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「「チベット」と「中国文明」の関係」について 私も現在のラサの情勢においては、少なくとも劉公嗣さんとのやりとりにおいては、基本的に発言を控えさせていただきます。ただ、しばらくの間マスコミは騒ぎ立てたとしても、一ヶ月も立たないうちにほとんど沈黙してしまうだろうと思いますが。 ただ劉公嗣さんとのやりとりにおいては、基本的にチベットと「中国」との文化的関係にのみ絞って論じさせていただきたいと思います。 正直、現在、歴史的経緯によって、独立国となっている南北朝鮮やベトナム、日本などは、少なくともかつては漢字を使用し、箸を使用するなど、基本的に「中国」とともに東アジア文化圏を形成していると考えます。しかし、特に漢字を使用していたわけではないチベットを「東アジア文化圏」に入れられるものかどうかという点については確かに疑問を抱かないわけではありません。 ただ、チベットに関して、インド文化の影響か中国(漢)文化の影響かどちらが強いかという問題については、やはり宮崎一定が述べたとおり、中国文化の影響がかなり強いのではないかと考えます。 数え年の問題については、劉公嗣さんのご指摘を受けて私見を撤回しますが、やはり「因縁が深い」問題は多いと思うのですが、正直、浅学の身、具体的な例を挙げて説明することは出来ません。 ただ、昔、といっても1980年頃、確かNHKでチベットの小学校の授業シーンを見た記憶があり、小学生達は数字を日本人と同じように「イチ、ニイ、サン、シイ・・・」と読んでいました。これは日本と同じく、唐の時代にチベットに漢式の数の数え方が伝わった名残であり、チベット人は日本人と同じく、数を数えるのに唐代の中国語を使っているのだと言えます。 「18世紀半ばにダイチン=グルン(大清国)は宿敵ジューン=ガルを滅ぼし、「チベット」を含む広大な土地を新たに「支配」するようになったのですが、その課程では、儒学や漢字の優越や、華夷思想にもとづくいかなる価値の強要も意味を成さなかったことはいうまでもない(平野聡『興亡の世界史17』P146)」とおっしゃいますが、清朝が新たに支配地域を拡大できたのは、既に支配下に置いていた漢族地域の経済的優位性を活用できたからだとは考えられないでしょうか? Y染色体の問題に関しては、私は篠田謙一氏の著書を読んだわけではありませんし、今更こんなことを言うのも何ですが、現代の分布状況は分かっても、古代の分布状況がはっきり分からない状態では、やはりこれをもって民族移動を論ずるのは、やはり限界があると思います。 実際問題、日本列島の問題はさておき、考古学的にはチベットにはどれぐらい昔から、人類が居住していたのでしょう。私は、そんなに太古から人類が居住していたとは思えないのですが。 Y染色体の問題より、チベット人がたとえ漢字を使わなくても、その言語が「シナ・チベット語族」に分類されていることを考えれば、「中国」との因縁は浅からぬものがあると考えるほかはないと思います。もちろん、過去はともかく、現時点においては、比較言語学的にシナ・チベット語族に属していても、ビルマ人などはインド文化圏に属しているというべき例もあるのですが。 ただ、確かに漢族とチベット族とは違う民族です。その点は認めねばなりません。それはチベット族以外の他の少数民族にも当てはまることです。 中華人民共和国が基本的に清朝の境域を中国として継承し、諸外国もそれを承認している以上、筆者は中国が民族平等、民族団結を大いに実現し、中国の各民族が安定して繁栄の道を進むことを願っていますし、中国政府は結構うまくやっていくと思います。 現在の中国という多民族国家が存在している背景には、やはり「深い因縁」(歴史的必然性)があるのだろうと私は考えます。 |
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「チベット」と「中国文明」の関係(2)
前回の記事にたいして、子欲居さんからトラックバックをいただきました。この記事は、その返信です(以下、引用箇所は青字)。 ...続きを見る |
雑記帳 2008/03/17 00:12 |
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