クローズアップ現代+選▽“海賊版”漫画サイト!脅威の手口▽無料読み放題の裏側で[字] 2018.04.21

214月 - による admin - 0 - 未分類

季節は春。
皆さんもきれいな髪でちょっと気取ってみませんか?というわけで…!次回も…。
(一同)ガッテン!
(武田)被害額は3,200億円!?ある海賊版漫画サイトが前代未聞の事態を引き起こしています。
5万点を超す漫画が無料で読み放題という海賊版サイト「漫画村」です。
(武田)先月の…
(武田)これまでとケタ違いの著作権の被害を生んでいます。
(武田)自分の新作が発売直後に勝手に掲載される漫画家たちはショックを隠せません。
(武田)政府は悪質な海賊版サイトを閲覧できなくする緊急対策を発表。
しかし反対も多く議論が紛糾しています。
一体漫画村の実態はどうなっているのか。
運営者が巧妙に身元を隠す中取材班はインターネットに残された手がかりをもとにサイトの運営に関わっている可能性のある人物に迫りました。
(武田)更にネット広告の仕組みを悪用して収益を上げる裏広告という手口をスクープ。
脅威の海賊版サイトの実態を徹底追跡します。
著作権を侵害された作品が多数掲載された漫画村。
先週以降閲覧できなくなったり一瞬閲覧できたりと混乱が続いています。
このサイトの実態に迫るため取材班は漫画村のサーバーの在りかを探る事から始めました。
まず調べたのはインターネット上の住所IPアドレスです。
漫画村のIPアドレスからサーバーの管理会社が分かりました。
クラウドフレアという会社です。
そのサーバーはアメリカ・アリゾナ州にあると表示されました。
早速取材班はアリゾナ州フェニックスへ向かいました。
たどりついたのはある巨大なデータセンターです。
この中にクラウドフレア社のサーバーが置かれています。
漫画村のデータはここにあるのか。
尋ねると個別の顧客情報は明かせないとして確かめる事はできませんでした。
クラウドフレア社はサーバー管理の世界有数の企業です。
顧客に代わって大量の画像や動画のデータを配信するサービスを行っています。
しかし悪意を持った人物が利用すると元のサーバーの位置が外部から隠れるため身元が探られにくくなります。
この仕組みが漫画村の運営者を探る上での壁となっていました。
しかし取材に応じた会社の弁護士の言葉にこの壁を突破するヒントがありました。
そこで取材班は削除要請を検討している出版社を訪ねました。
この出版社が扱っている漫画も漫画村に無断で掲載されています。
出版社はクラウドフレア社に漫画村に掲載されたコンテンツの削除要請を送りました。
翌日早くも返事が返ってきました。
クラウドフレア社によれば漫画村のサーバーはアメリカではなく更に別の国にあるといいます。
取材班はウクライナの会社を直接訪ねる事にしました。
その会社の住所は首都キエフの中心部に近いアパートになっています。
経営者を訪ねると…驚くべき答えが返ってきました。
父親と名乗る男性はこの場所は自宅で会社の存在について知らないと主張しました。
その後会社は買収された事が判明。
取材班は買収した会社のオーナーに会う事ができました。
旧ソ連時代の倉庫と見られるこの建物で250台のサーバーを管理しているといいます。
漫画村のサーバーに関する情報を伝えると…。
まさにこの倉庫の中に漫画村のデータがある事になります。
ではオーナーは漫画村の運営者の情報を知っているのか。
その後更に取材を進めますとウクライナのサーバーはスウェーデンのプロバイダーを介して漫画村の運営者側と契約を結んでいる事が今回初めて明らかになりました。
そのスウェーデンのプロバイダーは防弾ホスティングと呼ばれるサービスを提供しているんです。
こちら。
この防弾ホスティングというのは契約者の情報を徹底的に秘匿する事を売りにしていまして削除要請や問い合わせには一切応じません。
これ使い方によっては犯罪の温床になるともいわれているんです。
著作権がご専門で出版社や漫画家の顧問弁護士も務める福井さん日本の漫画の海賊版サイトがアメリカウクライナスウェーデンと世界を股にかけた仕組みで運営されている。
これちょっと驚いたんですけれどもこれどういうふうにご覧になりました?やっぱり身元を隠すためだと思うんですね。
要因は2つあります。
一つは海外の責任追及の難しいサーバーがある。
それから2つ目は身元を隠してそれをコントロールできる技術が発達しているという多発する身元を隠した犯罪と同じまさに要因ですね。
仮に大本のサーバーにたどりついたとしてもサーバーの所在についてはいろんな情報あるんですけれど仮にたどりついたとしても問い合わせにも答えないしまた削除要請にも応じない。
国によっては削除を求めるための法制度が未整備でその責任追及には費用も時間もかかってその間にさんざん稼いで逃げられてしまうというような構図があります。
こういったサイトを運営するそもそものねらいは何だと見てらっしゃいますか?純然たる営利目的であるのかあるいはその他の目的があるのかちょっと外見的には読めないですね。
そして漫画家の赤松健さんご自身の作品も被害に遭われているという事ですけれども運営者に対してはどんな事をおっしゃりたいですか?我々漫画家が下書きからペン入れ仕上げまですごい長い時間かけて一生懸命やっているものを全く無関係な海賊版業者が金もうけに使っちゃうというのは非常に憤りは感じますね。
特に被害が大きいのは若い新人作家。
我々ベテランは紙で買って頂いているんですけど若い作家にはかなり直撃されていますね。
これ相当売り上げにも影響が出ているんですか?電子はもっと伸びるはずなんですけど相当鈍化してます。
はい。
そういった現状がある訳ですね。
さあその運営者一体何者なんでしょうか。
更に追跡しました。
取材班は漫画村を問題視しその存在を独自に追っているホワイトハッカーを取材。
サイト運営者の追跡を続けました。
ホワイトハッカーはインターネットの中にサイトの運営者を示す痕跡が残されていないか徹底的に探しました。
見つけたのはおよそ1年前のサイトの登録情報。
当時の情報にある会社A社の名前が記されていました。
ホワイトハッカーがA社の事業について詳しく探っていくと…ある人物B氏の名前が出てきました。
その名前が漫画村に関連していると見られるメールアドレスの一部と一致したのです。
調べるとB氏は2年前まで都内で飲食店を経営していた事が判明。
訪ねてみるとその店はもうありませんでした。
しかしビルのオーナーはB氏の事をよく覚えていました。
そんな中春の嵐が吹き荒れた先週11日。
漫画村に大きな変化がありました。
サイトがつながらず画面にはメンテナンス中の表示。
漫画村は閉鎖したのではという臆測が飛び交いました。
そこで取材班は事実を確認すべく取材の過程で入手したB氏の携帯電話に連絡。
取材を試みました。
B氏が電話に出ました。
しかし…。
B氏に改めて電話しました。
まずかつて漫画村のサイトの登録情報にあったA社について聞くと…。
そこで核心となる質問をぶつけました。
そして…。
私たち取材班は合計3度にわたっておよそ1時間の電話取材を行いました。
その中でB氏は自分は漫画村の運営者ではないと否定しました。
ただ漫画村のサイト情報を登録したA社を立ち上げたと話していました。
このA社についてはプログラムの開発などを行う会社だと説明し漫画村と何らかの関わりがある事を示しました。
赤松さんはこうしたやり取りをお聞きになって漫画村に携わっている人物像どうご覧になりました?私電子書籍会社を運営しているんですけどもやっぱり1人ではこのクラスのサイト運営は無理です。
まず資金を管理して方針を決めるリーダーとあと24時間サーバーを管理するエンジニア。
あとちょっとしたデザインとかのフォントとか決めるデザイナーの3人。
できれば5人。
うちは13人でやってます。
そういう感じなので1人というふうにはならないと思います。
あと少年漫画少女漫画とジャンル分けも正確なので恐らく日本人。
日本の漫画に詳しい?そうです。
相当好きな人だと思いますね。
日本国内の個人あるいはグループではないかというふうに見てらっしゃる訳ですね。
その漫画村サイトの最新状況なんですけれどもアクセスできないと表示されているんですけれどもただサイト自体が閉鎖したかどうかは不明なんですよね。
先週この漫画村が閲覧できない状態になって以降今度は別の海賊版のサイトがSNS上で話題になったりしてですねこれいたちごっこ続いているんですよ。
福井さんほかにもこういった海賊版サイトがあるんですか?大体200ぐらいあるんじゃないかといわれてるんです。
昨年史上最悪といわれたフリーブックスといわれる海賊版サイトがこれが最盛期に1,000万単位の月間アクセスを集めたんですね。
昨年突如閉鎖されたんですけれどもこの漫画村はあっという間にそのアクセス数を超えてしまってもはや1桁完全に上回る規模になっている事になります。
仮に閉鎖されたとしても後継サイトが現れてまた数千万のアクセスを集めてしまう。
まさにいたちごっこといえるような状況ですね。
私はこういったサイトがあるって事は実は知らなかったんですけれどもどうやって広まっていくんですか?SNSなどを利用した口コミでの広まりがやっぱり多いですね。
広告が出たりしてる訳じゃない訳ですもんね。
SNS上で口コミで広がっていくと。
こうして次から次へと出てくる海賊版サイトですがその背景にはアクセスを集めるだけで収入を生み出す広告の仕組みがあります。
今回漫画村の資金源について新たな仕組みを突き止めました。
漫画村のサイトに表示されていた広告です。
アダルト系や香水洋服などさまざま。
こうした広告が収入源になっていたと見られます。
取材班が広告主に対して漫画村に広告を出している事について尋ねると…。
ある一社は…このほかにも取材に応じた広告主は全て漫画村に自社の広告が出ている事を知らなかったと話しました。
そこで広告代理店に取材を試みるとある広告主と漫画村の運営者の間には少なくとも3社の代理店が介在している事が判明。
このうちの一社が取材に応じました。
そうした中驚きの情報が飛び込んできました。
裏広告の存在です。
サイトの解析を依頼していたネットセキュリティーの専門家によるとこれまで知られていない広告の仕組みが隠されていたというのです。
漫画村のページをスクロールさせていくとこの部分で終わりになっています。
ところがこの下に隠しスペースがあるといいます。
専門家がページのプログラムを書き換え表示するようにすると…。
隠しスペースに全く別のサイトが現れました。
ネット上の記事や話題を紹介する「まとめサイト」です。
なんとそこには誰もが知る大手企業の広告が数多く掲載されていました。
つまり漫画村にアクセスすると実際には見ていない別サイトの広告も閲覧したとカウントされる仕組み。
いわば裏広告です。
漫画村の運営者は別サイトのアクセス数を増やす見返りにそのサイトの広告収入の一部も報酬として得ていた可能性があるといいます。
これはひどい。
なぜ大手企業の広告が出ていたのか。
背景には多くの場合広告主が掲載先を選ぶのではなくいくつもの広告代理店を経て掲載先が決まるというネット広告の仕組みがあります。
専門家が裏広告を二重の詐欺だというのは広告主の大手企業から見ると悪質な海賊版サイトとは知らずに広告が掲載されたという事に加えて広告は実際には見られていないにもかかわらず広告料を支払わされたという事を指しています。
取材の結果漫画村とつながっていたまとめサイトこれは50以上確認できました。
(武田)50?多くの大企業が知らないうちに結果的に漫画村の運営を資金面で支えていた可能性があるという事です。
福井さんこういう構造になってたんですね。
これを防ぐ手だてって何か考えられますか?裏広告は本当にここまでやるかと思ってちょっと驚きましたけれどもやっぱり収入源である広告を断つべく個別の広告出稿をしないでくれという要請はこれまでも行われてきたんですよ。
ただ広告配信の仕組みはご覧になったとおり複雑だし確信犯的な事業者も多いのでこれまでは実効性というのは限定的だったんですね。
ただこのところ非常にいわばネット界全体でもこういう広告出稿抑えていくべきじゃないかという動きが高まってきている。
ただこれから先そういう動きが出てくると今度は海外の広告代理店に流れちゃう可能性が出てくると思うんですね。
まさにこれもいたちごっこになる可能性があるんですね。
可能性はあります。
この状況に対して政府は先週緊急対策を取りまとめまして漫画村を含む3つの海賊版サイトを対象に一般の人がサイトを閲覧できないようにするサイトブロッキングを容認する意向を示しました。
サイトブロッキングというのは国内では児童ポルノに対してのみ実施した例があります。
出版各社はこれを前向きに受け止めています。
集英社は「大きな前進」。
KADOKAWAは「海賊版被害の食い止めに大きく寄与する」と述べています。
一方でさまざまな団体や専門家からは反対の声が上がっています。
憲法学者の東京大学大学院の宍戸教授です。
…などと指摘しているんです。
運営側を規制するのではなくてそれを閲覧する方を遮断するというサイトブロッキングですが賛否両論があるんですね。
そうなんですね。
この海賊版の遮断措置というのはEUなど42か国で導入されていて効果も報告はされているんです。
また日本でも児童ポルノを対象に立法じゃなくてこれは緊急避難という形で行われてはいるんですね。
出版界の要望は切実なものがある。
ただ検閲的であるとして特に立法抜きの緊急的な遮断には反対意見も強いんですね。
サイトそのものが自主閉鎖も考えられる現在の状況でこうした緊急的な導入に理解が広がるかは全く不明です。
やはりあくまでも裁判所の判断に基づいて関係者が納得できる法制度の議論を進めるべきだと思うんですね。
特に新たな技術っていうのはどんどんと生まれているし一つの対策で絶対的なものにはなりえない。
だから異なる立場の人々が加わって対策やあるべき制度を議論するフォーラムのような場が必要だという気がします。
赤松さんコンテンツがただで当たり前という風潮が広がる中でどうやってこれ対抗していきますか?音楽とか動画の世界では定額見放題定額聴き放題みたいなのが外資系企業によって確立されていると。
同じように漫画も定額読み放題はあるでしょうね。
なおかつ全出版社横断でここに行けば必ず読めるとなおかつ海賊版サイトよりも使い手が使いやすいこれがあれば海賊版にいく必要がなくなりますから勝てるという事になりますね。
福井さん最後にこういったサイトを利用してしまう人たちに対してひと言お願いします。
この漫画というのはクリエーターたちにとっては生存の糧なんですね。
もしクリエーターという職業が成立しなくなれば漫画は生まれない事になる。
海賊版の最大の被害者は読者自身なんですね。
ですから先ほどの法的な対策それから赤松さんおっしゃったようなビジネス面の努力そして何より社会の理解によって海賊版と社会全体が向き合っていく事が必要だと思います。
最後に赤松さんもひと言お願いします。
我々真面目にやっているやつの仕事を安易に利用してほしくないとは思いますね。
今日はどうもありがとうございました。
私たちもその事を心に留めなければいけませんね。
2018/04/21(土) 01:10〜01:35
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クローズアップ現代+選▽“海賊版”漫画サイト!脅威の手口▽無料読み放題の裏側で[字]

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詳細情報
番組内容
【ゲスト】弁護士…福井健策,漫画家、漫画家協会理事…赤松健,ネットワーク報道部記者…田辺幹夫,【キャスター】武田真一,鎌倉千秋
出演者
【ゲスト】弁護士…福井健策,漫画家、漫画家協会理事…赤松健,ネットワーク報道部記者…田辺幹夫,【キャスター】武田真一,鎌倉千秋

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ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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