連続テレビ小説 カーネーション(12)「運命を開く」[解][字] 2018.04.18
そやなあ…。
いや〜。
(テーマ音楽)・「小さく丸めた躯は今」・「悲しみ隠し震えて」・「命を表しているのね」・「重く濡らした瞼は今」・「よろこび映す日の為」・「心を育てているのね」
(チンドン屋)本日ここもとにぎやかなる鳴り物あしらいまして口上の儀は木之元電キ店お披露目でございまする。
(木之元)はい食べり食べり。
よし!おう食べり食べり。
ほんで電気ちゅうのはなう〜ん何ちゅうたらええかのうまあ…手品みたいなもんや。
(糸子)手品?うんこれからはな洗濯かて掃除かて電気がするようになんねん。
(子ども達)ふ〜ん…。
あのな一番ごっついんがなラジオちゅう箱や。
うち知ってんでラジオ。
ほんま?
(子ども達)えっ何?何?どんな箱や思う?
(光子)う〜ん何か…ごっついもんが入ってる箱!天狗のうちわちゃうか?飴や!飴がぎょうさん入ってんねん。
飴なんかしょうもないわ。
雲や。
お空の雲!あのな答えはな…人の声やら音が聞こえんねん!中に人も楽器も入ってへんで。
そやのに人の声やら音楽やらが聞こえるんや〜。
(子ども達)ふ〜ん…。
おもろないか?うん何やよう分からへん。
うん分からへん。
どこ行くねん?ちょっと…。
うちもどうせ箱やったらきれいなもんがぎょうさん入っとる箱の方がええなあ。
いやこらな見たら分かんねん!絶対欲しなるて!ほうかなあ?待っててみ。
もうちょっとしたらなここにド〜ン!・新しい時代電気の時代でございます。
(千代)ただいま〜!
(善作)ああ。
おとうちゃんお薬買うてきました。
えっ?おなかの虫下すやつ。
ああ?のんで下さい。
虫下し…。
何でこんなもんのまなあかんねん?
(千代)のんで下さいね。
・
(チンドン屋)さあどうぞ!こちらもそちらも。
(神宮司の娘)そやかて嫌やわ。
小原のおっちゃんうちの顔見る度に「別嬪さん別嬪さん」てお世辞ばっかし言うんやもん。
お世辞とちゃうわ。
ほんまにそない思うてんやて。
嘘や。
絶対お世辞に決まってるわ。
毎度!あっ!ハハハハッ!
(2人)こんにちは。
へえ。
この度は誠におめでとうございます。
あれ?手ぶらで来たんか?反物を持ってきたか思たのに。
へえ…。
すいまへん!どうにもおわびをせんとあかんようになりました。
さよか。
ほんまにすいません。
ハハハハッ!そなもんうちはどうちゅう事ないわ。
別の店に頼んだらしまいや。
それよりもあんたどないすんねん?店畳むんか?
(ため息)お恥ずかしい話ですけど。
うん?まだ…迷てます。
ああ…。
そら分かる。
けどな…やめるんやったら早いうちやで。
商売ちゅうんは一旦つまずいたらどん底まであっちゅう間や。
手ぇつけられへんとこまで落ちてからでは遅いで。
新学期が始まりました。
お父ちゃんからはあれっきりまだ何の許しも出てへんけどちょっと…ほんのちょっとのぞくだけや。
誰にも会わんとすぐ帰るんやさかい何も悪い事ない
(桝谷)ほんなら岡村頼むわ。
(岡村)はい。
よし皆やろか!・おい山口あれ下ろしといてくれ。
・
(山口)はいすみません。
・おい山口それこっちな。
・おい下ろしといてくれへんか。
・
(ミシンの音)
(勘助)お金ないのや。
とってきたらええんじゃ。
俺らも一緒に行っちゃるよ。
あっ勘助。
けどあいつ道で会うたら無視しよるさかいうちも無視したろ
言う事聞かんかってみいやお前どないなるか分かってんやろな?な〜んも考えんとわしらの言うてるもんとってきたらええんじゃ。
お巡り来たら言うちゃるよ。
おう言うちゃる言うちゃる。
(勘助)けど俺…やっぱし嫌や。
はあ?おんどりゃまたこないだみたいな目ぇ遭わされたいんけ?あっ!何じゃ?お前。
小原糸子じゃ!そこのへたれの連れじゃ!おのれらこんなへたれいびって強なったつもりか?なんちゅう腐れ根性しとるんじゃ!わりゃなめとんか!あっイッタ〜。
うっ…砂入った。
待っとくれや。
おりゃ!ああ…うっ…。
ボケ!腐れはおのれじゃ!カス!あ…ああ…。
あ〜!あ〜!あ〜!あ〜!あ〜!あ〜!待て〜!あ〜!ちょっと…糸ちゃん。
(ハル)けんか?女学生にもなって何すんや?怒っちゃらんといて。
俺のせいやさかい。
はあ?俺が学校の奴らにいじめられてんのを糸やんかぼてくれたん。
うっさい!帰れ!帰れ!勘助のアホ!帰れ!
(ハル)糸子どないしたんや?帰れっちゅうてんねん!分かったて。
ほな帰るさかい。
さいなら!
(ハル)糸子お粥さん食べるか?うん…。
どないや?まだ痛いんか?女子が腹蹴られるてどういうこっちゃ?ほっといて。
蹴られたあて蹴られたんちゃうわ。
あんた泣いてんけ?そんなに痛いんけ?痛ない!悔しいんや。
(ハル)はあ?勘助に助けられてしもた。
(ハル)それが何が悔しい?勘助に助けられるようになったらもうしまいや!アホか。
何がしまいやねん?あんなへたれかて…男やちゅうだけでうちより強なってまいよった。
へたれが強なったんや。
結構なこっちゃないか?結構な事ない!何も結構な事ないわ!知らん間に男らだけがどんどん強なっていきよってうち置いてけぼりや。
あんなへたれにかて一生勝たれへんのや。
あんたは女子や。
女子は女子のやる事があらしな。
あんたはほれ…裁縫。
裁縫したらええわし。
お父ちゃんが「あかん」ちゅうた!「アッパッパ縫うたらあかん」て。
(ハル)ほならほかのもん縫うたらええがな。
嫌や!うちはアッパッパが縫いたいんや!桝谷パッチ店で働きたいんや!ミシンはうちのだんじりなんや!何や?「うちのだんじり」て。
うちはだんじりにも乗られへん。
ドレスも着られへん。
ミシンも使えんで…。
勘助にまで負けてしもたんや。
もうしまいや!
(泣き声)
次の朝
座れ。
だんじりが終わったら女学校やめさしちゃら。
その…何ちゃらパッチ店へ行け!え…ほんま?ほんま?どないしよ?ほんま!?ただし働きに行くと思うな。
勉強をしに…。
うれしい!ああどないしよ!?ああ!あ〜!
(善作)聞け!勉強や。
お前みたいなガキが働くなんて100年早い。
勉強しに行くと思え。
お父ちゃんはとにかく「勉強勉強」を繰り返してました。
けどそん時うちはまだ何にもその意味は分かってませんでした
(善作)勉強ばっかりしとっても勉強にならんで。
ソーリャソーリャソーリャソーリャ!来た〜!
(一同)うわ〜!うわ〜!ソーリャソーリャソーリャソーリャ!泰蔵にいちゃ〜ん!泰蔵にいちゃ〜ん!
泰蔵にいちゃんあんな…うちもうちのだんじり乗れる事になってん。
覚えてるか?ミシンちゅうんやで
2018/04/18(水) 16:35〜16:50
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 カーネーション(12)「運命を開く」[解][字]
女学校の帰り、糸子(尾野真千子)はいじめられている勘助(尾上寛之)を助けようとして、逆に負かされる。やりたいことが何もできず、男に負けた悔しさに糸子は号泣する。
詳細情報
番組内容
借金に失敗した善作(小林薫)は、神宮司(石田太郎)の娘の花嫁衣装を用意できず、神宮司に「店を畳むなら早い方がよい」と諭される。糸子(尾野真千子)は女学校の帰り道、いじめられている勘助(尾上寛之)に出くわし、助けようとして逆に相手に負かされてしまう。勘助に背負われて家に帰り着いた糸子は大泣きする。だんじりに乗れず洋裁も禁じられ、男に負けるのが悔しくてならないのだ。善作はその泣き声をじっと聞いていた。
出演者
【出演】尾野真千子,小林薫,麻生祐未,正司照枝,栗山千明,トミーズ雅,石田太郎,濱田マリ,須賀貴匡,尾上寛之,甲本雅裕
原作・脚本
【作】渡辺あや
音楽
【音楽】佐藤直紀
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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