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 NTTグループは2018年4月23日、海賊版サイト「漫画村」「Anitube」「Miomio」の3サイトへのアクセスを遮断するサイトブロッキングを実施すると発表した。

 コンテンツ事業者団体からの要請と、4月13日に開催された知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で決定した「インターネット上の海賊版対策に関する進め方について」に基づく措置。NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららの3社が、「サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置」として、準備が整い次第実施する。

 影響を受けるサービスはNTTコミュニケーションズの「OCN」、NTTドコモの「spモード」と「ドコモ光」、NTTぷららの「ぷらら」などの各インターネット接続サービス。NTTの回線網を使った他社の接続サービスは対象外となる。児童ポルノコンテンツ向けに実施しているDNSブロッキングと同じ手法でアクセスを遮断する。

 ユーザーの同意がないサイトブロッキングは、通信の中身を見て特定の通信を遮断する点で、通信の秘密の侵害につながる可能性がある。3つの海賊版サイトはいずれも閉鎖または一部配信停止になっているほか、財産権である著作権の侵害について、人格権の侵害である児童ポルノの配信と同列には扱えず、違法性を阻却する緊急避難の要件は満たさないとの意見がある。

 これについてNTT持ち株会社は、日経 xTECHの取材に「サイトの状況は承知しているが、サイトが閉鎖したのか一時停止に留まるかは判別できず、常に監視するのも難しい。まずは政府決定に沿う対応を採った」(広報)と回答した。法的解釈や訴訟リスクなどについてはコメントしなかった。