「現役女性アイドルグループの有料単独公演の最大キャパ」最新2018年春版。
半年に一度の義務。合計グループ500越えました。過去からの累積でもそんだけいたんだという感慨もあり、でもワンマンやってないのとか、100程度以下の箱でやってるのとかがまだまだごまんといるわけで。
徐々に落ち着いてきたとはいえ、底の見えなさは相変わらずです。
以下、毎度ですがルール説明。

（会場・動員部分の基準）

• 有料の単独公演のみ。無料イベントやCD特典の券で参加できるイベントは含みません。
• ただし、他に出演者がいてもあからさまに「前座」っぽい感じのはセーフ（主観）。
• 会場ベースでの比較のため、満員になったかどうかは問いません。つうかわかりません。
• ライブハウスやクラブ等、椅子の有無等でキャパ大分変わりますが、基本最大キャパで。
• 実施済み以外に公演が告知されているものも含みます（「予定」表記分）。
• 自前の箱等での「定期公演」は除きます。
• 抜け漏れご容赦。
• 今回から観測対象にしたのには★、前回から会場キャパが上がったものは（↑）表示。
• （活動停止）はこの公開時点で停止済みのグループだけで、発表済みでもまだ活動してるのには付けてません。

（CD売上部分の基準）

• オリコンで最も売れたシングルの累計売上数（カッコ内は発売年）。
• シングル出してないがアルバムはある場合「※アルバム」の注記。
• シングル・アルバムも集計記録が一切出ていない場合は「記録なし」表示。
• 順位はこれまでの最高順位ですが、最高売上枚数の盤が必ずしもその順位のものとは限りません。
• （↑）は売り上げが前回観測よりも枚数・順位いずれかが上がった場合に付けてます。

以前は「何でこのグループがこんなデカい箱で？」という上げパターンも結構あったのですが、今回は比較的、体感的に勢いを感じるグループが着実に上げているように見受けられました。

初登場でZEPPにぶち込んできたスリジエは、主戦場はネット放送局ではあるものの地上波にも出たり、それなりのコネクションを持ち資本投下もなされており、地味ながらもメディアミックスでもって上げてきて、今秋に予定された初ワンマンでこれ。
ナナランドは元々あったdropが増員して改名したグループですが、運営が「dropは解散」と明言していたこともあり、ここでは別グループとしています。

「現役アイドル」とタイトルに入れておいて、解散したのもずっと残していたのですが、さすがに増えすぎだな消そうかと今回思っていました。が、その矢先、まさかのTAKENOKO▲が4年ぶりにオリジナル・メンバーでの復活。アイドルでそのインターバルすげえと思いながら彼女たちの「（活動停止）」を消去し、辞めグループもそのまま残すことにしてまとめていくと、新たに「（活動停止）」を付けなければいけないグループがいつもより明らかに多いことに気付きました。

活動停止になったグループはざっくり2種に大分できます。「過去には4桁キャパの箱でのワンマンを開催できるだけの勢いがあったがその後むしろ動員を相当に減らして心が折れた」組と「数年間頑張ってきたものの、どうやっても動員を300-500キャパ以上に増やせず心が折れた」組です。

前から申し上げている通り、アイドルグループの音楽性や打ち出しの切り口がどんどん細分化され、奥は深いかもしれないけれど間口は狭くなっている。そしてかつてはざっくりした切り口でも人気を得てきたグループが、その細分化された新しいグループに削られているように見える。

更に、欅坂、ラストアイドルと、メディアに乗る大きな商いも増え、スリジエのような中くらいの商いというパターンも登場してはそのパワーでオタクたちを吸引し、現場ではWACK所属グループが沸きたい勢を一網打尽にしている。
正味もうアイドル属性のパイはさして拡大もしていない中、そうやって強いところに持っていかれ、残ったのも属性によって細かく分かれるわけですから、その他のアイドルちゃんたちの勝ち目がもうものすごく見えなくなっている。

「いかに限られたファンの中でアガリを稼いで生きていくか」を正確に認識し、計算ずくで身の丈に合った活動をするところが生きながらえることができるという、アイドルなのに他人に売る夢などない状況。

ひと昔前は、「夢は紅白です！」「目標は武道館です！」とか無邪気に言う女の子も珍しくなかったのが、ここんとこそういう声はほとんど聞かれず、代わりに「目標はZEPPでワンマン」とか「BLITZでワンマン」とか言い出すのが出てきて、随分現実的になったもんだと思ったこともあるのですが、もはやそれすらも確かに相当な「夢」になりつつあるのだな、と感じた2018年の春。