GWに動員150万人!日本屈指のフェス「浜松まつり」の魅力を聞いてきた
ゴールデンウィーク中、浜松のお出かけスポットならこのお祭り!「浜松まつり」です。5月3日・4日・5日の3日間にわたって行われ、人出はなんと150万人!静岡県屈指のお祭りで昼間は凧揚げ、夜は屋台引き回しと練り歩きがメインです。歴史も古く450年前に引間城(現在の浜松城)主の長男が生まれたときに、お祝いをしたのが起源と言われています。特徴のひとつとしては東京の天下祭や京都の祇園祭と違って、神社仏閣の祭礼とは関係ない"市民のまつり"であるということ。浜松っ子の誕生と健康を祝う「浜松まつり」。その背景を実行委員会の方にうかがってきました。
2018/04/19
こんにちは、浜松在住ライターのしまけんです。
今日の本題に入る前に、まずこちらの画像をご覧ください。
昼は凧をあげ、夜は屋台を引き回し、そして街を練り歩く。
すべて、ゴールデンウィークに開催されている「浜松まつり」の一部です。
3日間に渡って開催され、参加者はなんと150万人。
一体、普通のまつりと何が違うのでしょうか?
そこで今回、浜松まつり組織委員会の鈴木さんに、浜松まつりの魅力についてお話を聞いてきました。
浜松まつり組織委員会へ突撃
早速、浜松街中にあるオフィスへ。
そこで出迎えてくれたのが、浜松まつり組織委員の鈴木さん。
島津
「今日は浜松まつりのこと、いろいろ教えてください!」
鈴木さん
「こちらこそ、よろしくお願いします」
島津
「まず基本的なことからお聞きしますが、浜松まつりってどんなまつりなんですか?」
鈴木さん
「浜松まつりは、毎年、5月3日、4日、5日に開催されるまつりです。参加者は毎年約10万人、観光客も含めると150万人程度が参加します。歴史も長く、450年前に引間城(現在の浜松城)主の長男が生まれたときに、お祝いをしたのが起源と言われています。」
島津
「うわ〜、歴史も規模すごい。でも、祭りって、町レベルの規模でやるのが一般的ですよね。人口80万人の浜松市が祭りをやるって一体どういうことなんですか?」
鈴木さん
「いい質問ですね。ライターの島津さんは、知っていると思いますが、そもそも『祭り』と『まつり』の意味は異なります」
島津
「え?(知らなかった)」
鈴木さん
「わかりやすくいえば、祭りは神様のための祭事、まつりは市民のためのイベントです」
島津
「では、浜松まつりは、市民まつりということなんですね」
鈴木さん
「そうなんです。一般的に祭事は、最後に神社に集まったり、神様に感謝の気持ちを伝えたりする時間をとりますが、浜松まつりは時間になったら解散します。また、初日には開会式があるので、それも一般的な祭りとは異なるところですね」
島津
「開会式!地域の運動会みたいで、楽しそうですね。でも、鈴木さん。ちょっといいですか?ずっと思っていたんですけど、浜松生まれ浜松育ちにもかかわらず、僕には浜松まつりの参加権がありません。市民のまつりなのに、これっておかしくないですか?」
鈴木さん
「それは、島津さんの町が浜松まつりに参加していないからですね。浜松まつりは、個人で参加するものではなく、町として参加するものなんです。どんなに参加したくても、町が参加していなければ参加できません。」
島津
「じゃあ、住所変えなきゃ一生参加できないじゃん」
ポイント1:「祭り」と「まつり」は違う!浜松まつりは市民まつり!
糸切り合戦が見どころ
島津
「浜松まつりの風物詩というと、大凧を思い浮かべます。」
鈴木さん
「そうですね。浜松まつりの見どころの1つは、大凧です。町によって凧のデザインは異なりますが、大きく分けて2つの凧があります。1つは、町の凧。どの町も凧を自作したり、業者に作ってもらったりして、この日に備えています。もう1つが、初孫のための凧。浜松まつりは初孫を祝うまつりですので、長男が生まれたら凧を作って揚げるんですよ」
島津
「だいたいどのくらいの凧を揚げるものなんですか?」
鈴木さん
「今年は173の町が参加するので、凧も最大173枚あがります。これだけの数の凧をあげるまつりは、全国でも珍しいはずです。開会式のときに一斉にあげるのですが、空を凧が埋め尽くす様子は圧巻ですよ」
島津
「そんなに一斉にあげたら、電線にひっかかりませんか?」
鈴木さん
「大丈夫です(笑)。凧揚げは、街中ではなく、凧揚げ会場というサッカーグラウンドで行います。周りには何もないので、心配しなくて大丈夫です」
島津
「それならよかった。でも、絡まったりすることはないんですか。だって、一気に揚げるわけじゃないですか」
鈴木さん
「そこはみなさんプロなので、大丈夫です。ただ、意図的に絡めて、糸切り合戦を行うことはありますよ」
島津
「え?わざとですか?」
鈴木さん
「そう、こんな感じに数個の凧糸を絡めて、切り合いをします。この様子は、5月4日と5日に見れますよ」
島津
「うわ〜、これは結構力が必要そう」
鈴木さん
「糸切り合戦はおもしろいですよー!糸をこすり合わせて切るので、終盤になると焦げ臭い匂いがします。『あ〜、そろそろ切れるな』ってわかりますからね(笑)」
島津
「(この人、切り慣れてるな)」
ポイント2:凧揚げは糸切り合戦を見るべし!
屋台を見逃したら人生もったいない
島津
「そのほか、見どころはありますか?まさか、餃子とさわやか食べて終わりじゃないですよね?」
鈴木さん
「もちろん、ありますとも。凧揚げが昼の部だとすれば、屋台と練りが夜の部になります。夜の部は場所を変えて、浜松の街中で行われます。」
島津
「屋台に関しては、全国有数の保有数と聞いたことがあります」
鈴木さん
「そうなんですよね。すべての町が保有しているわけではありませんが、今年は88台の屋台が参加する予定です。それぞれ、木彫りのデザインが全く違うので、見てるだけでも楽しいですよ!最近は、外国人観光客も増えていて、こうした木彫りの彫刻を見に来ているようです」
島津
「屋台も単純に引回すだけじゃないですよね?凧みたいに、何かあるんですか?」
鈴木さん
「屋台は特にありませんね。屋台の起源は、大凧を運ぶために使われていたと言われています。今ではお囃子(はやし)が行われ、小学生の女の子が数人乗り、太鼓などを叩いて演奏します」
島津
「ちなみに、可能なら教えてもらいたいんですけど、だいたい1台おいくら万円なんでしょうか?」
鈴木さん
「大きさによっても異なりますが…。一般的に言われるのが、家を買えるくらいということですね。1つ1つ手作りなので、そのくらいかかってしまうものなんです。だから、新規で作るってことはほとんどありません」
島津
「それだけ手がかかっているものが何十台も一箇所で見られるなんて、得した気分ですね。あと、練りも有名ですよね」
鈴木さん
「練りは浜松まつりの風物詩です。街中を、ラッパを吹きながら「おいっしょ!おいっしょ!」という掛け声と共に練り歩きます。また激練りと呼ばれる、一箇所に集まり激しく練るものもあります。この練りを見たいなら4日がおすすめです」
【参考】浜松祭り 2013 鍛治町激練り
島津
「これは一般の人でも参加できるんですか?」
鈴木さん
「よく聞かれるんですが、一般の方は参加できません。それは凧揚げも屋台も同じです」
島津
「では、一般の人はどう楽しめばいいのでしょうか?」
鈴木さん
「1つは、凧や屋台を見ながら祭りの雰囲気を楽しんでもらうということ。もう1つは、街中で開催される食や音楽のイベントに参加することです。実は浜松まつりのタイミングに合わせて、イベントを開催しています。餃子や飲食の屋台が出ていたり、路上パフォーマンスを行なっていたり、街全体がフェスのような状態です」
島津
「昼から夜までずっと楽しめそう!ちなみに、鈴木さんは参加するんですか?」
鈴木さん
「実行委員の仕事があるため、参加できません」
ポイント3:夜は屋台と練りを楽しめ!
いかがでしたか?
浜松が1年で最も盛り上がる浜松まつり。5月3〜5日まで開催されています。
おまつりの詳細は、浜松まつり公式ウェブサイトで確認できますよ。
またおまつり以外にも、浜松は食を楽しめるところがいっぱい。うなぎや餃子も有名ですが、B級グルメの「遠州焼き」もおすすめです。
GWの予定が決まっていない方は、浜松に来てみてはいかがでしょうか?
浜松のグルメはこちらもぜひどうぞ!
静岡県のお出かけスポットからも探せます!
著者プロフィール
しまけん
浜松在住のフリーランスライター兼編集者。好きな食べ物は、ハンバーガー。静岡のグルメや観光情報の発信から経営者インタビューまで幅広く活動。主な執筆メディアは、静岡のすヽめ、みんなのごはん、ライフハッカー[日本版]。