ピルの飲み忘れ!どうする?いつ飲めばいいの?適切な飲み方・対処法
ピルを服用している方なら一度はやってしまう、ピルの飲み忘れ…
「どうしたらいいんだろう?」「次はいつ飲めばいいんだろう?」などなど、飲み忘れて閉まったとき、どんな対処をしたらよいのか焦ってしまうかもしれませんし、「ピル(経口避妊薬)の効果がなくなってしまうの?」などの疑問も出てきます。
ですが、ピル(経口避妊薬)の飲み忘れ対処法を覚えておけば安心です。
詳しい服用方法をここで理解しておきましょう。
ピルの飲み忘れ!どうしたらいい?
ピルの飲み忘れの場合の対処の方法は、【飲み忘れてからの時間】と、【飲み初めから何週目】かによって変わってきます。
飲み忘れてから24時間(最後の服用から48時間)以内の場合
飲まなければいけなかった時間から24時間以内の場合、すぐに1錠を飲みます。
1日に2錠飲むことになりますが、問題はありませんので、すぐに飲んでください。
ただし、シートの1週目に飲み忘れた場合は注意が必要です。
ピル(経口避妊薬)の避妊の仕組みは、【ピルを7日間連続して服用すればその周期には排卵が起こらない】というものです。
1週目に飲み忘れた場合、24時間以内であっても、7日間の連続服用をするまでは避妊効果が確実でないということです。
その場合、性交渉を避けるか、他の避妊方法と併用してください。
飲み忘れてから24時間(最後の服用から48時間)以上の場合
この場合、2つの方法があります。
1つは、1錠をすぐ飲み、残りの錠剤は決められた時刻に飲む方法。
7錠以上連続して服用するまで、性交渉を避けるか、コンドームを使います。
これは「日本産婦人科学会」や「WHO(世界保健機関)」が推奨する方法です。
2つ目は、いったんピルの服用を中止して、次の月経の初日から新しいシートで再開する方法。
再開するまで性交渉は避けるか、コンドームを使います。
こちらは製薬会社やクリニックが推奨する方法です。
月経困難症の治療としての「ヤーズ」について、避妊効果を求めない場合は、服用を中止せずにそのまま飲み続ける場合が多いです。
飲み忘れの対処の仕方は医師によって異なるかもしれません。
シートをもらうとき、購入するときに確認しておきましょう。
ピル服用後2時間以内に嘔吐や激しい下痢をした場合の対処法
何らかの原因で、ピルを飲んだ後に吐いてしまったり、激しい下痢を起こした場合、成分を吸収できていない可能性がありますので、すぐにもう1錠飲んでください。
ピルを飲み忘れない為の注意点
ピルの飲み忘れが多いのが、新しいシートの第1週目です。
偽薬(プラセボ)1週間分が用意されている28錠タイプは、飲み忘れが心配な方には向いていると言えます。
ピルの避妊効果は、1週目の飲み忘れに影響を受けやすいものです。
特に第1日目の飲み忘れは、その後1~2週間の間、避妊効果が落ちてしまう可能性が十分に考えられます。
飲み忘れないためには、同じ場所に置いておくことや、スマートフォンのタイマーをセットしておくという方法があります。
また、専用のアプリ(服薬サポートアプリ)もあるので、自分が最も忘れにくいよう対策してください。
2重3重に対策を立てるのもよいでしょう。
ピルの飲み方
ピルには21錠タイプと、28錠タイプとがあります。
21錠タイプにはすべての錠剤に成分が入った「実薬」です。
28錠タイプは、最後の7錠が「偽薬(プラセボ)」になっています。
これは、飲み方を一定にして飲み忘れを防ぐためで、作用としてはどちらも同じです。
ピル(経口避妊薬)は、【3週間飲んで、1週間休む】というのが基本になります。
第4世代に分類される「ヤーズ」や「ヤーズフレックス」の場合、飲み方が異なります。
ヤーズは、ホルモン量を最小限まで抑えた薬で「超低用量ピル」とも呼ばれます。
ヤーズの場合、24日間実薬を飲んで、休薬期間は4日間と短くなります。
偽薬の2日目くらいから生理が始まります。
ヤーズフレックスは最長120日間、実薬を飲み続けることができます。
ピルの飲み始め方は3通り
初めてピルを服用する際の飲み始め方としては3つの方法があります。
「デイワンスタート」「サンデースタート」「クイックスタート」の3つです。
デイワンスタート
最も基本的なピルの始め方です。
生理初日(生理が始まって24時間以内)から飲み始める方法を言います。
避妊効果は服用当日からあります。
生理が始まったのが24時間以内と断定できない場合、大事をとって1週間の継続服用が経過するまで、性交渉の際にはコンドームなど他の避妊方法を併用してください。
サンデースタート
生理が週末と重ならないようにするため、ピルの服用を生理が始まった週の日曜日に始める方法です。
最初のシートを、生理が始まった週の初めての日曜日から始めてください。
日曜日に生理が来た場合、その日からスタートします。
避妊効果は飲み始めてから1週間後以降になります。
日曜日に生理が来た場合、「デイワンスタート」と同じことになるので、避妊効果は服用初日から得られます。
クイックスタート
生理周期に関わらず、任意の日に飲み始める方法です。
いつから始めても構いません。
ただし、飲み始めてから1週間は避妊効果が期待できません。
ピルのやめ方
妊娠を希望するとき、血栓症が疑われるとき、更年期になった時など、ピルをやめることは当然ながらあります。
ピルの服用を中止すると、通常1~3ヶ月程で排卵が起きます。
生理が再開し、妊娠が可能な状態に戻ります。
新しい生理の周期を自然なものにするため、なるべくそれまで使ってきたシートを飲み終えてから、服用を中止することが薦められます。
アフターピル(緊急避妊薬)について
ピルを飲み忘れて適切な避妊ができなかった場合など、性行為後に飲むことによって避妊する薬をアフターピル(緊急避妊薬)と言います。
「ヤッペ法」と「ノルレボ法(LNG法)」があります。
ヤッペ法
ヤッペ法とは、プラノバール錠という中用量ピルを性行為から72時間以内に1錠服用し、更に12時間後にもう1錠飲む方法です。
2回目の服用が遅れれば遅れるほど避妊効果は減少します。
女性ホルモンが大量に含まれているため副作用の「吐き気」が強く出ます。
ノルレボ(LNG)法
ノルレボ法では、72時間以内に1回のノルレボ錠を飲むだけで済みます。
価格がやや高いものの、1回で済み、避妊効果も変わらないことから、現在ではこちらが主流になっています。
体への負担もヤッペ法に比べ軽く済みます。
「アイピル」はノルレボのジェネリック(後発医薬品)です。
安価ですが、日本国内では販売していないので、通販(個人輸入)になります。
個人輸入そのものは違法ではないのですが、偽物を売っているケースがかなりあります。
よほど信頼のできる通販(個人輸入)サイトで買わないと大変なことになります。
ここは特に注意が必要です。
アフターピル(LNG法)での避妊成功率
服用のタイミング | 避妊率 |
---|---|
性行為後24時間以内に服用 | 98.5%以上 |
性行為後48時間以内に服用 | 97.4%以上 |
性行為後72時間以内に服用 | 95.9%以上 |
アフターピルで避妊に成功しているかの確認方法
アフターピルで避妊に成功しているかどうかは「消退出血」で判断します。
避妊に成功した場合は、アフターピルを服用してから3日~3週間の間に消退出血が起こります。
この出血はアフターピルで子宮内膜を強制的に剥がすことによって起こります。
服用後3日以内に消退出血が起こった場合、アフターピル以外の原因での出血の可能性が高いです。
子宮外妊娠や着床出血などの可能性がありますので、病院へ行く必要があります。
服用後3種間以上経過した後消退出血が起こった場合や、出血がない場合は、妊娠している可能性が高いです。
この場合妊娠検査薬で妊娠を確認することができます。
自宅でも簡単に確認が可能です。
消退出血とは?
消退出血とは、通常、ピルの休薬期間や服用を中止した場合に起こる出血を指します。
アフターピルの服用後にも起こることがあります。
不正出血とは?
不正出血とは、生理以外の原因で性器から出血することを言います。
低用量ピルの飲み始め期は、特にホルモンバランスが乱れがちになり、不正出血が起こりやすい状態になります。
不正出血はほとんどの場合すぐに治まりますが、長期にわたって続く場合は、医師の診断が必要です。
まとめ
ピルは、厳密に服用を継続することが求められるお薬です。
忘れず、飲み忘れのないよう飲まなければなりません。
しかし、人間は間違えるもの。
飲み忘れた場合は前述のような方法で、適切に対処してください。
また、飲み忘れが起こらないよう、スマートフォンのアラーム機能や、アプリなどを使って飲み忘れの無い様、ご自分に合った対策をとって下さい。
そして、不安のある時は、コンドームを使うなど万全な体制をとって下さい。