又吉直樹のヘウレーカ!「“金縛り”はなぜ起きるのか?」[解][字][再] 2018.04.20

204月 - による admin - 0 - 未分類

おっまったん。
また本屋にいるの?何してるのよ?
(又吉)ああ最近ちょっと悩んでまして…。
金縛りなんですけど。
夜なんか胸の辺りが苦しくて目を開けても体が動かないんですよ。
なんかすごい疲れるし怖いし。
やっぱあれですかね幽霊の仕業ですかね?なんで金縛りって起きるんやろう?そうだよなぁ…。
金縛りかぁ…。
なんで起きるんだろう?
(悲鳴)
(テーマ音楽)どうも。
吉村崇です。
いや僕もね一度だけ金縛りあるんですけどあれは絶対オバケだと思いますよ!皆さんはどうなんですかね?なんか苦しいなって思って起きたらすごい首絞められてる感があって。
人がいたみたいな。
黒いサソリと言いますか怪獣みたいな変なものが出てきてなんかすごい取り押さえられてあれ?動こうと思っても動けないみたいな。
前方から黒い丸いものがこう近寄ってきて…。
黒い丸怖いなあ!南無阿弥陀仏ってずっと唱えてたらいつの間にかこうなくなったみたいな。
金縛りって世界共通の恐怖体験なんだなぁ。
この得体の知れない現象は古くは日本では「座敷わらし」のいたずら。

(悲鳴)西洋では夢の中に現れる「悪魔」の仕業と恐れられてきたらしい。
まったんの家も座敷わらしいそうなんだよな〜。
おお神社でお参りでもしていきましょか。
確かに。
困った時の神頼みっていうからまったん俺の分も頼むよ!もう金縛りに遭いませんように。
(上田)こんにちは又吉さん。
ああこんにちは。
なにか金縛りでお悩みですか?そうなんですよ。
ああそうなんですか。
金縛りだったらちょっと神頼みではダメかもしれません。
ああそうですか。
科学で解明できるんです。
科学で?はい。
爽やかに登場したのは東京大学の上田泰己先生。
生命の仕組みを解き明かす「システム生物学」の研究で世界をリードする若き生命科学者だ。
人呼んで…どちら様かなと思ったんですけど。
すみません。
あの突然で。
そちらのですね東京大学で研究をしております。
そうなんですか。
ちょっと私たちの研究室までいらしてみませんか?いいですか?はい。
いや金縛りでまさか東京大学へ行くとはなぁ。
はい。
こちらでさまざまな…。
はい。
このワンフロアがすべて上田先生の研究室。
結構広そう。
「睡眠」ってどんな研究してるんだろう。
(又吉女性)こんにちは。
今彼らはですねえ〜とマウスの遺伝子をいろいろといじってというか。
マウスの遺伝子ですよね?マウスの遺伝子です。
でも人にもある遺伝子なんですよね。
それをいじる?はい。
どんなことやってるかを。
遺伝子をいじるってどういうことだ?自分は今睡眠に関わる遺伝子の1つについてちょっと機能を変えて…ああなるほど。
へぇ〜。
睡眠って遺伝子も関係あるんだ。
これは何ですか?
(男性)これはマウスの睡眠を測る装置で自分たちの私たちの研究室で設計して作っているものですのでまあ他の研究室にはあまりないような装置になっています。
自然に眠りにつける環境でデータを取るため圧力センサーでマウスの呼吸を感知する実験装置。
なんと「寝息」からマウスの睡眠が測定できるんだとか。
大体100匹少しですね。
これが100個くらい並んでいる部屋があってそこで100匹くらいのマウスの寝たり起きたりっていうのをずっと測定しています。
へぇ〜!あんまりなんかこう寝ないイメージですけどね小動物は。
実は人よりも寝てるんですよ。
えっ!そうなんですか!はい。
1日の半分以上をマウスは寝て過ごすんですね。
へぇ〜!まとまって寝ないというか。
もう一日中寝たり起きたりを繰り返しているっていう。
なるほど。
だからなんとなく起きてるイメージが。
そうそう。
多分敵が周りにいる時にすぐ逃げられるように。
僕はどっちかというとマウス的な寝方かもしれない。
ハハハッそうなんですか!ちょっと空いた時に寝て。
すぐ起きて。
なるほどなるほど。
敵はあんまり多そうではなさそうですけど。
敵はいないんですけどね。
寝息を測定したり遺伝子を分析したり睡眠って結構奥深そうだな〜。
でも金縛りとどんな関係があるんだろう?金縛りでお悩みという形なんですけどどんなことが金縛りで起きるんですか?あの〜幽霊の悪口をよく言ってたんですね。
ああそうですか。
死者を冒涜するつもりは絶対にないけどでも仮にもかつて人間やった霊的な存在としたら法律も知ってたはずやし自分にどんな感情があるかは知らんけど僕が攻撃したわけでもないのにその無抵抗な人間に対して霊的な暴力を振るうっていうのはもう最低な行為やからそんなやつにおびえるほうがあほらしいと。
ホントにしょうもないしょうもない魂ですねって。
ライブで言うてたんですよ。
はいはい。
効きました?そのタイミングで金縛りに遭ったんですよ家で。
で僕なんか強気になってたから「はいはい面白くないやつが来ましたね。
そうやって無抵抗な人を苦しめて」って言ってたらまたグッグーってなって息できへんようになって「すいませんでした」って謝りました。
そうしたらなくなりました?なくなったんですよ。
なるほど。
だからあれ?これもうそういうのあんのかなって。
そうですか。
先生は金縛りも研究されてるんですか?えっと金縛りそのものではないんですけれども実は金縛りは睡眠を深く深く理解していくとその謎というのが解け始めているんですよね。
そうなんですか。
じゃあこちらをですねちょっとご覧いただければと思うんですけど。
はい。
頭の状態っていろんな状態あるんですけど3種類ぐらいあるっていわれてるんですね。
はい。
こちらは脳波を調べたもの。
左は覚醒起きているとき。
真ん中は深く眠っている「ノンレム睡眠」のとき。
右は浅い眠りの「レム睡眠」のとき。
よく夢を見るのがこのレム睡眠だ。
それぞれの筋肉の動きを見てみるとこんな感じ。
起きてる状態一番左の状態と深く眠っている状態がかなり多い状態なんですけど。
頭の中には不思議な状態というのがありましてこれがあのレム睡眠と呼ばれる状態なんですけど。
頭の状態脳波の状態って寝てるノンレム睡眠と起きている覚醒の状態とどちらに近いと思います?あ〜。
ちょっと覚醒のほうに近いですよね。
そうですね。
じゃあの筋肉の状態どっちに近いですか?…はノンレム睡眠のほうに近いですね。
体は寝てるのに頭は起きてるようなそういうのに近い状態なんですね。
夢っていろんな突拍子もないことが起こるので…そういう指令がですね脳から出てるっていうふうに言われてるんですね。
なのでその時たまたま起きてしまうとこう脳からブレーキがかかってるので体は動けない。
実は金縛りは普通だったらレム睡眠のところがあのたまたまちょっと向こう側にいっちゃって起きちゃったっていうような状況で体はまだ起ききってないっていうような「睡眠まひ」と呼ばれるようなそういう状態だと言われてるんですね。
頭と体の不一致みたいなものが起きているだけなんですよね。
金縛りが起きるのはレム睡眠のとき。
レム睡眠では夢に合わせて体が動かないように脳が全身の筋肉にブレーキをかける信号を出している。
通常このブレーキは朝の目覚めとともに解除される。
だが突然の目覚めでシステムが十分に働かないとブレーキが解除されない状態が発生する。
これが金縛り。
睡眠から覚醒への移行期に生じる一時的な全身まひの症状だ。
つまり「睡眠まひ」が金縛りの正体なのだ。
それはすごい感覚的にわかるなと思うんですけど。
金縛りに遭ってすごい怖くて本棚の上に何かおると思ってよく見たらすっごいカラフルな鳥で全然怖くなかったんですよ。
ハハッそうですか。
すごい派手な鳥がおる…。
ハハッ。
特に怖くない…。
だから夢やったのか金縛り起きてて実際にそう見えたのかどうなんだろうなって。
でも半分寝てて半分起きているような状況なので。
行ったり来たりその間をですねちょうどあの明確に分かれていると起きて体も動くと思うんですよ。
はい。
意識あって起きてるけど夢みれてるみたいな。
要は自分が今夢みてるって気付いてる時に近い。
はい。
それよりもちょっと覚醒にいってるって感じですかね。
金縛りのその僕がさっきから言ってるグーっと苦しくなるっていうのはあれはどういうことなんでしょうね?初めて金縛りに遭ったのは中学校中学生ぐらいの時やったと思うんですけど。
まだ金縛りの話あるの?いやいやちょっと目怖いな!呼吸もしづらくなってますし。
はぁはぁはぁ。
すぐ他の部屋で寝てた母親のとこに行って金縛りに遭ったって説明したら胃薬みたいなの渡された。
ハハハッ。
そういうことじゃないねんけどなって。
こう体が全部グーってなってこの辺になんかすごい重い物が来てすっごいしんどかったみたいな。
胃薬ですか。
治りました?治らないですよね。
飲んだかも覚えてないですけど一応飲んだんかな?恐らくなんですけど激しく呼吸をしたりとか何か体を動かそうとかそういうことがなかなか難しいのでやっぱり息苦しくなるみたいな感覚になってくるかもしれないですね。
なるほど。
スキューバダイビングとかで海の中におってここの酸素ボンベみたいなものをつけてあのペースで呼吸せなあかんのに地上のペースで呼吸しようとしたら乱れて。
マラソンのようなペースでやろうとすると乱れてしまうと。
苦しくなるという。
自分の意図に合わせようとして体が反応してくれないのでその不一致というので脳がちょっと混乱して。
結構危ない状態なんですねでも。
えっとただまあそれでなにか呼吸が止まってしまうわけではないので。
起きない人はいないので。
怖がる必要はないんですね。
そうですね。
やはり幽霊に文句を言うよりも多分科学で解明したほうがいい道だと思うんですけどね。
そっちのほうがなんか近づけそうですよね。
さすがに胃薬っていうのはなかなか難しいかもしれないんですけど。
胃薬が一番遠いですかね。
再び研究フロアの探索へ出かけたまったん!ん?廊下でなんかやってますね。
こんにちは。
(学生たち)こんにちは。
ここで何をされてるんですか?今ですね顕微鏡の自動フォーカスをどうやったらいいかっていうのをちょっと考えてたところなんですよ。
へぇ〜。
自動フォーカス?そうですね。
顕微鏡いっぱい画像撮るんですけどフォーカスがまあ皆さんこうカメラで撮る時と同じようにずれてしまうんですよ。
それをこう機械で自動的にこう補正しなければいけないんですけどそれをこうどうやったらいいかというのを議論していたんです。
へぇ〜!えっ?廊下にこういうのがあるんですね?はい。
あの上田研では廊下でこのホワイトボードは自由に使えるのでこうやってこう気軽に議論することができるんです。
へぇ〜!気軽な議論…。
なんですか!?これ。
なんだかよくわかんない英語と数式だらけ。
又吉くんわかる?イメージ…。
これはわかりますよね?これなんですけど。
え〜っ?これ何の図でしょうね。
いやこれ実はマウスの脳ってこういう形をしてるんですけどこいつにフォーカスを合わせたいっていうのでこうイメージ的に描いております。
これはメロンですよね?これはメロンです。
メロンをですね…。
メロンを研究してるわけじゃない。
メロンを研究してるわけじゃない。
どっかでこれはたどりつくもんなんですか?そうですね。
いろんな方法がございますのでそれを一つ一つ試しまして一番いいのを探すという。
へぇ〜!研究って何か最初からわかってることって少ないので例えば物理学者だったり生物学者だったりが集まってその違いみたいなものから新しさが生まれるんですよね。
ああ。
なので違うものがいかに出会う場を作るかっていうのがやっぱり大切でそれでこういういろんな人が出会ってすぐ話が始められるというか。
はいはい。
ただ最初言葉通じないんですけどね。
ハハハッ。
ケンカも起こるんですけど。
何を言ってるんだという…。
ルールも違う。
ルールも違いますね。
へぇ〜!それぞれの考え方をこう補足し合ったり刺激し合ってやってるわけですね。
へぇ〜!こういうところから科学の新発見って生まれるのか…。
現在上田研究室にはさまざまなジャンルの研究者24人が在籍し睡眠の謎の解明を行っている。
なんだか睡眠そのものに興味が出てきましたよ吉村も!ここで上田先生がぜひ見せたいものがあるという。
これなんですけど…。
これ何かわかりますか?なんか透明な…あれ魚?骨?魚…はいはい。
これ骨ですよねこれね?はいはい。
えっこれ…怖っ!これなんですか?これ。
これですね実はあのマウスなんですけど。
ちっちゃなマウス。
生まれたてのマウスなんですけど。
骨だけに見えるじゃないですか。
これ実は…そうなんですか。
マウスを透明にしちゃったんですよね。
透明になれるもんなんですか?骨以外すべての臓器を透明にしたマウスだ。
マウスの体がうっすらわかる。
手や足尻尾の先までちゃんと残っている。
これまで細胞を観察するにはスライスするしかなかった。
そのため刃物で細胞が傷ついたりマウスの脳だけでも数百枚のスライスが必要など膨大な手間と労力がかかった。
透明化するにはアミノアルコールという液体につける。
するとおよそ1週間で色素が抜ける。
この方法ですべての細胞の透明化に世界で初めて成功したのが上田先生の研究グループなのだ。
現在は睡眠システムの中枢といわれる脳の解析を進めている。
随分なんか僕が知ってる顕微鏡とは…。
ちょっと違いますかね。
あのこれ実は自作の顕微鏡でレゴブロックのように自分たちで研究室でこう顕微鏡を作ってるんですね。
脳を丸ごと観察するためには特殊な顕微鏡が必要だ。
赤く点滅する光の先に透明化したマウスの脳を置き顕微鏡カメラで撮影していく。
これが今撮影中の脳細胞の映像だ。
これ1個1個がですねこれが細胞の核ですね。
なんか流れ星みたいな。
そうですね。
流れたりしてますよね。
はい。
脳の断面を移動しながら撮影しているのでまるで生きているように見える。
これ「海馬」と呼ばれる部分になるんですけど物を覚えていく時の場所なんですけど1個1個が細胞でこれをですね全部一つ一つ数えていくと……という形ですね。
この顕微鏡データをもとに複雑な脳のメカニズムを調べるために作ったのがこちら「脳の地図」だ。
1個1個がですね細胞…。
え〜すごいすごいすごい!点になっていまして。
この一つ一つを見ていってる?そうです。
実はですね睡眠の中枢というものはまだあんまりよくわかってないんですよね。
どこにあるんだと。
この7000万個のうちどの神経細胞が司令塔なのかよくわかっていないのでそれでいろいろ調べているという…。
寝る時に使ってる部分はどこなのか。
そういうことを調べるためにはやっぱり透明にする必要があったということですね。
そうですね。
あの上田先生は脳を透明化してまで睡眠のことを研究なさってるじゃないですか。
はい。
それはなぜですか?ああ。
実はですね睡眠だけであればもしかしたらここまでする必要はないかもしれないんですけど。
睡眠って起きているっていう事の裏側じゃないですか。
なので睡眠がわかると起きてる時のことがわかるんじゃないかって。
起きてるっていう事がわかると意識がわかるんじゃないか。
意識がわかると「自分とは何か」っていうのに少しずつ迫れるんじゃないか。
そんな妄想を抱いていまして。
睡眠のことがわかってくると起きてる状態のこともわかってくると。
そうですね。
「自分とは何か」っていう問いというかそれを持たれたのはなぜですか?え〜とですね小学校4〜5年ぐらいだと思うんですけど自分ってなにか独りぼっちなんだというようなこうつながりがあるように見えて実はひとりなんだというのに気付いてすごく不安に思ったことがあって。
はいはい。
自分の意味とか自分とは何かっていうところに強烈に惹かれていったんですよね。
もう僕もそんなことばっかり子どもの頃から考えてましたね。
そうですか。
はい。
聞く相手はまあ親しかいないんでびっくりするぐらい雑ですよ。
「僕はなぜおるんや」みたいな。
「お父さんとお母さんがおるからや」。
「お母さんとお父さんは」みたいな。
こうどんどん上にいって「その一番最初は?」みたいな。
別に進化論とかそういう話にいかずに割と早い段階で6代ぐらい上はもう神様がいてって言いだして。
もう神様!?みたいな。
ハハハッ。
なるほど。
だからあの僕の場合はそれを割とお話にするというか考えて考えてまあある程度その素材というかこうじゃないかこうじゃないかが何個かたまってくるとそういう自分の身に起こることを全部その物語に吸収さしていくんですよ。
ほんならなんかああこういう事やったんか…。
なるほどなるほど。
僕はあのやっぱりこうなんとか自分に近づきたいと。
でも自分との距離ゼロなのでなので近づくためにはなんか取り出さないといけないんじゃないのかなと思い始めたんですよね。
取り出す?はい。
あの人や自分は対象にはなかなかできないので人とは違ってはいるけれども睡眠は共通のネズミマウスと相対してみてこの全部を一応見てみるというような形でなんとか自分をこう取り出したいというそんな感覚でやってきましたね。
う〜ん。
確かに……ということですよね。
はい。
なかなか太刀打ちできないような難しい問題なのでそれで1人だけではなくて…なんとか…そんな感じで科学を使って内面を理解していくという方向にいきたいなと思って今こんなことをやってるんですけど。
又吉さんあの夜になったら眠たくなるじゃないですか。
はい。
どうやって頭は夜が来たあるいは眠たくなるっていうふうに知ると思います?あ〜そうですね。
う〜ん。
習慣もあるんじゃないですかね。
ああ習慣ありますね。
前の日とか前の前の日に何時に寝たとか。
そうですね。
あとムードもあるんじゃないですか。
ムード!?夜はなんとなくみんな寝ようとするから。
はいはい。
もう子供の頃からですもんね。
もしかしたら親とかそれぐらいの世代から受け継いできたものかもしれないですよね。
あ〜。
そういったものをですね割とすべて集約しているそういうあのものがですね実は脳の中にはあるんですね。
ちょっとそれをお見せしようと思いますね。
はい。
これなんですけど。
これ脳の一部でして非常に早回しをしてるんですけど大体1秒で1日ぐらいを撮ってるんですけど。
へぇ〜!これ点滅してますよね。
1日1回ぐらい点滅している?はい。
これですね「時計遺伝子」。
時計遺伝子から出てくるたんぱく質。
時計遺伝子?はい。
なんですね。
なので多分又吉さんの親から受け継がれて。
はいはい。
こう代々受け継がれていく遺伝子なんですけど。
そもそもそういうのがあるんですね。
ありますよ。
はい。
人は体のほぼすべての細胞に「時計遺伝子」を持っている。
この時計遺伝子が体内で24時間の時を刻んでいるため朝になると目が覚め決まった時間におなかがすくなどの生理現象が起こる。
夜になると眠くなるのも時計遺伝子の指令だったのだ。
ほんなら僕がひとりで「もう僕は夜起きてて昼寝るんだ」って勝手に決めても根本の部分にこれがある限りやっぱりちょっとそれに抵抗してるふうになってしまうんですね。
時計遺伝子があるのは人だけではない。
花が咲く時間も…動物たちが夜眠りにつくのも時計遺伝子の指令によるもの。
地球の自転24時間に合わせて生きるために生物に備わった時計なのだ。
壮大だ!この時計遺伝子なんですけれども24時間一体全体どうやって時間を数えているか。
あ〜なるほど。
そうですよね。
時間ですよね。
時間ですね。
心臓。
心臓。
心臓で数えている?心臓の…でも変わりますもんね。
速くなったり遅くなったり。
人工心臓を使ってる人もいますよね。
そうか…。
時計を見たときに「あっ今4時だ」とかいうのが採用されていく。
なるほどなるほど。
それいい考えですね。
ただですねそれを否定する実験っていうのがありまして。
洞穴をですねドイツの…ところに洞穴を掘ってそこで何か月も生活した人っていうのがいてですねそこに時計を持ち込まないと。
全く時間を知らせないようにしてそれでもですねその人のリズムっていうのは大体24時間に近いリズムでずっと刻まれていくというので時計を見なくても時間を数えられるっていうふうに言われてるんですよね。
まばたきですね。
まばたきですか!はい。
多分まばたきではないような気もするんですけど。
はい。
すいません。
何度も何度も否定してしまって。
僕が今思いつくぐらいのことは先生全部やってるんでしょうね!じゃあですねちょっとですねヒントを。
ヒントありますか。
用意したのは3種類の時計。
太陽の角度で時間を計る「日時計」。
砂の量の変化で時間を知る「砂時計」。
時間の経過で「色が変わっていく時計」。
この3つのうちどれが一番近いと思います?砂時計はなさそうなんですよね。
あ〜そうなんですか!なるほど。
はい。
日時計はなんかいかにもありそうなんですよ。
太陽の位置とか。
はい。
これはいまいちよくわからないんで…。
色変わるっていうのがどういうことなのか。
3つで言うとどれでしょう。
日時計が一番あれですかね。
はい。
考えやすそう。
はい。
答えはですねまだわかってません。
わかってないんですか?すいません。
全部ですって言うんかなと思ったらわかってなかったんですか。
実はこの2つの考え方の間で研究者の間でもう議論が続いているという形なんです。
睡眠に関わる時計遺伝子はどのようにリズムを刻むのか。
現在あるのは2つの説。
一つ目は砂時計説。
時計遺伝子が作るたんぱく質の「量」に注目。
一定に達したら24時間というふうに量の変化で時をカウントしているという。
もうひとつの説はたんぱく質の「状態」に注目したもの。
刻々と色が変わるように24時間周期で変化するたんぱく質の「状態」で時間を数えるという考え方だ。
まあこれから何年かかるかわからないんですけれどどちらが勝つのかあるいは共存してるのかそういった事がこれからわかってくるかもしれないんですね。
そうなんですね。
はい。
ちなみに僕はこちら派です。
ああそうなんですか。
はい。
一生懸命こちらを研究しているっていう。
へぇ〜!先生僕もうず〜っと考えてることがあるんですけど。
睡眠をとらずに元気でいる。
もう眠たくもなくてず〜っとその活動できる状態を保つことってなんかできないのかなって。
なるほどなるほど。
実はですねそういうふうにしたマウスの脳っていうのをですねちょっと準備したので見ていただければと思うんですけれども。
これあの睡眠をとらなくてなるべくいいような状態にしたマウスが右側。
左側は普通のマウスの脳なんですけれども緑はですねこの細胞が興奮したら緑になるようなそういう仕掛けを持ったマウスで。
右側を見ていただくとですねすっごく活動が上がってるのがおわかりいただけます?上田先生は2016年新たな発見をした。
それは「眠気」が起こる仕組み。
眠気はカルシウムが脳に入り神経細胞を休める事で起こる事を初めて突き止めたのだ。
更に透明化したマウスで眠気を引き起こすカルシウムを遮断した脳を解析した。
すると眠らなくなった脳は正常な脳に比べ特定の細胞が過剰に活動して興奮状態が続くこともわかった。
例えばあの脳の音が聞こえる時に反応する部位が非常に強く光っていたりものが見えたときに反応するところが非常に強く光ってるのでこのマウスはですね多分幻聴とかつまり音が聞こえたり幻覚ものが見えたりという事が起こっているかもしれないんです。
えっ!そっか…。
はい。
なのでちょっとですね。
危険ですねぇ。
はい。
あの眠らなくても元気というのは魅力はあるんですけれどもそれをやるとですねまあ幻聴とか幻覚みたいなものが同時に見えてきてしまうかもしれないので。
それは避けたいですね。
ちょっとオススメはできないかなぁという感じが。
やらないです。
はい。
ハハハッ。
いや怖すぎるでしょ。
でも魅力はありますよね。
魅力はあるけど…こういうことにならない普通の状態でっていうのがね理想なんですけどね。
なるほど。
何かコンビニとかで買えるようなあるじゃないですか。
その眠気覚ましとか。
カフェイン。
カフェインとかなんかそういう。
ああいうのは何をどうしてそうできてるんですかね。
すごく今研究が進んでいるところで脳の睡眠の中枢かもしれないというところにカフェインを感知できるようなそういう場所があると言われてるんですね。
そうするとその場所がですねちょっとおとなしくなって脳の他の部分は元気になると。
こういう仕組みみたいですね。
昔ライブ前にもうあと2日しかないみたいな。
相方と夜中ネタ合わせず〜っとやってて2人とも寝てなくていやもう限界やなってなってコンビニで相方がそれ買ってきたんですよ。
これを2人で飲もうつって。
飲んだらホントに眠気が…。
飛びました?飛びましてうわ〜って2人のテンション上がって「むっちゃええやんこれ!」ってなったんですけど1時間後ぐらい2人とも「あかん。
1回30分だけ寝よう」つって。
なんか絶対寝たらあかん状況なのに2人とも。
ぶり返しがとんでもないことになって。
眠気そのものはたまってるのでそれは消えてないので…。
ってことですよね。
はい。
ライブは大丈夫だったんですか?なんとか間に合ったんですけど。
よかった。
はい。
預金もできないじゃないですか。
睡眠。
寝だめ。
そうなんですよ。
まったんさっきから眠らなくていい方法ばっかり気にしてますよ。
なにまだまだ働くの?こちらは又吉くんのある1日。
いやぎっちぎちのスケジュール!睡眠は…寝るのが朝4時で起きるのが8時!?えっ?4時間睡眠なの?僕の感覚では夜の8時から12時までが一番なんかいろいろ思いついたり一番頭が働いてて。
へぇ〜!ゴールデンタイム。
そうなんですよ寝れない。
そこはもう寝たらもったいないというか。
でもつらくないですか?つらいです。
いやもうつらくなかったんですけど体力には結構自信あったんで。
ここ2〜3年で一気になんかあれめっちゃしんどいってなってきたんで。
4時間って聞いてうわ〜すごく短いなぁと思って。
だから…3時に寝ましょうにもできると思うんですよ。
はい…。
3時もでも割と遅いですけどね。
変わらないですかね。
3…。
どうですか12時とかどうですか?ありえない感じ?12時に寝てる芸人あんまいないと思いますねぇ。
ああそうですか。
ただこう眠ると記憶も整理されて次の段階にいけるとも言われているので。
ちゃんと寝たほうがこう成長というか。
はい。
次の自分になれるというか。
なるほど。
法律で決めてほしいぐらいですよ。
ハハハッ。
何時間ベッドルームに絶対いないといけないみたいな。
なるほど。
さあ今日はまったんの分もしっかり寝るか!12時に寝る芸人ですから!2018/04/20(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
又吉直樹のヘウレーカ!「“金縛り”はなぜ起きるのか?」[解][字][再]

又吉が時々見舞われる金縛り。もしや幽霊の仕業?実はこれ、科学の力で読み解ける。頭と体の“眠り”が鍵だ。そこで登場するのが「透明なマウス」って一体どういうこと?

詳細情報
番組内容
10代の頃からしょっちゅう金縛りに見舞われたという又吉。疲れや寝不足が原因か?はたまたお化け?科学の視点で見ると、金縛りが起きている時は、頭の中は目覚め、体は眠っているというちぐはぐな状態。ではどうすれば直るの?気鋭の研究者・上田泰己さんが解決法を紹介!さらに、又吉との語らいは上田さんの“睡眠”研究の核心へ!鍵を握るのが世界で初めて実現したという「全身透明化マウス」。又吉、言葉を失う…。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】東京大学医学系研究科教授…上田泰己,【語り】吉村崇

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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