2018年4月24日 06:00
デル株式会社の「New Inspiron 11 3000」は、AMD APUを搭載した11.6型モバイルノートPCだ。最小構成価格は税別/送料込みで31,980円だが、税込み3万円切りの価格で市場に出回ることもある格安のクラムシェルモバイルノートである。
本製品最大の特徴はAMDのAPUを搭載している点。今回借用した最廉価モデルに搭載されているAPUは第7世代とされる「A6-9220e」で、デュアルコア/ベース1.6GHz/最大2.3GHzで動作。Radeon R4グラフィックスを内蔵している。
メモリは4GBで、いまや必要最低限なレベル。ストレージは32GBのeMMCで、これもWindows 10デバイスとしては最小構成だ。
液晶は解像度1,366×768ドットの非光沢処理11.6型。映り込みが少なく、色味はやや青寄りだ。視野角は上下に狭く、左右に広いタイプなので、TNだと推測される。液晶は135度前後まで開く。
キーボードは18mm程度のキーピッチが確保されている。F1~F12キーは、デフォルトではメディアキーとなっており、ファンクションキーはFnキー同時押しで動作する。タッチパッドはそこそこ広く、快適に使える。
インターフェイスはUSB 3.0、USB 2.0、microSDカードスロット、HDMI出力、IEEE 802.11n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、720p対応Webカメラ、音声入出力を備えており、普段使いで困ることはないだろう。
本体サイズが292×196×20.8mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクト。重量は実測で1,156gであり、十分持ち運び可能なレベルだ。ACアダプタは45Wでかなり重量150gと小型軽量だが、電源コードが3ピンの太いタイプのため、PC本体と合わせると1.4kg前後になる。
なお、上位モデルではAPUが「A9-9420e」となり、クロックがベース1.8GHz/最大2.7GHzに強化され、ストレージは128GBになる。このほか、Officeプリインストールモデルも用意されている。本体色は非光沢グレー、光沢ホワイト、光沢ブルーの3種類。
試用感
今回借用した光沢ブルーは鮮やかな色でファッション性が高い。本体はプラスチック感が強く、キーボード面とフレームに隙間が開いてたり、カーブのところに接合の跡が見られるなど、チープな印象を受ける。上面と側面が光沢仕上げで、指紋が付きやすいのも気になった。ただ、指紋が気になるなら、非光沢グレーモデルを選ぶという選択肢もある。
ストレージアクセスLEDと、電源LEDは省かれている。ストレージのアクセスLEDについては、最近のタブレットでも省かれているので無理もないが、電源の状況は把握できるようにしてほしかった。
本機は排気口などがないため、ファンレスだと推測されるが、基本的に静粛性は高く、図書館などで静かな使っていて気になることは少ない。
発熱は、負荷をかけなければそれほど気にならず、負荷をかけるとQ/W/E/Rキー付近に集中する印象。ちょうどそのキー付近の底面も熱くなる。
キーボードに関してはEnterキーは若干狭いが、スタンダードな配列でとっきやすい。キーストロークは浅めだが、押下圧も軽めの、非常に軽快なタッチである。
バッテリ駆動時間は公称で10時間だが、BBenchを使用して画面輝度50%の設定で計測したところ、バッテリが5%になるまで約6.69時間駆動した。AMDプロセッサを採用したノートPCとしては優秀な部類だ。
このコラムでは、PCの性能を総合的に評価するPCMark 10しかベンチマークを行なわない。スコアは1,087とエントリークラスに留まる。
全体的な使用感としては、GPD Pocketより若干遅い印象で、とくにバックグラウンドでWindows Updateやウイルススキャンなどが走るともっさりし始める。これらの処理が始まったら一息ついて待つぐらいの心構えはしておきたい。
32GBしかないストレージ容量は、大型Windows Updateにはやや心許ないが、気になるユーザーは、4万円台の上位モデル(128GBモデル)を購入すればよい。
本機種の最大のメリットは実売で3万円切る価格。子供の入門用、セカンドマシンや予備機、外出先でのテキスト入力、Webブラウジングや動画視聴といった用途におすすめしたい。