下村博文元文部科学相が23日発表したコメントの要旨は次の通り。

 報道された会話が真に福田淳一財務次官の発言であれば、適切なものとは言えず、とんでもない発言だ。ただ、福田氏は事実関係についてテレビ朝日とは異なる見解があるようであり、正確な事実関係は今後の調査や裁判の結果を待たなければならない。

 記者会見でテレビ朝日は、女性記者が取材データを週刊誌に持ち込んだことが倫理違反であると指摘した。そして、オフレコの場での会話を隠し録音することも取材倫理違反だ。女性記者は繰り返されるセクハラ行為の中で自分を守るために隠し録音をしたとのことだ。しかし、このテレビ朝日の説明に違和感を覚えたので、その疑問をクローズの会合で発言した。

 福田氏からセクハラを受けていることを上司や幹部社員に説明するため録音したのだとすれば、女性記者は週刊誌に持ち込む前に上司や幹部に録音データを聞かせ被害を訴えていたはずだ。

 しかし、実際にはテレビ朝日は女性記者の被害申告に対し何らの対応もせず、福田氏への取材を継続させていた。もし、この対応が事実であるなら、テレビ朝日自身がセクハラを容認していたことになる。テレビ朝日がそのようなことをしたとは到底考えられないことだ。

 テレビ朝日が隠し録音を事前に聞かされたことがなかったのだとすれば、女性記者ははなから週刊誌に提供する意図で隠し録音をしていたのではないかという疑念が生じた。このような懸念を伝えたかったのだが「ある意味犯罪」と述べたのは表現が不適切だった。率直に撤回するとともに謝罪する。(共同)