【AFP=時事】アフリカ南部スワジランドの国王が国名を「エスワティニ」に変更すると発表したことを受け、同国の人々は新国名について思いを巡らせている。
南アフリカとモザンビークに囲まれた内陸国で、世界でもまれな絶対君主制を敷く同国の国王ムスワティ3世は19日、英国領からの独立50年を記念した式典で国名の変更を宣言した。
「エスワティニ」は、スワジの人々の言葉で「スワジ人の場所」を意味する。
1986年に18歳で王位に就いたムスワティ3世に批判的な人々は、今回の動きが極度の貧困に苦しむ同国で、権威主義的で不経済な統治が行われていることを示すものだと主張。
同国の選挙への参加を認められていない政党「ヌグワネ国民解放会議」の党首は、「ムスワティ国王の独裁的なやり方をここに確認できる」とコメント。「国王は一人で国名を変えることはできない。国民に対して問いかけることになっていたはずだ」と述べた。
国連世界食糧計画によれば、人口130万人の63%が貧困ラインを下回る生活を送っているとされる同国で、国名変更はコストが高すぎると同党首は指摘。「これには多額の費用負担が伴うと予測される。われわれは破産国家だ」と話した。
【翻訳編集】AFPBB News