【実際に15年以上勤務のベテラン元クレジットカード社員に聞いた】学生クレジットカードの審査内容とは?

実際に元クレジットカード社員の方に学生のクレジットカード内容を聞いてみました
クレジットカードの審査はブラックボックスでわからないという学生さんが多いはずです。
今回は特にクレジットカード審査で学生はどのように扱われているのか、実際に元クレジットカード社員の方に伺ってみました。
それでは紹介していきます。
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学生クレジットカードとは?
学生カードは具体的にどんなクレジットカードで、どのような学生が対象になるかを解説します。
学生クレジットカードの対象者
基本的にクレジットカードを作れるのは18歳以上なので、高校生は学生カードの対象にはなりません。
例え18歳以上でも高校生は対象外ですから学生クレジットカードの発行はできません。
学生カードが発行できるのは次の学校に所属する学生となります。
- 4年制大学
- 大学院
- 短期大学
- 専門学校
- 高等専門学校(4・5年生のみ)
上記の中で専門学校には一定の定義があります。
それは専門学校として学校教育法によって都道府県知事の認可を得ているというのが条件となります。
これは卒業によって国家資格や国家資格試験の受験資格を得られる学校という意味でもあります。
具体的に判断する方法としては学校名に「専門学校」「専修学校」という名称がついているのが認可された専門学校です。
「専門校」「専門アカデミー」「専門学院」などの名称で、運営母体が学校法人でなければ無認可の可能性が高くなります。
自分が通っている専門学校が認可されているかどうかは学校に確認するのが確実です。
無認可の専門学校生以外にも研究生・聴講生・科目履修生・語学学校生・予備学校生等は学生カードには申込できません。
未成年は親の承諾が必要
学生カードを申込するときに注意する点としては、未成年の場合は親の承諾が必要という点です。
クレジットカードの申込は法律上の契約行為なので、未成年は単独で契約することができません。
| 保護者の同意 | ||
| あり | なし | |
| 成人 | ◯申し込み可能 | ◯申し込み可能 |
| 未成年 | ◯申し込み可能 | ×申し込み不可 |
20歳未満で学生カードに申込すると、親権者の同意書が送付されるので親権者の署名・捺印をして返送しましょう(カードによっては電話による確認という場合もあります)。
未成年者の学生の場合はこの親権者の同意書がないとクレジットカードを発行できません。
基本的に学生がクレジットカードを発行する時に必要なものを紹介しておきます。
| 保護者の同意 | ||
| あり | なし | |
| 成人 |
運転免許証が無い場合は
|
|
| 未成年 |
|
発行不可 |
クレジットカード申込書では年齢をごまかしたり、親の署名を偽造したりといった行為は法律違反となります。
親に署名してもらう以上の迷惑をかけることになるので、申込書や同意書はきちんとただしく記載しましょう。
なお、未成年かどうかは申込時の年齢で判断するので、もうすぐ20歳になる場合は20歳の誕生日以降に申込む方が親権者の同意がなく審査に入れるので手間がかかりません。
学生クレジットカードの審査
クレジットカードの審査は社会人と学生ではどのような違いがあるでしょうか?
社会人と比較した学生カード審査の実際をご紹介しましょう。
学生クレジットカードの審査内容
まずはクレジットカードの一般的な審査について解説しますね。
クレジットカード審査ではスコアリング方式を採用しています。
スコアリング方式とは、各審査項目に点数を付ける方法です。
申し込み者の情報をこのスコアリング表に照らし合わせ合格点に達した場合にクレジットカードを発行します。
このスコアリング方式には点数を積み上げていく「加点式」と点数を差し引いていく「減点方式」があります。
例えば、カード会社の加点式のスコアリング表はこのようになっています。
| 審査項目 | 申し込み者の状況 | 配点 |
| 職種 | 管理職 | 30 |
| 専門職 | 25 | |
| 事務職 | 20 | |
| 非正規 | 10 | |
| 自営業 | 15 | |
| 勤続年数 | 1年未満 | 3 |
| 1~5年 | 8 | |
| 5~9年 | 14 | |
| 10年~20年 | 19 | |
| 20年~ | 24 |
この配点表の合計がカード会社が定める合格ラインを超えていればクレジットカード発行となるわけです。
しかし、学生カードでも一般カードでもスコアリングの点数だけでなく、審査担当者が申込内容に目を通して最終的な判断をします。
学生の場合、スコアリングの対象となる勤務年数や年収、勤務形態等はないので点数化できずトータル点数は低くなります。
ただし、学生カードの審査ではスコアリングはほとんど無視して、申込者が学生カードの対象か、過去にクレジット事故がないかという点を中心に審査判断をします。
学生カードの審査では、スコアリングは過去にクレジット事故があると大きなマイナスとなるので、それがないかを判断するための意味しかありません。
つまり学生カードの対象学生であって、過去にクレジット事故がなければ、ほとんどの学生は審査を通過します。
学生カードで審査で落ちる・落ちたケース
学生カードでは大学生と専門学校生の違いで審査結果に違いはなく、対象の学生であればすべて同じ扱いとなります。
また、親元を離れている学生も多くアパート住まいも当たり前なので、実家の住所さえわかれば一般カードほど居住形態や居住年数も審査には影響ありません。
それでも学生カードの申し込みで却下されるケースはあります。
最も多いのはすでにクレジットを利用していて、延滞が多かったり未払いがあったりした場合です。
これは学生に限らず社会人でも同じですが、学生がクレジットをすでに利用している比率が低いので、社会人に比べると却下される比率も低くなります。
クレジットカード審査では家族であっても、申込者以外の情報を理由に却下することはできません。
個人情報保護法で申込者以外の情報を取得することも禁じられているからです。
しかし未成年の場合、親権者も契約の当事者といえるので親権者のクレジット事故が理由で却下される可能性はあります。
また、利用枠の関係で却下となるケースもあるので、それに関しては次で詳しく解説しましょう。
学生カードの保有可能枚数と利用限度額
学生カードは一般カードと比べると例外的な要素が多く、一般的なカードとは別扱いという部分があります。
カード利用枠にしても10万円~30万円という範囲で設定されているカードがほとんどで、明確な根拠もありません。
本来であればほとんど年収がない学生に対してクレジットカードを発行すること自体が例外だからです。
もともとの限度額が低いので、30万円が利用限度額であれば増枠申請をしても、それ以上の利用枠は与えられません。
2枚目以降の申込をする場合でも、すでに30万円の利用枠の学生カードを持っていれば、クレジットカード会社によっては却下される可能性があります。
これはカード枚数ではなくカード利用枠のトータルによって判断されます。
学生は基本的には年収があってもパート・アルバイトと同じ程度となります。
そのため他社カードを合わせても高額な利用枠は与えられず、トータル利用枠は最大でも50万円が限度と考えていいでしょう。
50万円の利用枠であれば、10万円のカードならば5枚、30万円のカードが1枚あれば、10万円2枚か20万円1枚ということになります。
つまり、クレジットカードの保有枚数は上限となるカード利用枠によって決まってしまいます。
これは学生でなくても同じで、申込者の年収から利用枠の限度を決めると、保有枚数もおのずと決まります。
クレジットカード利用枠の法的規制
割賦販売法では分割利用ができる利用枠の上限が定められています。
これは自己申告による年収を基準として、他社のクレジットの年間返済額や生活維持費を差し引いて算出します。
割賦利用可能枠=(年収―生活維持費-年間請求予定額)✕90%
学生カードも対象となりますが、専業主婦や学生の年収は基本的に配偶者や親権者の年収を適用します。
さらに同居であれば生活維持費は不要となるので、親権者の年収が高く、年間請求予定額もなければ計算上は高額の割賦利用可能枠を設定することができます。
しかし、これはあくまで分割で支払うことができる利用枠であって、実際のクレジットカード利用枠ではありません。
例えば割賦可能利用枠の上限が100万円と計算されても、実際のカード利用枠が50万円であれば、分割払いが50万円までできるというだけです。
100万円の割賦可能利用枠はあくまで上限であって、必ずその利用枠になるわけではないからです。
反対に割賦可能利用枠が30万円であっても、50万円のカード利用枠であれば、20万円は1回払で利用可能です。
学生だけでなく一般的にもカード利用枠自体には法律的な規制も根拠もないといえます。
クレジットカードの利用枠を決める根拠は、クレジットカード会社の審査基準とカードの種類によって決められているカード利用枠によるものです。
クレジットカード会社のホームページでクレジットカード別にカード利用枠が公開されているので、申込み前によく確かめましょう。
クレジットカード審査で学生を優遇する理由
サービス的にも審査面でもクレジットカード会社が学生を優遇する理由は何でしょうか?
最後にクレジットカード会社が学生を優遇する理由をご紹介しましょう。
学生だけでなく新卒社会人も、本来であれば審査基準未満の勤務年数や年収であっても、審査を通過する可能性は高くなります。
これはクレジットカード会社が年齢の若い会員を求めているからです。
クレジットカードは一度作るとめったに解約をしないため解約率が低いのです。
特に初めて作ったクレジットカードは、利用しようと思って作っている限りそのまま使い続けます。
そのためなるべく若い人たちには、自社のクレジットカードを最初に作って欲しいとクレジットカード会社は考えています。
クレジットカードを作ることができて最も若い年齢層は学生なので、必然的に学生を優遇しているのです。
まとめ
実際に元クレジットカード会社の方に伺ったためかなり詳しい審査内容を知ることができました。
学生さんをはじめ社会人の方でもクレジットカードの審査を通過しやすくするための方法がないこともわかりましたね。
クレジットカードの審査を通過しやすくするために虚偽の申し込みをすることも無駄になるだけでなく、違反行為になってしまいますから正しい内容を記載して申し込みましょう。
ETCカードの発行には、そのETCカードの発行元のクレジットカードが必要です。
学生クレジットカードの優遇サービスは学生時代でなければ利用できません。
審査面でもこれだけ優遇されているので、学生時代はクレジットカードを作る絶好のタイミングです。





