カメが爆発的繁殖…池“満杯” 飼育者の高齢化で

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 動物園の池はカメだらけでパンク寸前だ。実はこのカメたちはすべて、家庭などで飼いきれなくなって持ち込まれたものだ。カメを収容するための新しい池を建設するなど動物園は対応に追われていた。

 ここは静岡県河津町にあるヘビやワニなどを展示している体感型の動物園。折り重なるように飼育されている大量のカメ。その数、約400匹。飼育されているのはミドリガメ。すべて家庭などで飼いきれなくなり、持ち込まれたものだ。5年前からミドリガメの引き取りを始め、今では多い時で月に50件ほどの依頼があるという。ただ、受け入れるカメの数にも限界が。ミドリガメことミシシッピ・アカミミガメは北アメリカ原産の外来種だ。環境省によると、野外で生息しているミドリガメは全国で推計約800万匹。爆発的な繁殖力のため、どんどん数が増えている。一方、引き取ったカメであふれ返る動物園。この日、飼っていたカメを引き取ってもらおうと一組の家族がやってきた。子どもが飼い始めたミドリガメを28年間世話をしてきたが、70歳を過ぎた今、体力の限界で泣く泣く持ち込んだ。増え続ける園内のカメ。満杯状態になったため、園では対策に乗り出した。長さ25メートル、幅8メートル。ミドリガメを受け入れるための巨大な池を作っていた。動物園は家庭でミドリガメが飼いきれなくなった場合、まずは事前に電話などで相談してほしいとしている。