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 総務省は2018年4月20日、携帯電話市場の様々な課題を議論する有機者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」を開き、端末/サービスの自由な選択や中古端末の国内流通促進に向けた報告書案を固めた。報告書案に基づき、早ければ来週中にも携帯電話大手3社に改善を要請する見通しだ。

 有識者会議の論点は多岐にわたるが、多くのユーザーに影響が及びそうなのは利用期間拘束の見直しだ。2年契約としているにもかかわらず、最終的には24カ月分の通信料以上の費用負担を求められる現状を問題視。「2年契約の満了時またはそれまでに、25カ月目の通信料と違約金の両方を支払わずに解約できるようにする」ことを求めた。

 中古端末のSIMロック解除についても、盗品や不払いの端末を除き、原則として応じるように求める。中古端末の国内流通を促進するため、大手3社が下取り端末の国内還流を制限する行為は業務改善命令の対象となることもガイドラインに明記する。

 端末の「実質0円販売」がなくならない現状にもメスを入れる。総務省はガイドラインで大手3社の行き過ぎた端末購入補助を禁じたが、ガイドラインの抜け穴を突き、販売代理店が独自の判断で端末を値引きするようになった。そこで、「携帯電話事業者から販売店に対して端末代金の販売価格や値引き額を実質的に指示することは業務改善命令の対象となる」旨をガイドラインに追加する。

 この第1号として、ソフトバンクの名前が浮上している。端末購入補助には当たらないような形を取りつつ、販売店に対してキャッシュバックを実質的に指示していたとして、同社に業務改善命令を出すことを検討しているもようだ。

 有識者会議では、KDDIのグループ会社であるUQコミュニケーションズが手掛ける「UQ mobile」やソフトバンクの「Y!mobile」といった「サブブランド問題」も大きな論点となった。だが、今回の議論だけでは十分に検証できなかったため、会計の専門家を交えた有識者会議を新たに設け、継続して議論する予定である。