この記事は日経 xTECH登録会員限定ですが、2018年4月20日17時まではどなたでもご覧いただけます。
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2018年4月19日、パブリッククラウドとの連携が容易なプライベートクラウド製品「HPE Synergy with VMware Cloud Foundation」の販売を始めた。同社のモジュール型サーバー/ストレージ・システム「HPE Synergy」と米VMware(ヴイエムウェア)のクラウド基盤ソフト「VMware Cloud Foundation(VCF)」を一体提供する。
HPE Synergy with VCFは、「既存の仮想化環境を管理しつつ経営層や事業部門のクラウド活用ニーズに応えるという、IT部門の苦労を解消する」(日本HPEハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅執行役員)製品という位置付け。HPE SynergyがVCFの認定を受けて提供する。
HPE Synergyはモジュラー型のサーバー/ストレージインフラ製品。ブレード型のサーバーとストレージをネットワークスイッチを介さずに内部インタフェースでつなぎ、管理モジュールが動的に構成を変更できる。VCFは、仮想サーバーの「VMware vSphere」や仮想ストレージの「VMware vSAN」、管理ツール「VMware SDDC Manager」などでIaaSを構築するミドルウエア。仮想マシンやアプリケーションのひな形に応じて、ハードウエア面をHPE Synergyの管理ツール「HPE OneView」が、ソフトウエア面をVMware SDDC Managerが、それぞれ自動構成する。
HPEが提供中のPCサーバーベースのVCF採用製品と比べると、HPE Synergy with VCFは高密度かつ高速という。7ノード構成時の比較で、従来は高さ42Uのラックまたは高さ17Uのスタック型での提供だったが、HPE Synergy with VCFでは高さ10Uの専用シャーシに収めた。また、HPE Synergy with VCFではネットワークスイッチが不要になり、背面の基板(バックプレーン)経由の接続で1ポート当たりの帯域を10Gビット/秒から20Gビット/秒と倍増させた。
VCFは米アマゾンウェブサービス(AWS)の「VMware Cloud on AWS」や米IBMの「VMware on IBM Cloud」、富士通の「FUJITSU Cloud Service K5」といったパブリッククラウドサービスが採用済み。発表会に臨席したヴイエムウェアの山中直上級執行役員副社長は「VCFを使えばマルチクラウド対応が容易」とし、パートナー数を背景にした強みを語った。
価格はサーバーモジュール4台と10Tバイトの実効ストレージ容量の最小構成で4010万円。使用状況に応じた従量課金制の「HPE GreenLake」契約でも販売する。