ノーミソ刺激ノート

書評やスポーツ、言語に関することを書きます。

本をたくさん読む方法

数を数えないこと。

時間だ経ったかどうかを気にしている時って、しょっちゅう時計を見ますよね。

相対性理論 (岩波文庫)

高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)

それと同じで、本来の目的が「本を読むこと」ではなく「本をたくさん読むこと」になってしまっていては、感覚的にも時間的にも無駄なエネルギーを使っていることになるんです。寧ろその意識を持たないことこそが「たくさん読むこと」につながるんです。

時計を見る時間っていっても、せいぜい数秒ですが、それを毎回つづけていたら数分になります。それを毎日続けていたら一時間分になります。一時間も時計を見続けるってすごく時間の無駄ですよね。これは人生のあらゆる場面で言えることですよね。

本を読むことを作業化してはいけません。

現代人は「時間の無駄」をかなり気にしていますよね。私もまたそういう感覚を持っていると実感しています。書店へ行くと読みやすい本が平積みされていて、簡単に語彙力が手に入るような本ばかりが目立ちます。そういう本は立ち読みしてもいいですけど、普通は簡単に忘れます。そういう語句って人生に於いて重要じゃないと忘れるように脳みそはできてるんです。

そういう本ばかりを読んでいても結局「楽しい」と思えるかどうかがカギなんですね。楽しいと思えると時間を忘れます。読書が早くなる順序を簡単にまとめると、

  1. 時間を忘れる。
  2. 無駄な時間がなくなる。
  3. 楽しいから覚えている。
  4. 楽しかったからもう一回読むようになる。
  5. 複数回読むと忘れない。(4回以上)
  6. 一つの本で教養があると関連した本もすぐに理解できるようになる。

というように「楽しむ」ということは全ての無駄を駆逐するパワーがあるわけです。

しかも時間を気にしながら物事を進めていくと本来の目的であるはずのことが嫌になります。この「嫌になる」というのが最も避けるべき損害です。

人生のうちで最もまずいのは「嫌な時間」ですよね。本を読みなれていない頃は読書が苦痛でした。筋トレもそうですけど慣れていないことをするのは辛いものです。

本をたくさん読むとどうなるか」って、多くの人が気になるトピックだと思うんですけど、「どうなるか」と未来を見ているということは「読んだほうがいい」とは思っているけど、時間をかけるのに値することかどうかという不安があるんです。納得できるような説得力のある言葉が欲しいんですよね。

ごく簡単に言えば、人生に於ける選択肢が増えるんです。「選択肢」というのは「考え方」(思想)もそうですけど、もっとメタな「言葉」(語彙)を覚えることそのものが一つの人生に於ける選択肢、別の言い方をすれば「解釈」なんです。

本を読んでいない頃は与えられた選択肢が一辺倒なんですけど、小説や思想書にもよりますが本にはたくさんの考え方(語彙)が書かれています。それぞれ物事の解釈の仕方が微妙に違うためにそれを読んだ結果、あらゆる言葉を覚え、あらゆる言葉の運用方法を覚えることが新たな解釈を作るんです。

私自身は普通の人より本を読んでいますが(小説だったら2000冊、哲学関連だったら2万冊)、結局物事に対して理解度が上がるので、不安な要素が少なくなるんですよね。「不安が少なくなる」ってすごいことですよね。

本を何回も読むのはなぜか。 - ノーミソ刺激ノート

意外と知らない効率的な本の読み方 - ノーミソ刺激ノート

f:id:kec_sad0resu:20180413095759p:plain

人生に対して「不安」というものは大なり小なりあるもの

物事を知ったから憂いが増えるということもありますが、それは半端な知識にすぎません。言葉の運用がある程度自由に効くようになると、不安に思ったことも再解釈して「不安」事態を解消できるようになります。

本をたくさん買うと、その量に読書スピードが追いつかなくて積読になってしまうことがありますが、それもまた実は一つの読書だと思います。なぜかというと無意識の中にその本の背表紙を見て「欲しい、読みたい」と思った感覚は間違いなくあるわけで、それは本当に自分必要な栄養素なんです。たとえ一言でもその言葉を得たことによって頭の中ではすぐに運用できなくても一晩寝たらその言葉が馴染んできていつしか自分自身の言葉になっていきます。買った本を読まなくてどうするんだと思うでしょうが、実は積読した時点で効果は9割達成していると思います。

積読のすすめ - ノーミソ刺激ノート

むしろほしいと思ったのに買わずにスルーした場合、二度と買えるチャンスは現れません。潜在的に不足があるのにそれを摂取しないと小さな不満が累積することになります。人生に於ける不足分を補うために本を買うということもあるので、たかだか1000円くらいの買い物であれば買ってしまった方が長い人生で見た場合得だと思います。

どんなに読書家であっても積読というものはあります。寧ろどんな人であっても自宅の本の7割は積読だと言われているくらいです。たくさん読むのが目的であれば、たくさん買えば自然と3割分は読むことになるので数は稼げます。寧ろ家にたくさん本があるのに全く読まないということもないですよね。買ったら数行は文字を追うはずです。

後はふと目に入った本のページをめくるだけでも効果があります。本は何も一冊丸々読む必要はないんです。たった一言の言葉で人生が1%変わるということがあります。たかが1%と言えど長い人生から見たら大きな違いになるんです。

その積み重ねが本を読むことだと思います。

そもそも本を一冊読んだって一回読んだだけじゃ一週間もすれば忘れます。それじゃあまり意味がありません。忘れないくらいに読むには4回以上読むのがいいとされています。その分野の専門家になるのであれば100回ですが。

本を1000冊読むとどうなるか - ノーミソ刺激ノート

本を読むって一字一句読むことじゃないですよね。その本の内容だったり、ここに感銘を受けたっていう1つのポイントがあれば人にも熱をもって話せるじゃないですか。人に話せるくらいの熱をもって読書をしたならその本を読んだと言っていいと思います。

「たくさん読む」という目的を捨てる

何で今自分は本を読まなくちゃいけないのかって、理屈はつけられるかもしれないですけど、本当のところ全部に理屈なんか付けられないでしょう。 本だったら無理やり理屈はつけられるかもしれませんが、気分によって肉が食べたい日、魚が食べたい日、嫌いなはずなのに野菜が食べたくなる日というのもあるでしょう。この気分というものが無意識と言っていいと思います。

          f:id:kec_sad0resu:20180424005037p:plain

選ぶ本は自分自身が意識している自分ではなくて、無意識が選んでいるんだということも意識したほうがいいんですね。ですから「たくさん本を読む」という愚かな意識から脱して本来の自分のための本を読むということに意識チェンジしなければ目標から遠ざかっているようで実は目的に一番近づいていることになるんです。

カントの哲学に「目的の王国」というものがあります。

要するに人を手段と使うのではなく、人のためになること自体を目的とせよ。ということです。

これを読書に応用すれば、読書自体が楽しいものであれば、結果的に無駄、損害が減るので自然と読書量も増えていくわけですね。

読書量が増えていけば物事の知見も増えて、ブログなどの文章が多く書けるようになります。そうすることに拠ってあらゆる目的も見つかるうえに、目的達成に近づくわけです。