「なぜ医師が苦手なのか?」という質問に対しては、その回答の起源は高校時代までさかのぼる。高校のころ美術部にいたことがある。その美術部で一緒だった2歳年上の女子高校生にひどい嫌がらせ・いじめに遭ったことが、現在まで続く医師ぎらいの理由の一つである。彼女の父親は医師であり、彼女も現在、医師である。
彼女は高校に入学してから海外交換留学していてだから、1学年遅れてわたしより1学年上だったが、ものすごい気の強い「怖い」女子高生だった。そういう女子っているでしょ、優等生で、自分の立場は絶対に悪くしないで、自分が気に入らない、自分より劣った女子高生を見つけては、陰湿きわまりないいじめを繰り返して、しかも自分は主犯のくせに被害者意識しかなくて、美術部の顧問教諭に「○○さん(わたし)がこのようなルール違反をやったから、自分たちはこのような迷惑をした」とか、「○○さん(わたし)がこのような漫画を描いたから、この絵ハガキはバザーで売れなかった」とか、ありとあらゆる因縁をつけて、わたしの集団内(美術部内)の立場を悪くすることに成功し、彼女のせいで、わたしにとって居場所のない高校はますます苦痛なものとなり、美術部にも顔を出さなくなり、高校も中退に追い込まれた。
彼女のような人間が本当にいる、という事実自体がショックであるが、彼女が現在、医師であるという事実にさらに救われない気分になる。発達障害を抱える同じクラブの高校生に対して、いじめを繰り返して美術部から追い出すというような行為を彼女は自分がやったと決して認めないだろうが、なによりもショックなのは、美術部の顧問が彼女の言い分ばかりを信じて、いじめに苦しんでいるわたしの悩みに耳を傾けなかったことである。その後、彼女が他県の医学部に(確か1浪して)進学したと聞いて、「医師って本当はああいう怖い人が多いんだろうな」と確信するようになった原因のひとつである。