映画『レディプレイヤー1』ネタバレ感想・評価
どうも、アバウト男です。
今回は予告から超面白そうな匂いを漂わせてた巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督作【レディプレイヤー1】を観てきました。
良作なんだろうけどどの作品も興味を惹かれず、結構な期間スピルバーグ監督作から遠ざかってて、トム・クルーズ主演【宇宙戦争】ぶりのスピルバーグ監督作の鑑賞となりました。色々な有名キャラクターが劇中出てくるなど、心のどこかで子供心&大人心共に擽ぐってくるこんな作品を待っていた!
あらすじと予告
2045年、人類は思い浮かんだ夢が実現するVRワールド「オアシス」で生活していた。ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される。その内容は、オアシスの三つの謎を解いた者に全財産の56兆円とこの世界を与えるというものだった。これを受けて、全世界を巻き込む争奪戦が起こり……。
予告編:映画『レディ・プレイヤー1』日本版予告【HD】2018年4月20日(金)公開 - YouTube
観る前の印象
予告をなんとなく観ただけの段階では、バーチャル世界という海原でボンクラが仲間と共にお宝を探し求めて活躍するって聞くと「バーチャル版ワンピースかよ!?」ってのが第一印象でした。VRってのも時代が追いつい来て今にフィットしてるし、『謎解き』自体もまぁ流行ったし要素だけでもそそられますね。
その主人公を演じるのは【ゾンビーワールドへようこそ】で文字通りのボンクラを好演してみせたタイ・シェリダンですからね。これは観る前から楽しいやつじゃんよ!
圧巻の近未来アドベンチャー!
観てきた感想は、
もうお腹いっぱい楽しませてもらいました!!!
視覚!視覚!視覚!視覚的な情報の多さに処理がとても追いつかない。結果、アドレナリン全開で終始心を掴まれっぱなしの『祭り映画』でした。
スピルバーグのこういうスペクタクル映画が観たかったし、巨匠の底力を見せ付けられた作品でもありした。よくこれだけのモノを視覚化出来たよなぁ。
VRを使った何でもありなバーチャルシステム『OASIS/オアシス』の魅力的な世界観、謎を解きつつ鍵を探し求めるゲーム性、映画・アニメ・ゲームなどの有名キャラクターやガジェットなど国境を越え大集合する祭りっぷり、音楽などの80年代ポップカルチャー、細部まで凝った画面とド迫力なアクションの数々、理想郷のようなバーチャル世界(理想)と目を背けなくなる廃れた現実とのギャップと折り合いのつけ付け方、非リアルな世界をキッカケに繋がる人と人との絆、友情を通し成長しそして愛を知るジュブナイル要素など、
その諸々が勧善懲悪でシンプルなストーリーに上手く合わさって、人を心を掴んで離さない一本の娯楽大作に落とし込んでくれた、スピルバーグ、原作者、製作陣に拍手を送りたくなる!凄いよ!
どことなく懐かしさもあり、それでいて新しさもあり、また一つ新しい映画の扉が開いたような感覚。尚且つオタクな人ほど楽しめるると思います。
それに個人的には終盤のあるセリフに、大いなるクリエイター愛を感じ思わずウルっとしちゃいました。そう言えば『ワンピース』感は特になかったです。
キャラクター大集合!
本作なんと言っても映画・アニメ・ゲーム・特撮などのお馴染みのキャラクターが国境を越えて大集合するお祭り具合が売りの一つで、出て来るキャラを見つけるだけでも楽しいです!
例えば、もろに映画【シャイニング】/デロリアン/【AKIRA】の金田のバイク/【ジュラシックパーク】のTレックス/キングコング/フレディ/チャッキー/エイリアン/タートルズ/ロボコップ/バットマン/ジョーカー/ハーレイクイン/スポーン/ガンダム/メカゴジラ/アイアン・ジャイアント/『ストII』の龍、春麗、サガット/『モータルコンバット』のGoroなど、ざっと見つけた中で記憶にあるのはこれくらいかな。
実際はこれの倍くらいのキャラや乗り物が出て来てるらしいです。小ネタやオマージュも含め観れば観るほど新たな発見がありそうなスルメ映画です。でも小ネタが分からなくても十分楽しめます。自分も全然拾えてないし。
あと観てて思ったのは、IOI社のラスボスであるソレントのアバターと、オアシス内でソレントの右腕的存在のアイロックのディテールは『メタルギアソリッド ライジング リベンジェンス』のアームストロングとサンダウナーをオマージュしてるんじゃないかな?
そのゲーム自体はやったこの無いけど、プレイ動画は観た事あって。ソレントのアバターはラスボスなのにスーツ着てるゴツめのオジさんで全然ラスボスっぽくなかったり、アイロックはスーツや体型が似てるなと。これ全然共感されなそう。
【ブレードランナー】よりもあり得る近未来感
去年ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作【ブレードランナー 2049】を観た時に、主人公Kの自宅内の描写で、プロジェクターで投影されたAIとの共同生活や、そのAIを外に持ち運べるポータブルキット、立体的なデジタル広告など『めっちゃこの先、現実的にあり得そうな近未来感』を感じたんだけど、本作の方がより現実的にあり得そうな近未来描写を観る事ができた。
まずは何と言ってもVRですね!『乃木坂46時間TV』の電視台でなーちゃん (西野七瀬)が高山一実ときゃっきゃやってのもVRゲームだったし、ついこの間AbemaTVの『日村がゆく』では、VRのAV特集をしたばっかで、世間的にも割と浸透して来たVR。
それにあのVR内での感触や衝撃が再現されるボディースーツも、絶対今どこかの会社が開発してそうだよね。特に追求の手を休めないアダルト業界とか。『VR =視覚』と来たら次は『身体 =股間』に行くって流れは自然だし、あり得なく無いなって。
劇中手にはめてるグローブだって『Nintendo Switch』みたいなもんでしょ?やった事無いけど手に持ってるコントローラーの振動や傾きを読み取って、それに合わせて画面内で色々なアクションを起きるって。特に『NINTENDO LABO』のロボットキットなんてそのまま【レディプレイヤー1】じゃん。
でVRの他にも、ドローンによるピザの宅配やamazonなんかの宅配便、監視カメラの役割など、もうすでに実践されてるものもあるんじゃないかな? バーチャルな世界で自由に生活するってのも、またまたゲーム好きのなーちゃんがハマってる『マイクラ』ってゲームがそういう事なんじゃないかな。
すでに片鱗が感じられる近未来のテクノロジー描写を、より魅力的にワクワクして観ることが出来るって面もでも興味深いし、リアルにその世界観に憧れてしまうSF映画でもありました。
クリエイター愛を感じ涙!
個人的に本作で心に刺さったのは『オアシス』の創設者であるハリデーがラスト近くでウェイドに言った一言。
「遊んでくれてありがとう」& ハリデーの微笑みドン!
このシーンで世界中のクリエイターやモノ作りに携わる人の言葉を代弁してくれなと。やっぱり作った側としては手に取って『楽しんてくれる』『喜んでくれる』ってのが一番ありがたい事であり、嬉しい事であり。
それはこの映画の監督であるスピルバーグもそうだし、話を考えた原作者、劇中で登場するキャラクター1つ1つの生みの親にも言えて。だから数多く出てくるキャラクターの存在がここで凄く効いて来るんだよね。
このハリデーの言葉と微笑みシーンで何故か、手塚治虫/宮崎駿/円谷英二/黒澤明とか、日本を代表する作り手の顔がパパパ!っと重なりオーバーラップして来て、なんか思わずウルっと来てしまった。
自分も仕事でグラフィックデザインをやってるんだけど、来る日も来る日もアイデアを考え、形にして、入稿するアウトプットの日々。期限に間に合わせるため何日も徹夜して「なんで俺こんなことやってんだろ?」とかふと思ったり、モノが発売して1週間も経てば巷の温度も冷め、その『作っては納品』繰り返しに「なんか消費されてるな...」と感じる事もあってモヤモヤしてた時に、モノ作りの根本をこのハリデーの一言で思い出したというか、救われました。
楽しんでくれる・手に取ってくれる人がいるから成り立つモノで、やり甲斐や喜びはそこにあったなと。このラスト間際に点数がグッと上がりました!まさか最終的にウェイドじゃなくてハリデーに感情移入するとは思わなかった。
まとめ
謎がスルスルっと解け過ぎやしないか?とか不満点や中盤のちょっとしたダレとかあるけど、もう1時間くらいはこの世界感に浸っていたかったなって気持ちもあって。1度じゃとてもじゃないけど味わい尽くせない作品。余裕があればまた観たい。
評価:★★★★★ 星5つ!満点!
長い期間離れてましたが、やっぱスピルバーグって凄いですね! 大人じゃないと表現出来ない子供が考えたような世界観を堪能させてもらいました。