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石川

カジカの成長見守る 加賀 秋の放流へ採卵ピーク

L形鋼の内側に産み付けられた卵を手にする職員(右)=県内水面水産センターで

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 加賀市山中温泉の県内水面水産センターで、放流用カジカの採卵がピークを迎えている。採取した卵は水槽に移され、五月中旬に稚魚がふ化する見通し。体長三センチほどになるまでセンターで育ち、秋ごろに県内各地で放流される。(小室亜希子)

 センターによると、カジカは県内で伝統的に食される「ゴリ」の一種で、食文化を守る目的で種苗の生産に取り組んでいる。

 ビニールハウスで覆った水路に雄雌両方の親魚を放し、水中に長さ十五センチのL形鋼を複数、山形にして設置。雄は一匹ずつ入って雌が来るのを待ち、交配の後、雌はL形鋼の内側に卵を産み付ける。

 例年十万~十五万粒が取れるが、昨年は十万粒に満たなかった。このため今年は早朝や夜間の一定時間、タイマーで電灯をつけ、春が来たと思わせることで産卵時期を早めた。雌は順調に二回ずつ産卵し、結果的に採卵総数は例年をかなり上回る二十万~二十五万粒に上る見通しという。

 稚魚は県内各地の漁協に配られ、犀川や浅野川、手取川などに放流される。

 

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