<フィクション57>
「ある巫女の物語」のスピンオフ
プロフィットが、その人を「心友」と呼び、重い心の病気に侵されていると何箇所もの場所で公言し、
今少し時間をください
必ずや心友を正しき道々に歩ませます
と、公言した「心友」とは、ケイトをさしているものではなく、フランクのことだったのだ。
そして、フランクは、自分のタイムラインで告白した。
もともとユキンが末期患者さんから金品を巻き上げているかのように言われ始めた原因は、自分がユキンからお金を巻き上げられた被害者の一人であるかのような過剰な表現をしてしまったからなのだ。と、
それは事実ではなく、自分が感情的になっていたために言ってしまったことだった。
ユキンには一切責任がないと。
ある人が、その2年前の自分の発言を読んで揉め事になっていると。(イッチのことを指すのだろう)
自分が言ってしまった事は事実ではない。
本当の事実をわかってほしいと。
フランクは、ユキンのことを思い、いまだに誤解している人がいることに責任を感じて告白した事は勇気のあることだと思うし、普通そこまでできることではないとクロエは感じていた。
実際クロエ自身、2年前フランクがユキンについて述べていた場面を見ていた。
ユキンがそんなことをするはずがないと思っていたし、その件で、何度もイーサンと話し合い、おそらくフランクはケイトにうまく利用されたのだろうと。むしろユキンがしたとされているようなことをしているのはケイトであると、既に退会している人たちの口から聞こえてきていた。
そのフランクの発言だけから事実を確かめようともせず、むしろそれを利用し、ユキンについての悪意を拡散し、それを批判した人物を片っ端から恫喝し、訴訟まで起こしているイッチや影で糸を引いているケイトは、数十倍どころか数百倍もの罪があるはずだ。
また、ユキン本人に確かめることもなく危険人物認定し、噂を流した人たちも。
ユキンとフランクは1年以上前から友人関係が復活しており、お互いが話し合った結果、今の2人があるのだ。
被害者のユキンの気持ちがどうなのかと言うことが1番大切なことなのであって、周りが済んだ事だからとか、逆に責任を追及したり、とやかく言うこと自体もおかしい。
クロエはそれを読みながら割り切れない気持ちになっていた。
プロフィットは、ケイトやイッチの悪意をわかった上で「心友」のフランクに助言したことだったのだろうか。
それともクロエや、その考えに近いものが、プロフィットの発言はケイトのことに違いないと思い込んだことも織り込み済みで、今更正すこともできない悪であることを認識した上でのことなのだろうか。
それとも、その悪意に気づかず、フランクがかつての間違った発言を公の場で詫びることで、すべてのトラブルが解決するとでも思っているのだろうか。
そうだとしたら、片手落ちもいいところで、数百倍もの悪を許し、かつて感情的なことから小さな悪意を持ってしまった人物に詫びを入れさせたことになる。
裁判が起こされた今、もう後戻りはできない。
もしや、プロフィットは、そのこともわかった上で悪意の主に利用されているのだろうか。
そんな事は許されるはずがない。
一方イーサンは、ある出来事からプライエストと同じ1族にあることに気づかされた。
霊能者は他者の置かれている状態を見抜き、邪悪なものを祓うことは出来ても、自分のことには気づきにくいとされている。
それをイーサンとプライエストが出会うことで、お互いに掛けられた呪詛を祓うことができたのだ。
何か大きな流れが動き始めているのかもしれない。
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