テーブルマークこども大会OB紹介
藤井聡太六段 ー 2011年度東海大会低学年部門優勝 ー
2017年、公式戦で29連勝を果たし、日本に将棋ブームを呼び戻した藤井聡太六段。超然としたキャラクターが話題を呼び、将棋ファンだけでなく日本中で愛されるまでになりました。そんな藤井六段、実は「テーブルマークこども大会」に出場した経験があるのです。そこで今回のインタビューでは、その素顔と強さの秘密に迫りながら、参加を検討している皆さんへのメッセージをいただきました!
本記事は2017年10月時点のインタビューに基づいたものです。
段位は2018年4月1日現在のものです。
まずは強さの秘密を知るため、5歳で将棋を始めてから今日までの約10年を振り返りながら今後についても伺いました。普段からどんなことを考えながら生活をしているのか……? 話を聞くうちに、周りに流されず貪欲に“好き”を追求する勝負師の姿が見えてきました。
まずは、将棋を始めたきっかけから教えてください。
祖母にもらったおもちゃで一緒に将棋を始めたのがきっかけです。祖母と初心者同士遊んでいるうちに祖父にも勝てるようになり、どんどん楽しくなって将棋教室に通い始めました。
では、本格的に将棋にのめり込んだのはいつごろでしょうか。
小学3年生のときに「全国小学生倉敷王将戦」と「将棋日本シリーズ こども大会」東海大会で優勝したことで、上でやっていける自信が出たんです。そのころから本気でプロを目指すようになりました。
プロを目指すなかで挫折を感じたことはありましたか?
奨励会に入ってから負けが続いた時期があって、そのころが一番辛かったですね。それまで将棋が好きという一心でやってきたので……。
やめたいとは思いませんでしたか?
それはないです。
なぜでしょう?
うーん。笑 そうですね……。負けを引きずらないで、それまでと変わらず「将棋が好き」という気持ちでやってきたからでしょうか。
では、達成感を感じた出来事は?
将棋は約10年やってきていろいろな発見があるので面白いですが、達成感を感じたことはまだないですね。勝てたときはうれしいですけど、まだまだ現状の自分の将棋に満足はしていないですから。今も変わらずにずっと上を目指しています。
史上最年少プロ棋士として最年少でのタイトル獲得も期待されていますが、
プレッシャーは感じますか?
期待していただいているのは感じます。でも、すぐに結果を求めても苦しくなるだけなので、今は焦らず自分のペースでじっくり力をつけることが大切なのではないでしょうか。
プロである以上、タイトルは目指すところ……とは言っても、自分がどれだけ強くなれるか次第ですからね。
対局前の過ごし方、例えば、ルーティンワークなどはありますか?
奨励会に入りたてのころは前の日から緊張していましたけど、さすがにもう大丈夫になりました。笑 やっぱり普段通り過ごすことが良いと思いますし、必ずやることは特にないですね。今は何もしなくても平常心で対局に挑めています。
将棋を始めてからここに至るまで約10年という早さですが、どのように感じますか?
自分としては駆け足で来たという感覚はないんですよ。将棋が好きでやってきた結果、自然とこの場に立っていた、という感じでしょうか。はい。
今後、どのような棋士になりたいと思いますか?
実力をつけてもっと上を目指して、今よりもっと多くの方に将棋の魅力を伝えることができる存在になりたいですね。
最後に、2018年の目標を教えてください。
棋士として今まで以上に上を目指すのはもちろん、2018年から高校という新たなステージに進むので、人間としてももっと成長できる年にしたいと思っています。そして、皆さんの期待に応えられるように頑張ります。
全国の将棋キッズから寄せられた質問に、藤井六段が一問一答形式でお答えします!
- 将棋の練習は1日どのくらいしていますか?
- 平日は3時間から4時間です。
休日は休憩をいれながら6時間から7時間は練習します。 - 練習方法を教えてください。
- 一人で練習することが多いです。
もっぱらリビングのパソコンで、AIソフトなども利用しながら、練習をしています。 - 集中力をつけるコツはありますか?
- 集中するときと少し緩めるときのメリハリをつけるようにしています。
僕も長い対局中ずっと集中してはいられないですよ。 - 将棋をしていないときの過ごし方は?
- 棋譜中継アプリを見たりしています。将棋のことを考えている時間が多くて……他には特にこれといって何もしていないかもしれません。笑
- 勉強との両立はどうしたら上手にできますか?
- 勉強は学校の授業を集中して聞いて、家では将棋ができるようにしています。完璧じゃなくてもなるべく授業中に理解できるように努力します。
初出場は幼稚園の年長のときで、両親と行きました。すごく大規模な大会で会場も大きくて壮観でした。そのときはたくさんの参加者がいるなかでベスト16に入れてうれしかったです。自信にもなりました。
両親に聞いた話ですが、対局前、相手全員に「僕8級だけど、キミ何級?」って聞いていたそうです。笑
ベスト16でも対局相手に聞いて、「二段」って返されたことで萎縮してしまったと。笑 終始きまりが悪そうにしていたらしいです……。
↑小学生当時の藤井六段
2010年小2 準優勝/2011年小3 優勝
『将棋日本シリーズ』は「JTプロ公式戦」と「テーブルマークこども大会」合わせて、一日中将棋の魅力を存分に感じられます。実力に関係なくみんなが参加でき、それぞれの楽しみ方ができる大会だと思います。ぜひ、最後まで楽しんでください。
『将棋で「ココロ」を育てたい。』をテーマとして、“指して学ぶ”「こども大会」と、“見て学ぶ”「プロ公式戦」が同日同会場で開催されます。
たくさんのお友だちと楽しく将棋を指しながら、礼儀作法や集中力、考える力などを身につけられるのがこの大会の魅力。こどもから大人までまるごと一日楽しめるイベントが盛りだくさんです。ぜひ、ご家族でご参加ください。