「GINZA SIX」が開業2年目で迎える正念場

オープンから1年未満で撤退するテナントも

開業から1年が経ったギンザ シックス。初年度目標である来場者2000万人、売上高600億円を上回る見通しだ(編集部撮影)

好調なスタートを切ったかに見える巨大商業施設だが、にわかに不安要素が表面化してきた。

東京・銀座中央通りに面するラグジュアリーモール「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が、4月20日で開業2年目を迎える。運営するJ. フロント リテイリング(森ビルや住友商事などと共同運営)によると、来場者2000万人、売上高600億円という初年度の目標を上回る見通しだという。

外国人客の姿が目立つ

松坂屋銀座店の跡地に建設されたギンザ シックスには、240超もの店舗が出店しており、「フェンディ」や「ディオール」といった世界を代表するラグジュアリーブランドが顔をそろえる。

ギンザ シックスの近くにある老舗百貨店「松屋銀座店」にも多くの外国人客が流れている(記者撮影)

高級感あふれる店構えが話題となり、連日、多くの顧客が押し寄せる。特に目立つのが外国人客だ。店内では中国語や英語などさまざまな言語が飛び交い、店頭で記念撮影をする外国人客もいる。また、ギンザ シックスを訪れた外国人客は老舗百貨店の「松屋銀座店」や、2016年3月に開業した「東急プラザ銀座」など周辺の商業施設やレストランにも流れている。

「銀座エリア全体の発展に貢献できているのではないか」。4月10日に行われた2018年2月期決算説明会の席上、Jフロントの山本良一社長はそう言って胸を張った。

いまや銀座の新たな“顔”ともいえるギンザ シックス。だが、その一方で「2年目以降は相当に厳しい運営になるのでは」と、今後の動向を不安視する業界関係者は少なくない。

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  • NO NAME6913eaee913c
    庶民なのにGINZA SIXに行くのですが、確かに1F、2Fにある高級から超高級なショップにはほとんど入ったことがありませんね。
    3Fより上のフロアに上がると普通からちょっと高級めなブランドのショップやインテリア、雑貨等のショップも多くなり数千円から数万円の物も売っていてホッとする自分がいます。周りを見て「あの人もホッとしているね!」と思えるお客さんが上に行くほど増える感じがします。スタバでほっこり。

    まあ、私はあまり似つかわしくない客ですね。でもそんな商業施設が存在出来るのも銀座の凄さだから、是非このままでいって欲しいです。これもひとつの文化ですね。
    up30
    down2
    2018/4/20 07:20
  • NO NAMEd0f30a00897e
    まあ、似たような構成と構造の百貨店を並べるよりは、GINZA SIXのような施設の方がまだ存在意義は在るんじゃないの
    up16
    down2
    2018/4/20 07:26
  • やまだb6b34e50129e
    問題点を探せばいろいろあるだろうが、では既存の百貨店は今の業態でいいのか。既存の業態には文句をつけ、新しい業態には疑問符を付け、これでは何も育たない。私は面白い商業施設で、東京が世界一流の都市を目指すならこういう試みがあって良いと思う。問題点を改善しつつ頑張ってほしい。

    up13
    down2
    2018/4/20 09:02
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