今週の注目レース
京都競馬場 3200m(芝・外)定量 4歳以上オープン
春の天皇賞は国内の平地GI では最長距離で争われ、まさに最強のステイヤーを決める一戦に位置付けられている。2009年以降の過去8年では「1枠」が5勝を挙げており、そのうち2009年のマイネルキッツが12番人気、2011年のヒルノダムールが7番人気、2012年のビートブラックが14番人気だったほか、2015年には10番人気のカレンミロティックが3着に入るなど、“1枠に入った伏兵馬”の活躍が多い。最強ステイヤーの称号を勝ち取るのはどの馬か? 過去10年の結果から分析する。
過去10年の出走馬について、前年の最後に出走したレースでの単勝人気別に成績をまとめると、前年の最後に国内のレースに出走していた馬の中では、そのレースで「1~4番人気」に支持されていた馬からしか勝ち馬が出ていない。好走率では、「6~9番人気」・「10番人気以下」の2組は低調な数値になっていることからも、前年の最後に出走したレースで上位人気に支持されていた馬は、このレースでも軽視できないだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-3-1-15 | 13.6% | 27.3% | 31.8% |
2番人気 | 1-1-2-14 | 5.6% | 11.1% | 22.2% |
3番人気 | 2-1-0-17 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
4番人気 | 3-1-1-15 | 15.0% | 20.0% | 25.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 0-0-3-34 | 0% | 0% | 8.1% |
10番人気以下 | 0-2-1-32 | 0% | 5.7% | 8.6% |
海外のレース | 1-0-2-8 | 9.1% | 9.1% | 27.3% |
過去10年の出走馬のうち、前走がJRAのレースだった馬について、そのレースの4コーナーの通過順別成績を調べると、優勝馬10頭は全て前走の4コーナーを「6番手以内」で通過していた。3着内率でも「7番手以下」が11.1%なのに対し、「先頭」・「2~6番手」はいずれも20%を超えており、前走の4コーナーを前めの位置取りで通過した馬が優位に立っている。前走の4コーナーでの位置取りをしっかり確認しておくのも面白いだろう。〔表2〕
前走の4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 1-2-0-11 | 7.1% | 21.4% | 21.4% |
2~6番手 | 9-4-6-73 | 9.8% | 14.1% | 20.7% |
7番手以下 | 0-4-3-56 | 0% | 6.3% | 11.1% |
前走が海外のレース | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
過去10年の単勝人気別成績では、「2番人気」が3着内率70.0%、「3番人気」が3着内率60.0%をマークしているものの、「1番人気」は連対がなく3着内率も10.0%と苦戦傾向にある。一方で、「6~9番人気」と「10番人気以下」の2組は3着内率で10%未満ながら、計10頭の3着以内馬を送り出し、2009年以降は8年連続で「6番人気以下」の馬が3着以内に入っている。2006年のディープインパクト以来となる1番人気馬の優勝となるのか、興味は尽きない。〔表3〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
2番人気 | 5-1-1-3 | 50.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-4-1-4 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
4番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
6~9番人気 | 1-1-1-37 | 2.5% | 5.0% | 7.5% |
10番人気以下 | 2-2-3-76 | 2.4% | 4.8% | 8.4% |
過去10年の出走馬について、過去3走における芝2400m以上のレースでの最低着順別に成績を調べると、最低着順が「2着」と「5着」だった2組が3着内率で30%を超える数値をマークしている。それに対し、「1着」だった馬は9頭が該当したものの優勝がなく3着以内に入ったのも1頭のみと苦戦気味。勝率で上位になっているのは「2着」・「3着」・「5着」の3グループとなっている。近走で出走していた長距離のレースでの着順にも注目しておきたい。〔表4〕
最低着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 0-1-0-8 | 0% | 11.1% | 11.1% |
2着 | 2-1-2-9 | 14.3% | 21.4% | 35.7% |
3着 | 2-0-1-15 | 11.1% | 11.1% | 16.7% |
4着 | 1-0-1-12 | 7.1% | 7.1% | 14.3% |
5着 | 3-2-2-14 | 14.3% | 23.8% | 33.3% |
6~9着 | 1-3-1-40 | 2.2% | 8.9% | 11.1% |
10着以下 | 1-2-2-38 | 2.3% | 7.0% | 11.6% |
過去3走で芝2400m以上不出走 | 0-1-1-7 | 0% | 11.1% | 22.2% |
2013年以降の過去4年間の優勝馬4頭は、いずれも過去3走以内に芝2500m以上の重賞で優勝経験があった。1着となる馬を予想する際は、過去3走以内に芝2500m以上の重賞を優勝している馬に注目したいところだ。〔表5〕
(河野道夫)
最高着順 | 優勝馬 | 2着以下 |
---|---|---|
1着 | 4頭 | 14頭 |
2着以下、未出走 | 0頭 | 53頭 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。