【追記あり】痛いニュース、ハム速、はちま、JIN……公文書改ざんで再燃の森友問題、大手まとめブログは全力で朝日新聞と野党を叩いていました
森友学園問題の発覚から1年を経た今、まとめブログはより悪質になっていました。詳細は以下から。
◆大きく再燃した森友学園問題、まとめブログはどう扱ったのか
今回Buzzap!編集部で調査したのは、「痛いニュース(ノ∀`)」「ハム速」「はちま起稿」「オレ的ゲーム速報@JIN」の4つ。いずれも月間ページビュー1億を突破する大手サイトで、その影響力は絶大。
公文書改ざんが発覚した2018年3月1日~20日20時までの期間、森友学園に関連する記事はどれだけ掲載されたのでしょうか。
・痛いニュース(ノ∀`)
まずは痛いニュース。公文書改ざん問題や森友学園に直接関連する記事は1つもありませんが、辻元清美議員の生コンデマを元にした記事なら掲載されています。
痛いニュース(ノ∀`) : 『連帯ユニオン関西生コン支部』に強制捜査! 一部野党に激震 - ライブドアブログ
その後に掲載された記事も、辻元議員を叩く内容に。繰り返しますが、森友関連の記事はほかにありません。
痛いニュース(ノ∀`) : 【立憲民主党】 辻元清美氏「なぜ『いいね!』を押したのか、証人喚問でお聞きしたい」 - ライブドアブログ
コメントを選別しているのはもちろん管理人。自分でコメントを書いて自分でまとめる自作自演すらできる以上、「まとめ」に掲載されたレスは管理人の意見そのものと考えたほうが正しいわけです。
純然たる事実として発覚している公文書改ざんを無視し、国有地の値引きなどを行えるはずもない野党が森友学園問題を仕組んだという、かなり無理筋な陰謀論を真実であるかのように記事にする痛いニュース。その意図がどこにあるかは、考えるまでもないと思われます。
・ハム速
森友学園問題が発覚した当時から、実態調査を行った民進党議員を叩く記事を掲載するなど、片山さつきからエールを送られただけのことはある動きを見せていたハム速。今回真っ先に行ったのは朝日新聞の公文書改ざんスクープを否定することでした。
朝日新聞「証拠無いけど森友学園の書き換えを確認した!」北村弁護士と八代弁護士が論破してしまう「何も証拠を出さず疑惑だと報道する朝日新聞が立証責任を放棄」:ハムスター速報
この1年、「首相応援団」と言っても過言ではない人々から「フェイクニュース」「報道犯罪」などと罵られながらも、公文書改ざんの事実を掴んだ朝日新聞。ジャーナリズムをテーマにしたドラマのような展開ですが、ハム速はとにかくその信頼性を毀損することに必死です。
もちろん野党叩きも苛烈に。「ゴミ野党」という単語すら平気で踊ります。
【悲報】立憲民主党等のゴミ野党、森友関係ない審議まで拒否して仕事サボり開始wwwwwwwww ※年収2000万円:ハムスター速報
ネットにあふれる「愛国者」たちとほぼ同じ論調をテレビで垂れ流すことでおなじみの吉本興業・小藪千豊の発言も記事に。全体的な記事の傾向として「野党とメディアは印象操作をしている」という印象操作に躍起です。
【動画あり】小藪千豊「森友学園文書について印象操作をする野党と報道は汚い。正々堂々と戦ってほしい。」正論を野党議員にぶちかましてしまう:ハムスター速報
また、「改ざん内容に問題は無かった」という主旨の記事すら掲載していますが、さすがに首相夫人や政治家の名前付きでまとめられていた経緯が丸ごと削除されている時点で、問題がなかったというのはあまりに無理筋。
メディアを「マスゴミ」と揶揄していますが、印象操作や事実誤認をあえて多用し、「とにかく野党とメディアが悪い」という論調に誘導するハム速の姿こそ「ゴミ」と罵られるべきではないでしょうか。
・はちま起稿
ゲームハードユーザー同士の対立を煽るだけにとどまらず、差別団体「在特会」元代表を好意的に取り上げるなど、人種・民族・イデオロギー間での対立を煽ることにしたシフトしたはちま起稿。
1年前に森友学園が本格的に問題化した際、現地調査に向かった民進党議員をいの一番に「税金泥棒」と非難してみせていましたが、公文書改ざん問題が取りざたされて初めてアップされた記事は、立憲民主党の議員叩くものでした。
立憲民主・福山哲郎議員「もうモリカケ問題は嫌だ!追及しているほうが悪いのか!?」 : はちま起稿
産経新聞の記事をソースにした同記事ですが、はちま起稿自らがピックアップした「この記事への反応」は、立憲民主党への非難一色。
はちま起稿によるコメントもこんな感じ。証人喚問を拒否し、書類を改ざんするなどして真相究明を妨げ、時間と税金を浪費しているのは、少なくとも野党ではないと思われますが……。
記事中で引用されている動画も「反日プロパガンダを斬る」などの見出しが躍る、どういう立ち位置なのか一目で分かる投稿者によるものです。
日本の政治 CHANNEL - YouTube - YouTube
ハム速同様、とにかく朝日新聞の公文書改ざんスクープの信憑性を毀損することに躍起なはちま起稿。もはやなんでもありです。
改ざんが事実であることが確認され、旗色が悪くなってからは「とにかく政権へのダメージを少なくしつつ、野党を叩いて援護射撃」に。
・オレ的ゲーム速報@JIN
1年前、森友学園問題を完全スルーしていたオレ的ゲーム速報@JINですが、今回は満を持して参戦。朝日新聞の公文書改ざんスクープがいよいよ真実味を帯びてきたタイミングに、朝日新聞を「一番信用できない新聞」とする記事をアップしています。
「一番信用できない新聞は?」 ツイッターでアンケートをとった結果○○が8割超えしてしまう : オレ的ゲーム速報@刃
その後は森友学園を問題視している人に義がないかのような記事を展開。ハム速同様、吉本興業・小藪千豊の発言を用いた「野党とメディアは印象操作をしている」という印象操作記事ももちろんあります。
内閣支持率が急落した際も「安倍内閣支持率、急落!!野党が森友問題で打撃を与えることに成功!!」と、嫌味たっぷりのタイトルでお届け。
管理人による「情報弱者は首相が悪いと思い込む」と言わんばかりのコメントが掲載された後……
野党を叩くためなら問題のすり替え、デマ、曲解なんでもありのアカウントによるツイートがベタベタと貼られています。あまりにも露骨です。
それどころか、それらのツイートを元に記事まで作ってしまう始末。
【森友文書改ざん】野党による印象操作の証拠が次々とネットに公開されプチ祭りに、森友問題動画まとめ : オレ的ゲーム速報@刃
ここで1年前、報道の自由度ランキングが先進国最低基準に低下したことや、電波法による停波発言などでメディアが萎縮していることについて、オレ的ゲーム速報@刃が掲載したコメントを振り返ってみましょう。
◆いくらなんでも足並みが揃いすぎていないか
「まず朝日新聞の公文書改ざんスクープを全力で否定し、政権が改ざんを認めざるを得なくなってからは問題の矮小化や野党叩きで援護射撃する」という流れが確立しているハム速、はちま起稿、オレ的ゲーム速報@刃。
昨年2月下旬に森友学園問題を各サイトがどのように扱っているのかという検証記事を載せた際は、なぜか掲載した途端に痛いニュースおよびオレ的ゲーム速報@JINが与野党に関する記事掲載を完全ストップさせるなど、サイトごとに編集方針の違いが明確でした。
しかし今回、公文書改ざん発覚で疑惑がより色濃くなったにもかかわらず、朝日新聞がスクープを掲載してからの流れは難癖の付け方を含め、あまりにも横並び。
日本青年会議所(JC)が仕掛けたネット工作「宇予くん」でもウェブ系広告代理店が関与していたこと、億を超えるまとめブログのPVでは、より多くのお金が動かせること、なによりはちま起稿がいつの間にかDMM→広告代理店へと売却が重ねられていたことを考えると、世論誘導案件であっても何ら不思議ではありません。
彼らが揶揄する「マスゴミ」よりも、遙かに大きく恣意的に編集された情報を無検証・無校正で垂れ流すまとめブログ。昨年検証記事を掲載した際、Buzzap!では以下のような懸念を掲載しましたが、改めて省みる必要があるのではないでしょうか。
このまま放置しておけば、与党に批判的な勢力への嫌悪感を毎日毎日「二分間憎悪」のように擦り込まれ続けた若年層は、間違いなく政治的に強く偏ることでしょう。◆「PV重視でそういう記事傾向なだけ」ではない(3/23追記)
読者から「PVを重視した結果、そういう記事ばかりが取り上げられるようになっているだけではないか」という指摘がありました。確かにまとめブログはあえて煽るようなタイトルで記事化し、火の無いところに煙を上げるどころか、ガソリンを撒いて大炎上させてきた媒体です。
森友学園問題発覚当初、愛国幼稚園で園児たちが「きょーいくちょくごっ!!」と元気良く教育勅語を暗唱したり、「屍(かばね)」という単語が入る軍歌を歌う光景のインパクトはすさまじく、アクセスを稼げるネタの宝庫でした。しかし、各まとめブログは当時問題を完全スルーしています。
開成幼稚園 教育勅語・愛国行進曲・日の丸行進曲ほか - YouTube
幼稚園副園長による「炭酸飲料を飲ませる=韓国人」という支離滅裂な差別発言も、まとめサイトのメソッドであれば「【驚愕】アメリカ人は韓国人だった!」などのタイトルで記事化できそうなもの。アクセスを集めやすい「定番」である韓国ネタを、まとめブログが外す時点で違和感たっぷりです。
「〇〇ちゃんら(園児の名前)にましてや1歳の子にコーラやファンタを飲ませているとききましたが、それでも親ですか」「韓国人とかは、整形したり、そんなものをのんだりしますが、日本人はさせません。根っこが腐ることを幼稚園では教えてません」ジャーナリスト・菅野完氏が公開した愛国幼稚園での運動会における園児たちの「宣誓」の模様もどこか別の国での、児童によるマスゲームのような感があるわけですが、まとめブログはとにかく民進党叩きに血道を上げていました。
宣誓いつもと明らかにスタンスが異なるからこそ、気にならざるを得ないまとめブログの動き。本当に杞憂で済ませられるものなのでしょうか。
あついあつい夏がすぎて、ぼくたちわたしたちの待ちに待った、平成27年度 秋の大運動会がきました。
(中略)
おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんの前で、褒めていただけるよう、全力をつくします
大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている、中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願い致します。
安倍首相、ガンバレ! 安倍首相、ガンバレ!
安保法制国会通過よかったです!
僕たち、私たちも、今日一日、パワーを全開します
日本ガンバレ!えいえいおー!
【【追記あり】痛いニュース、ハム速、はちま、JIN……公文書改ざんで再燃の森友問題、大手まとめブログは全力で朝日新聞と野党を叩いていました】を全て見る