆出来る
  • スマホや各種デバイスから編集が可能
  • クラウドに自動保存
デメリット
  • 本としてのフォーマットを自分で設定する必要がある
  • B5サイズでPDFを出力するとなぜか、サイズが小さい。
    • Google Doc B5 17.60cm * 25.0cm
    • Re:VIEW B5 18.21cm * 25.7 cm
Re:VIEW(今村)
メリット
  • 技術書典主催のTechBoosterさんが提供しているテンプレートを使って、簡単に書き始められる
    • 今村は一式セットアップ済みのDockerイメージを使わせていただいたので、ものの5分で環境(校正ツール含む)構築完了
    • 以降はコマンド一発でいい感じにフォーマットされたPDFをビルドできる
  • 記法は同じくTechBoosterさんの『技術書をかこう!』に詳細な解説があり、それほど難しくない
デメリット
  • 特になし
  • 細かい設定をいじろうとすると、TeXに関する知識が必要になりそう
    • 今村は初期設定そのままで使用
Plain Text/Vim(あんどう)
メリット
  • メリットはこちらに詳しいので省略します。
注:複数人で原稿を書いていたので、全体としては個別に好きなツールで書き、Google Docsに貼り付けて全員で修正したあと、InDesignでレイアウトするという流れでした。
デメリット
  • ESCキーが物理キーではないマシンで執筆すると完璧な絶望を味わえます

Google Docs の印刷サイズの問題が致命的で、cm単位でサイズを変更できないので詰みます。吉海の場合は印刷所の方からサイズに関しての連絡があってからこの問題が発覚しました。最終的には印刷所の方にPDFの原稿のサイズを修正していただくことで解決をしました。次の原稿は吉海もRe:VIEWを使おうと思っています。

本の印刷について

技術書典4では日光企画さんとねこのしっぽさんがバックアップ印刷所で、これらの印刷所を使うと印刷した書籍を会場に直接搬入してもらえました。

吉海と今村はねこのしっぽさんの「オンデマンドぱっくの無線綴じ B5」という印刷メニューを利用しました。
印刷部数は吉海も今村も50部でお願いしたのですが、2部が予備でついてきました!!ありがとうございます!!!
また、今村は原稿の中で「2018年」とすべきところを「2017年」と書いてしまうというしょぼい間違いをおかしていたのですが、入稿時に「ここ2018年ですよね?」とご指摘いただけたおかげで直すことができました。そんなところまで見てくれるのかと、感動しました。

ちなみに通常締切は、イベント四日前の水曜日15時まででしたが、今回は間に合わず10%の特急料金を払いました...。ねこのしっぽさんでは原稿の入稿には、締切当日の13時までに申し込みを行い、15時までにアップロードする必要があるので、お気をつけ下さい。 吉海、今村ともにそれで轟沈しました。

電子書籍版について

吉海、今村は、電子書籍版として、QRコードとシリアルコードが記載されたカードも作成しました。紙の本の印刷数を控えめにすることで在庫リスクを減らす代わりに、紙の本が売り切れても電子版を売れるようにしようという戦略です。
QRコードのURLにアクセスして、シリアルコードを入力するとPDFの書籍がダウンロード出来るようになっています。技術書典というイベントの中で売る/買うという体験を重視すると、このようなカードで販売する方が、通常の電子書籍販売サービスを使うよりもずっといいでしょう。

QRコードとシリアルコードの発行、PDFのアップロードは下記のサービスを利用しました。

こちらのサービスを使うことで、電子書籍ダウロード用のシリアルコードを頒布したい数だけ作成することが出来ます。作成したシリアルコードとダウンロードURLのQRコードを埋め込んだ画像を生成する機能もあるので、生成した画像をL判の用紙に印刷することで、頒布することが出来ます。

めっちゃ便利でした。対面電書さんありがとうございました。

なお、今村の本の電子書籍版はBOOTHにも登録してありますので、ご興味のある方はぜひ。

イベント当日の振り返り

好天にも恵まれ、技術書典4は大盛況でした。

技術書典4当日の会場の様子

総来場者数は6,380人だったそうです。

吉海

当日は、4脚のロボットを展示していてデモ行う予定だったのですが、以下の点から上手く行きませんでした。

  • ネットワークに接続することが必須のロボットで会場でのテザリングが安定しなかった
  • ブースは広くないので、ダイナミックに動かせない

ただ、写真撮影や話のネタになるので、展示物があるのは良かったかなと思っています。

最後に嬉しかった点をまとめて終わりたいと思います。

嬉しかったこと一覧

  • 前前前日のJapan Container Days v18.04の私の登壇を聞いた人が挨拶に来てくれた!
    • ありがとうございました!!
  • 複数のSG90に負荷がかかるとRaspberry Piが落ちる話で盛り上がった!
    • 理解してくれる人が地上に少ない
  • 何人かの知人が挨拶に来てくれた!
    • ありがとうございました!!
  • 本が完売した
    • ありがとうございました!!

己の肉体と技術力に限界を感じ、悩みに悩んだ結果、吉海がたどり着いた結論は、お世話になった人への感謝であった。

今村

この日のために前日にiPadを購入し、「今村の好みに基づいて人の顔を100点満点で採点する」というたいへん失礼なデモを一日中流していました。

今村の販売風景

手前に置いたiPadのカメラで撮影した映像に人の顔が含まれると、私の好みを機械学習したモデルがリアルタイムで顔を採点して結果を表示するようになっています。
本を売るだけでなく婚活もできたら最高なのではないかと考えた私は、技術書典前日に以下のようなコードを仕込んでいました。

if (score >= 95) {
    confirm('結婚してください');
}

さらに万一に備えて、夫側の情報をすべて記入し署名捺印済みの婚姻届も、カバンの中に忍ばせていきました。

しかし、当日実際にこのデモを試してくれた方はほとんどが男性で、当然そんなに高い点数は出ませんでした(男性の場合は出ても困りますが)。
あれは確か15時頃、これはもう無理だなとほとんど諦めかけていたときのことです。デモに興味を持ってくれた一人の女性が、おもむろに画面に顔を近づけました。
ハッと何かを予感した私は、ドキドキしながらiPadの画面を注視しました。
彼女の顔が近くにつれ、得点が少しづつ上がっていき、ついにその時がきました。

「結婚してください」

画面にその表示が出ると、彼女と私は同時に小さく「あっ」と声を上げました。
気持ちが高揚した私は気づくと、

「結婚してもらえますか?」

と声に出していました。人生で初めてのプロポーズでした。
渾身の告白はしかし、彼女の連れの男性の言葉で遮られました。

「これ僕もやりたいんですけど、『OK』押しちゃっていいですか?」
「え、あ、はい」
「あー、僕だとそんな高い点数出ないですねー」
「そうですよねー、あははは」

こうして、私の短い恋は終わりました。

嬉しかったこと一覧

  • 紙の本が完売した
    • ありがとうございました!!
  • 本を通して、色々なエンジニアの方とコミュニケーションが取れた
    • 「今日見た中で一番おもしろい」と言ってくださる方もいて、とても嬉しかったです
    • 前職の同僚の方も何人か来てくれました
  • 95点以上のスコアを出した方がいた

全体を通して、満足度の高いとてもいいイベントでした。
TechBoosterさん、ねこのしっぽさん、対面電書さんや、執筆にあたりたくさんのアドバイスをいただいた職場のエンジニアのみなさんに支えられて、なんとか一冊の本にすることができました。
本当にありがとうございました。
実は反省点もたくさんあるのですが、次回以降の執筆に活かしていきたいと思います。

あんどう

GEBいいよGEB。みんな読もう。
「完璧な公理系などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」

嬉しかったこと一覧

  • 4度目にしてついに技術書典に入場できました。味覚を除く四感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚)で技術書典を堪能できてよかったです。

最後に

株式会社カブクでは技術書を執筆できるような最先端の技術に興味のあるエンジニアを募集しています。あと今村が生涯添い遂げていただける方を募集しています。