やどかり(宿借り)マネー

思うところあってブログ名元に戻しました。またそのうち変更するかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。

美術 を含む記事

「NHK貧困報道”炎上” 改めて考える貧困と格差」そして「犠牲の累進性」

想像力の無いネオリベ犠牲の累進性を強化しているようですが、すべての貧困バッシングはとどのつまりは貧困者に向かって「黙れ」と言っていることであります。

東大教授の本田由紀氏(社会保障専門)がわかりやすくこういう現象を説明してくれています。

 

貧困者は黙ってはいけません。貧困である限り、国や世界に対して「なんとかしろ」と怒鳴る権利があるのです。貧困は構造的な問題であって、個人の責任ではありません。

  

貧困女子高校生に向かって、「もっと爪に火をともすような節約・貯金をすれば50万円くらい貯められる。それをやらないで進学ができないのはおまえが悪い」というのは「犠牲の累進性」であります。 

高校生に向かって、趣味に金を突っ込むのなら学費を貯めろ…って「何を言っているのか」の世界です。学費がトータルでどのくらいかかるかを想像することができれば、セカンドベスト感はありますが、進学をあきらめるかわりに周囲の子と同じように遊びに金を遣ったとしても変ではないでしょう。

自力で節約してアート系の上級学校に進むような子はいません。そういう環境の出は入学してもやめるでしょう。

女子高生は醒めているのです。現実に対して。自力でなんとかなる部分は限定的なもので、うちは周囲の子と環境が違う、相対的貧困なんだから、上級学校へは行けない。努力してもなんともならないものは仕方がない。だったら今を楽しむ。これのどこが悪いのでしょう。

もっと言えば、同じ学校にだって、趣味にも服にも金を遣って、なおかつ専門学校ではなく、もっと金のかかる美術大学へ行くのに、親が即金でぽんと金を払ってくれる家の子が山ほどいるのです。 そういうセレブ階層だけが“絵を描く仕事”に就ける国って、なんかまったく夢も希望もないと思いますけどね。

犠牲の累進性を強化しているネオリベに対しては、「あなたは日本を夢も希望もない不公平な国にしたいのか?子供が自分のやりたい進路を選べなくてどんな夢があるのか?」と聞きたい。

「趣味に金を遣える、1000円のランチが食べられるのだから貧困ではない」という意見もあるようですが、わたし自身もここ10年以上、生活保護費以下の生活費で暮らしていますが、kindle本はよく買っているし、趣味にも金遣うし、旅行行くし、1000円以上の外食だってします。それでもやっぱり年トータルで見ると相対的貧困レベルの生活費なんですよ。

 

 

奨学金で美大へ行くような貧困女子なんかおらん

anond.hatelabo.jp 

NHKの貧困女子見てないのだが、昔からNHKは貧困問題を取り上げる時に、サンプルの集め方が変なのである。

老後貧困を取り上げても、突っ込みどころ満載の老人をサンプルにしてしまうために、視聴者がネットを炎上させ、“そもそも何を持って貧困だ、かわいそうな人だと認定してあげればいいのか?”という別の問題にすり替わってしまう。

NHKのディレクターというのが貧困どころか、日本の頂点にいるような層ばかりなので、サンプル貧困を選ぶ時の「精度」が大きくずれるのが原因らしい。

 

はてさて、「貧困女子だって奨学金をもらえるはずだから美大へ行ける」とか書いている奴いて吹いてしまった。んなわけないでしょ。純学費以外に画材がどんだけかかると思っているんだよ。公募に出すのだって、いちいちかなりの費用がかかるんだし。

私立美大はなんだかんだ言っても、私立薬学部くらいかかるんだよ。金無い子があんな環境へ行っても辛いだけじゃないかな。

実際に芸大美大へ行ってみたら、貧困の「ひ」の字も知らないような学生ばっかりだよ。美大むけ予備校(研究所)だって純学費80万~120万くらいだし、いまは美術高校からやっていないと実技難関校は無理だよ。

 

それなら「親に金がないけど絵が描きたい」という人たちはどうしているか?というと、

「デジタルイラストに走る」

デジ絵やってるのは、結局、親に金がなくて、美大へ行けなかった(純粋芸術のトレーニングを受けることができなかった)階層出身ばかりじゃないかな。

中には美大へ行ってデジ絵に行く人もいるだろうけど。

デジ絵が短期間にこれだけ普及したのは、日本社会全体の下流化と密接な関係がある。だってデジ絵って画材費いらないじゃん。ソフトと、ペンタブを買ってしまえば、無限大に描けるデジ絵は、下流階層に受けに受けたのだよ。

スクリーントーンの貧乏つかい」

とかやっていた下流階層が、デジ絵をネット媒体に一気に普及させたと言っても過言ではあるまいに。

逆に純粋芸術というほどでもないのだが、ある種のエリート意識を持って「アート」してきた連中は、うっかりデジ絵にいかないようにするという自意識が目立つこのごろ。

 

 

 

 

なぜ美術系・芸術系の人間には左翼が多いのか?

www.landerblue.co.jp

感じやすい人は右翼になる。感じやすい上に繊細な人は左翼になる。美術家に左翼が多いのは繊細な連中だから。

 

繊細だから人格が歪みまくり、歪んでいるから他人と違う表現が可能になる。…と思っていたがどうも違う気もする。“造形センス”というのは事実として在って、“数学センス”とか“動体視力”とか“リズム感”というのと同じでほとんど先天的なもので、生まれつき無い人は努力しても持てない。

となるとある種の才能は、ある種の人格を不可避的に付随して生まれてくるものなのかもしれない。

 

いわさきちひろ」という有名なイラストレーター・画家がいるが(誰でも知っているでしょ)、いわさきちひろ日本共産党の闘士であったことはあまり知られていない。ちひろの夫も東大卒の弁護士であると同時に、日本共産党の幹部だったという。

あの「いわさきちひろ」の、繊細極まりない、独特な淡い水彩画はおそらく戦後、日本でもっとも愛された画風だと思うけど、描いている本人は女共産党である。本人の思想的背景が画風を裏切っているところがよい。

いわさきちひろ―子どもの心を見つめた画家 (別冊太陽)

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