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 イーサネットには様々な速度の規格がある。パソコンやサーバー、LANスイッチといったイーサネット対応機器は、相手がサポートする速度の情報をやり取りして、適切な速度を自動的に選択する「オートネゴシエーション」と呼ぶ機能を備えている。その仕組みを見ていこう。

オートネゴシエーションの仕組み
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 100Mビット/秒のイーサネット(以下、100Mイーサネット)以降に対応した機器同士をLANケーブルでつなぐと、それらの機器は「FLPバースト」と呼ぶ33個のパルスを送信する。

 イーサネット機器は、お互いがサポートする速度をFLPバーストで伝え合う。そして、共通でサポートする最も高い速度を採用する。

 FLPバーストの33個のパルスのうち、奇数番目にある17個のパルスを同期用に使い、偶数番目にある16個のパルスをデータに使う。1個のパルスで1ビットの情報を載せられるため、1個のFLP バーストで16ビットの情報を運べることになる。

 10M/100Mイーサネットまでは規格の種類が少なかったため、16ビットである1個のFLPバーストでも十分だった。しかし、1000BASE-Tの登場で、1個ではビット数が足りなくなってしまった。そこで、FLPバーストを二つ使うことになった。1個目のFLP バーストを「ベースページ」、2個目を「ネクストページ」と呼んでいる。

 その後もイーサネットの速度はどんどん増えていったため、ページ数はさらに追加されていった。

非対応の機器でも自動的に決定

 10M/100Mイーサネットのみをサポートするネットワーク機器は、オートネゴシエーション機能を搭載していないものもある。こうした場合に自動的に速度を決める「パラレルディテクション」という機能がある。

 パラレルディテクションでは、フレームを送信していないときに流れるパルスや信号に基づいて対応速度を判断する。

 10Mイーサネット機器は、フレームを送信していないときも、NLPと呼ぶパルスを常に送出している。相手はNLPを受け取ることで10Mイーサネットだと判断できる。同様に100Mイーサネット機器は、フレームを送信していないときに常にアイドル信号を送っている。これで100Mイーサネットだとわかる。