【4月22日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と称し、重要拠点としていたシリア北部の都市ラッカ(Raqa)のサッカー競技場で集団墓地が見つかり、これまでにIS戦闘員と民間人双方の遺体50体あまりが確認された。地元当局者が21日、明らかにした。

 ラッカは、ISが昨年10月に米軍が支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」によって掃討されるまで、カリフ制国家の「首都」と位置付けていた都市。

 集団墓地が見つかったのは、市内のサッカー競技場。現在、市の運営を担うラッカ市民協議会(Raqa Civil Council)の幹部によると、これまでに約50体の遺体が発見されたが、さらに200体ほどが埋まっている可能性があるという。このサッカー場はシリア民主軍に追い詰められたIS戦闘員らが立てこもっていた病院に近いことから、市民協議会幹部は「当時のISにとって、早急に遺体を埋めることのできる唯一の場所だったのだろう」と話した。

 シリアとイラクのIS支配下にあった地域では、最近になって集団墓地の発見が相次いでいる。(c)AFP