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目が見えなくても自分で「ブラインドメイク」…全盲の訓練士誕生、海外で実演
目が不自由な女性のための化粧方法「ブラインドメイク」が、人前に出る自信を取り戻すなど、心のケアにつながるとして注目されている。日本福祉大(愛知県)研究員で、理容師の資格を持つ大阪市の女性が考案。全国へ普及させようと民間団体で訓練士の認定資格を作り、今年1月には視覚障害者を支えるボランティアら10人が認定された。今秋には化粧法を習得した全盲の女性9人が、シンガポールで体験イベントを企画している。
「美しくなりたい」女性なら当たり前の願い…かなえてあげたい
厚生労働省の調査(2016年度末現在)によると、視覚障害のある人は全国で約34万人。女性の場合、化粧がうまくできず、外見などを気にして外出をためらうケースが少なくない。障害者福祉の研究が専門の大石
パウダーファンデーションは顔の右側は右手、左側は左手でハケを使い、額から目尻、頬へと左右対称に進める。口紅は両手の小指の先端につけ、上唇は中心部から左右に広げるように塗る。下唇は口角から塗るのがコツという。
目の不自由な人が化粧の仕方を覚えるには、10~20時間の訓練が必要だ。指先で塗りむらなどを感じながら、仕上げることができるという。目の見え方や視力を失った経緯によって、化粧の指導法も変える。
おしゃれして外出する機会増えた
大石さんは16年に「日本ケアメイク協会」(大阪市)を設立し、北海道や東京、愛知、沖縄など全国の視覚障害者約200人を指導してきた。「おしゃれをして外出する機会が増えた」といった感謝の声が寄せられた一方、遠方の視覚障害者から「身近で訓練を受けたい」との希望が増え、協会で「化粧訓練士」の資格を作り、実技の研修も行っている。
静岡市の「さくら眼科」では16年から、中途視覚障害者の生活の質を高める指導に取り入れ、スタッフ4人が資格を取得。松久
意中の男性に告白、結婚決めた全盲女性も
大阪のある全盲の女性は、大石さんの指導を受けた後、生まれて初めて一人で上京して意中の男性に告白し、結婚が決まったという。ブラインドメイクの指導は海外でも実例がほとんどなく、この女性を含む全盲の有志9人が今年2月に海外に広めるチームを結成。10月10日、メンバーの知人がいるシンガポールで、化粧の実演や体験談の発表を行う準備を進めている。公式サイト(http://www.blindmake.com)で寄付を募り、現地の団体を通じて視覚障害者と、指導法を学びたい人を各20人程度募集する。
チーム代表で神戸市在住の