やどかり(宿借り)マネー

思うところあってブログ名元に戻しました。またそのうち変更するかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。

2016年09月

老後貧困にありがちなケースと対策

朝日新聞デジタルに、高齢者の貧困ケースが出ていましたが読んでいて首をかしげました。

www.asahi.com

 

「毎月やりくりしても赤字が出ちゃう…」

埼玉県の女性(77)が、通帳とにらめっこしながらため息をついた。10年前には100万円以上あった貯金は、すでに10万円を切っている。40代で会社員の夫と別れ、子連れで住み込みの寮母などをして息子2人を育てた。清掃員をしていた70歳のとき、高齢を理由に仕事を辞めさせられた。その後は探しても職がなく、年金頼みの暮らしになった。

 

女性は厚生年金の加入期間もあり、もらえる年金は1カ月で9万円ほど。うち半分は、一人で住むアパートの家賃にあてる。電話代や光熱費などで計1万円強。食費を切りつめても、長年かけてためたお金が目減りしていく。息子たちが月2万円ずつ援助してくれると言うが、もらえない月もある。それぞれの生活で大変なことを思うと、催促はできない。

年金収入だけでは、生活保護の基準を下回っている。だが、「保護の申請は気持ちの踏ん切りがつかない」と言う。

生活保護は本来、障害や病気に悩む人のための制度だと思う。昔から健康に働き、子どもを育ててきたプライドがある。なんとかやり繰りしなければ」

 

できる限りの節約が続く。テレビは、地上デジタル放送への対応機が必要になったとき見るのをやめた。新聞購読もやめ、近くに住む妹からもらって数日分を読む。老眼鏡のレンズの度が合わなくなったが、がまんしている。2013年秋から、過去の物価下落時に据え置いた分の年金の減額が行われた。「もうこれ以上、どうすればいいの」。女性は、減額分の給付を求める集団訴訟に原告の1人として加わっている。 

 

“もらえる年金は月9万円、その半額を家賃にあてる”という個所が引っかかりました。もらえる年金が9万円なら、その30%以内に家賃を圧縮しなければまずいです。

27000円以下で借りることができる単身者アパートも埼玉県内に探せばあると思うのですが、高齢になると引っ越しが大変なのでしょうか?確かに引っ越しをすると一時的にかなり費用もかかるし、手伝いの人手もいるし、認知症の初期症状がある高齢者だと引っ越すことで症状が重くなることもありえます。

しかしこの朝日デジタルの貧困老女ケースの場合は、典型的な家賃起因貧困であり、家賃を圧縮しないと問題は死ぬまで続くでしょう。

病床で今にも死にそうな体調というのならともかく、原告になってやろうかというくらい元気があるのなら、その前に公営住宅への引っ越しを真剣に考えたほうが生活は豊かになるような…。「老後の年金が9万円の単身老女」はめったにいないから、可処分所得的にはこのおばあさんは“勝ち組”と言えなくもありません。

それはともかく、50代になれば自分の年金額はざっくり把握できそうですから、なるべく可処分所得の30%以下で借りられる住居を見つけましょう。

朝日新聞の記者(朝日の正社員は平均年収1200万円以上)も取材している時間があるのなら、ネットで調べてもっと安いアパートを見つけてあげて、引っ越しまで手伝えばいいんですよ。

「働き方革命」って正社員男性にだけ優しいのは従来どおり

働き方会議について記事が出ていました。

…調査によると日本型の正社員モデルである「年功序列賃金」「終身雇用」を支持する人がそれぞれ8割、9割近くに上がり、過去最高を記録した。特に若い世代で支持率が高いのは雇用や収入への将来不安がうかがえる。(略)

非正規という言葉を一掃しよう。首相は言うが、何を意味しているのか。安定的な長期雇用を確保する覚悟と決意がどこまであるのだろう。 

 

「同一賃金同一労働」を導入するということは、「正社員の待遇を下げる」ということと同義なのですが、安倍さんはそのあたりの構造が呑み込めていないのだろうなという気がしますね。

正社員(男性)が終身雇用×年功序列給であるがために、非正規はいつまでたっても最低賃金で働かなければいけないのに(企業というか組織の賃金原資は無限ではないので;)、そういう正社員の既得権に切り込むような気概はまったく安倍さんに感じられない。女性の労働者の過半数は非正規なのだから、「同一賃金同一労働」を徹底しようと思えば、最低賃金時給2000円でも少ないように思いますが…。

 

今回の「働き方会議」もあまり期待が持てそうにないというか、正社員と非正規の格差はさらに大きくなりそうだという、安倍さんやる気あんのか?!みたいな印象です。

 

若い世代で「終身雇用と年功序列」、つまり昭和型雇用のファン層が拡大中というのも気になる点であります。誰も「新卒フリーランス」やら「プロブロガー」になりたいとは思っていないのです。しかし新卒カードを1回きり損ねたら就活自殺…とか。をいをい、昭和のころより今のほうが状況は閉塞してきている感があります。「公務員になりたい」とか優秀な人がそういうのやめてよね。

確かに投資ブロガーを見ても男女ともに毎月かなりの金額を投資できている人たちは大企業正社員男女が多いようです。そういう人たちは安倍路線というか、経団連路線というか、大企業の正社員だけ高待遇あとは全員「使い捨てアルバイト」という現状が自分たちにとって都合がいい。本当に「同一賃金同一労働」になってしまうと、自分たちの年棒が3割カットとかありうるわけで、逆にいうと今の高待遇は非正規を搾取している構造からもたらされたものであります。

個人的には「年功序列とかふざけんな、“長く勤めている”というだけで中高年の賃金が異様に高いから若い非正規世帯がいつまでたっても貧乏じゃないか。全員非正規労働者にして最低賃金2000円にしてほしい」と思っているのですが、そういう兆しは見えてきませんね~。

 

「いらすとや」を敵視するイラストレーター

www.j-cast.com

 私は使ったことが無いんですが「いらすとや」さん経由のイラストは確かにインパクトありますので目にすることが多いです。

「いらすとや」がフリー素材を気前よく配布しちゃうから、プロにお金を出して頼む人がいなくなったという自称プロイラストレーターがいるという引用記事ですが、「何を言っているのだろうか」と情けなくなりました。

それってネットの無料自動占いが増えれば占い師不要になるというのと同じ理屈です。

 

前から日本は「著作権」に厳しすぎる、著作権使用料が高すぎると感じていました。外国人はがんがんコピペするのに、日本だけ異様に「著作権」が幅を利かせているという状況です。特に画像。

著作権を厳格に守ることによるメリット」よりも、「著作権を完全に手放す」ほうがモノを創る人にとってもメリットがある…と内田樹氏がどこかで述べていましたが、要するに著作権フリーにすることによって、自分の創造物がネットやリアルで自由に使用され、もっと人の目によって見られること、読まれることで、自分の芸は磨かれ成功できる…というのが彼の言い分です。

 

しかし日本の企業や作家はそう考えず、熱心に著作物の版権を守り通して、なおかつそこから1円でも自分の利益を誘導しようとして、逆に自分の創造物がほとんど人に利用されなくなって、ちっとも人気が出ないという悪循環に陥ってます。

閉塞感ただよう状況の中で「いらすとや」さんが太っ腹全部著作権フリー、無料画像をネットを通じてばらまいたもんだから、たしかにこれまで小遣い稼ぎができていた「プロ」は困る人も出てくるかもしれません。

でも「絵がうまい」とか「占いができる」「英語がわかる」という“芸”は他人の役に立ってこそ、自分の芸が磨かれるという一面があるのだから、売れるのなら売ることにこだわればいいと思うけど、売れないのに値段をつけることにこだわるのは本末転倒なのよ。

 

イラストとか画像は、制作者の個性も出ますし、その画像を貼る媒体の個性に合ったものでは無ければ媒体台無しにしかねない。

「どうしてもあの人に費用を払って作ってもらいたい」…というくらいの個性が出せなきゃプロ自称しても意味無いんじゃないか。なんなら全てのイラストレーターが「無料版」「有料版」を作成してネットで公開して、広く自分の名前や画風を売ったほうがその人にとってお得なんじゃないかな。

個人的な意見ですが、他のブロガーはともかく、「やまもといちろう」氏が「いらすとや」のイラストを自分のブログに貼っているのを見たときに“何という…センスのないことを平気でやるのだろうか”とがっかりしましたけどね。「いらすとや」とやまもといちろうの文体はなんかまるでちぐはぐで、“画像があるほうが読まれるよね”というブロガーの配慮が逆効果になってる例みたいな。

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