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グーグルによる漫画村トップページの検索停止は「異例の対応」

検索サイトやCDN(コンテンツ配信ネットワーク)に対しては削除を要請していたのか。

 CODAは米グーグルが提供するTCRP(侵害削除プログラム)のパートナー承認を得ており、2014年から検索結果への表示停止申請を実施している。権利侵害のURLリストを送付すれば、グーグルが迅速に表示を止めてくれる。

 ただし表示を止められるのは、特定の権利侵害コンテンツを配信するページのみ。海賊版サイトのトップページは検索の表示を停止できない。

 今回、グーグルは漫画村のトップページについて検索表示を停止したが、これは本当に異例なケースだ。おそらく日本での騒ぎを見て、グーグルが特例として判断したのではないか。

 CDN事業者の米クラウドフレア(CloudFlare)にも削除要請を出しているが、応じてもらえていない。クラウドフレアが削除に応じたのは、裁判所が削除命令を出したSci-Hub(学術論文配信の海賊版サイト)のケースだけではないか。

漫画村については削除要請を出したのか。

 CODAが削除要請を実施しているのは動画や音楽に関する侵害サイトで、漫画村の削除要請はCODAからは実施していない。各出版社が申請していたようだ。

海賊版サイトの収入源になっているオンライン広告の出稿を止めるための取り組みは。

 2016年から、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)を窓口に、広告関連3団体(JIAA、日本アドバタイザーズ協会、日本広告業協会)に相談していた。CODAがブラックリストを作り、広告主や広告代理店がリストを基に広告の配信を止める仕組みを提案していた。

 こうした対策で最も先行しているのは英国だろう。警察と権利者が共同で「Infringing Website List (IWL)」と呼ばれるブラックリストを作成し、海賊版サイトに広告を表示している広告主に、出稿を止めるよう要請している。

 オンライン広告は流通やマッチングの仕組みが複雑だが、広告主が広告代理店に強く要請すれば、特定サイトへの出稿を止めることは可能だ。

 実際に出稿を止めるかは、広告主や代理店が任意に判断する。ただ英国では、海賊版サイトを含む違法サイトに広告が表示され、結果として広告料がサイトにわたった場合、「広告主がマネーロンダリング(資金洗浄)に荷担した」とみなされる場合がある。英国の大手企業は違法サイトへの広告配信停止に賛同し、今では中小企業も従いつつある。

 ブラックリストに登録されたサイトは、やがてアダルトや賭博の広告ばかり表示されるようになる。英国ではこの状況まで至れば「成功」とみなしているという。ユーザーも悪質なサイトと容易に判断できるからだ。

 CODAは2018年2月、JIAAを通じて広告3団体に対して「日本版IWL」、つまりブラックリストに基づく広告出稿停止の仕組みを作るよう、改めて依頼した。17の海賊版サイトについてリストを作り、経産省や文化庁、総務省、警察庁、知的財産戦略本部などが裏書きしたものだ。リストは4カ月ごとに更新する。

 現在、JIAAなどに検討してもらっているが、JIAAに加盟していない広告代理店にどう停止を促すかなど、難しい問題はある。