どうも、しんま13です。
2013年9月21日に「凶悪」という映画が公開されました。
この映画は、実際に起きた凶悪な殺人事件を元に作られた犯罪ドキュメント作品で、疑惑の殺人事件の首謀者を逮捕するまでを描いた一作です。
犯罪ドキュメント作品ということもあって、楽しいシーンは一切なく、暗く暗澹としたシーンが続き、「人間はお金のためならここまで凶悪になれるのか・・・」と恐怖を感じました。
今回はそんな映画「凶悪」の感想を書いていきます。
目次
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凶悪のあらすじ
とあるスクープ雑誌に、東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤から手紙が届きます。
記者の藤井は記事ネタになるかもしれないという期待を抱いて須藤と面会しますが、そこで須藤は警察に知られていない3件の余罪を話し出すのです。
日本は司法取引という制度がないため犯罪者が自分の余罪を喋ったところでなんのメリットもありません。
※2018年6月に日本でも司法取引制度が施行されます。
しかし、それでも須藤は自分の余罪を藤井に話します。
かつて、「先生」と呼ばれた人に復讐するために・・・。
こうして藤井は須藤が話した余罪について、そして、先生と呼ばれた男を調べるために取材を進めていき、事件の真相、事件の凶悪性を知っていくのです。
【ネタバレ含む】凶悪の感想
この映画は、元暴力団組員の「須藤」と、先生と呼ばれた不動産ブローカーの「木村」がサイコパスすぎるの印象的です。
作中で描かれる3件目の殺人では、先生は保険金目当てでおじいさんを殺害するのですが、その過程と先生のやり口がとにかく残忍・・・。
このおじいさんは数千万の借金を抱えており、完全に首が回らない状態。
先生は病気で弱っているおじいさんに対して毎日大量のお酒を飲ませます。
「もう飲めません・・・!」と悲鳴を上げるおじいさんを無視して大量飲酒をさせたあげく、弱りに弱ったおじいさんに対して須藤はスタンガンを浴びせ、その間先生は大爆笑。
楽しくなってきた先生は「私にもやらせて」と言いスタンガンを浴びせ、散々はしゃぎ回ったのちに、トドメとばかりに96℃のウォッカを飲ませおじいさんを絶命させます。
下っ端の二人は、先生が笑いながら人をいたぶる姿にドン引き。
端的に言って狂っています。。。
須藤と先生が人を殺す目的はもちろんお金。
先生は人の命をお金に変える黒い錬金術師で、自らの私利私欲のために殺戮を繰り返すモンスター。
まさに凶悪です。
こんな凶悪極まりない事件が実際に起こったのかと思うと憂鬱な気持ちになってきます。
本作を見終えて、世の中には良心の呵責が存在せず、虫を殺す感覚で人を殺せる人がいるんだなと思いました。
先生と須藤はお金のためだけに次から次へと殺戮を繰り返し、そして大金を稼ぎ出します。
須藤の嫁は、須藤が人を殺してお金を稼いでいることに対してなんの罪悪感も感じおらず、先生がテーブルに積んだ札束をみて微笑むほどです。
須藤と先生も狂っていますが、須藤の嫁もまた狂っているのです。
なお、作中で描かれている3つの殺人は以下の通り。
1つ目の殺人
先生はお金を返せなくなった男をネクタイで絞殺。
その男の処理に困った先生は須藤に遺体の処理を頼みます。
須藤は知り合いの会社の焼却炉で男の遺体を焼こうとしますが、焼却炉のサイズ的に男の身体がうまく入らず、ナタで男の身体をバラバラにして焼却炉にぶち込みます。
「肉の焼ける、良い匂いがする」という先生のセリフには狂気を感じずにはいられませんでした。
まさに凶悪っ!
2つ目の殺人
身寄りのない土地持ちの資産家おじいさんを、先生が所有する土地に生き埋めにします。
「この土地は売ったら1億円くらいになるのかな~」と先生が話しており、結果的に先生はこの殺人で1億7000万円を得ます。
3つ目の殺人
借金を抱えたおじいさんに無理やりお酒を飲ませた上にスタンガンを浴びせ続け殺害。
先生は保険金で億単位の金を手にします。
リリーフランキーの猟奇的な演技が素晴らしい
「凶悪」に出演した俳優は皆いい演技をされていましたが、その中でもひときわ存在感を放っていたのが先生を演じたリリーフランキーです。
まるでリリーフランキーの内面に殺人者としての資質が秘められているんじゃないかと錯覚するぐらい役にハマっていました。
子供のように無邪気な笑顔で人を殺し、人を殺して得たお金で札束の山を作り、その姿は完全に常軌を逸していました。
「肉の焼ける、良い匂いがする」という恐ろしいセリフをサラッと自然に言えてしまうのもリリーフランキーだからこそでしょう。
先生は3人以上人を殺しまくってるという推測
須藤は先生が関係した3件の殺人事件について語るのですが、しかし、実際先生はこの3件以外にも人を殺しているんじゃないかと思います。
そう思う根拠として、先生は1件目の殺人から人を殺すことになんの躊躇もしていない上に、先生が遺体の処理を須藤に頼んだ時、須藤はさも当たり前かのように仕事を引き受けているからです。
つまり、須藤と先生にとって殺人は日常的だということです。
しかも、先生のやり口は非常に巧みで、ちょっとやそっとじゃ殺人が露見しない殺し方をします。
事実、須藤が何もしゃべらなければ先生の殺人は立証されることはなかったのですから。
まさに、裏社会のプロフェッショナルです。
警察庁生活安全局生活安全企画課の「平成28年における行方不明者の状況」によれば、平成28年に受理した行方不明者の人数は84850人です。
平成18年以降からほぼ8万人台で推移しているようです。
参考記事: https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/H28yukuehumeisya.pdf
もしかしたら、行方不明者の何%かは先生のような裏社会のプロフェッショナルに葬られているのかもしれません。。。
映画「凶悪」の元になった上申書殺人事件
冒頭でも書いた通り、映画「凶悪」は実際に起こった事件が元に作られた映画です。
その事件こそが上申書殺人事件です。
上申書殺人事件の概要はWikipediaでまとまっています。
参考記事: 上申書殺人事件 - Wikipedia
上申書殺人事件は「凶悪」の通り、先生と呼ばれる男と元暴力団の組員が共謀して次々と殺戮を繰り広げるという事件です。
雑誌社の新潮45が、元暴力団の後藤良治に取材を行い、先生と呼ばれた不動産ブローカーの三上静男の悪事を報じたことで、三上の悪事が刑事事件化されたのです。
その書籍が以下です。
これぞジャーナリズムと言えるでしょう。
後藤の告発と新潮45の取材がなければ、三上の悪事は永遠に闇に葬られたままだったのですから。
まとめ
もともとこういう犯罪系の映画は好きでしたが、その中でも「凶悪」は映画としてかなり面白かったです。
実話を元に作られた映画とはいえ、内容はほとんど実話に沿っています。
だからこそ、「世の中にはこんな恐ろしい人がいるのか」という恐怖を感じたのです。リリーフランキーのサイコパスっぷりもいい味を出していました。
「凶悪」はフジテレビが運営するFODプレミアムで視聴できるので、映画を観たい方は会員登録することをおすすめしておきます。
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映画を一回見に行ったら1800円取られてしまいますからね。。。
以上、【ネタバレ有】映画「凶悪」の感想。人の命を金に変える黒い錬金術師の素顔...でした。