「半分、青い」 第16回
第3週 「恋したい!」
出会ってしまった系の・・・恋?
<公民館の集会所>
瞳) どうぞ。
ブラジルの代表的なカクテル、カイ
ピリーニャです。あちらに、ブラジル
料理、シェラスコ、フェジョアーダ、
ポンデケージョなど用意しておりま
す。よろしければ。
晴) どれが、シャラスコ…?
(シェラスコの肉を切りながら、
晴に微笑みかけるトオル)
瞳) こちらは、ブラジルの
代表的なお酒ピンガーです。
仙吉) ありがとう。
瞳) あっ、そちら様も…。
宇太郎) あっ、どうも。
あっ、この間は…。
瞳) え? フフフッ。
宇太郎) いえ、何でも…。
(卯太郎と瞳を見る晴)
宇太郎) 知らない人。うん、知らない。
**********
司会) 皆さん、ぎふサンバランド
ダンサーズの、登場で~す!
皆さん、今日はお集り下さり、
ありがとうございます! まずは、
ぎふサンバランドを体感して頂こ
うと、このようなものをご用意した
次第です! 飲んで、食べて、そ
してよろしければ、踊って下さい!
オレ~!
**********
<喫茶・ともしび>
鈴愛) 嘘…。
菜生) ごめん、本当や。
まさこ) はい、クリームぜんざい。
菜生) おっ、うまそ!
鈴愛) 今、ごめんって言った。
何で謝った!?
菜生) 頂きます。
鈴愛) 私がモテないからか!?
自分だけ先越したからか!?
菜生) いや、鈴愛、かわいいよ。
鈴愛) かわいくても、ミテない。
菜生) かわいいという自信はあるんや。
鈴愛) 見せて…。見せて!
見せて見せて見せて見せて見せて!
菜生) 何回も言わんでも
1回で見せたるやん。
(木田原菜生さんへと書かれた封筒)
あらあら菜生ちゃん、
付け文をもらったんですかね。
あっ、今、ちょっと年がバレましたね。
死んじゃっといて年も何もない
もんですけどね。ウフフッ。
鈴愛) フフフ…。けなるい~!
菜生) けなるいやろ~!?
【けなるい】
うらやましくて狂おしいほどだ
(手紙の匂いを嗅ぐ鈴愛)
菜生) うわっ、何で匂い嗅ぐ?
鈴愛) 青春だ。
甘酸っぱい匂いがする。
菜生) え~? ええ匂いするな…。
鈴愛) するやろ?
**********
<公民館>
司会) カーニバル広場を抜けますと
次に現れるのが、ファミリーゾーン
です! ここでは、ブラジルの動物
達に直接触れる体験。カピバラや、
アルマジロなどです。
宇太郎) 何や? 何で西園寺さん、
あっちに座っとるんや?
晴) 土地…土地やない?
宇太郎) 土地?
晴) うん。あの西町の清水が森って、
西園寺さんとこの土地やない?
弥一) そこ、
もう話は決まってるって事ですよね。
和子) それとも出資、しとったりして…。
スポンサー?
宇太郎) 一枚かんどるね、あれは。
司会) さて、物産館では、
岐阜と、ブラジルの、フュージョン!
ブラジルの特産物、マテ茶や、アサイ
ーと並んで、ふくろう商店街の、五平
餅や、くりきんとんを、販売致します!
西園寺) ちょっと! ちょっとちょっと、
ちょっとちょっと、あのね…。
私、この商売長いけどもね、こんな
うまい話はないと思うんだよね!
梟町の駅からシャトルバスが出る!
ふくろう商店街という、何の変哲も
ない商店街が、これ、もう一歩上に
行けるチャンスでしょ!
瞳) そうです~! ふくろう商店街は、
ぎふサンバランドによって、個性を
持つ事ができます。花の都パリの
ように、情熱のふるさと、ふくろう商
店街とか。お祭り、特売セールなど
の時には、当ランドの、サンバダン
サーズが、出張して応援致します!
(拍手)
瞳) オレ~!
和子) 何やろ。この、押されれば
押されるほど引く感じ。
晴) ああ、何や知らんけど、分かる。
**********
<萩尾家>
律) 無理なんやない?
龍之介) やっぱそう思う?
俺もちょっとそう思うんだよね。
父ちゃん、こんなもんまで
作ってまって…。これあげる。
(ぎふサンバランドのパンフレット)
律) だって岐阜県人保守的だよ。
貯金額多いよ。借金しないよ。
龍之介) つながっとんのか? そこ。
律) つながっとる。
恥かしがり屋さんなんだから。
龍之介) そうだよね。
サンバなんか誰が踊るっていう。
いや、俺が踊る!
律) は?
龍之介) 来年俺、
どこも受からんかったら、ここで
ダンサーになるのかな。あ~!
いいよな、亀は!
将来考えんでもよくて! あ~…。
あれ? これ、この前の美少女や。
律) 鈴愛が描いてくれた。
龍之介) へえ~。いい絵やな。
この人に会えた? もう一回。
律) まさか。
龍之介) いいの? 会わんくて。
律) 運命を静かに待っている…
なんつって。
**********
<楡野家>
テレビ) 「オーケー!
お前らの気持ちはよ~く分かった!
お前らを待ってるお嬢さん方は、あ
ちらにいる!」。「お~!」。「しか~
し、おめえらが見る前に、恒例の…」
(テレビのスイッチを切る鈴愛)
鈴愛) ああ…アイタッ!
(寝転ぶ鈴愛)
草太) うわっ!
トドみたいに寝とるんやもん。
鈴愛) 湯あたりした。
草太) 大丈夫?
また風呂ん中で漫画読んだやろ。
鈴愛) うん。あっ、ねえ、風鈴つけた。
草太) おっ、早いな。
鈴愛) 梅雨明けたし、
早めに夏を迎えに行く。
草太) 何言っとる。
今週の「コンパニャー」、見たいよ。
鈴愛) やめて。
高校生最後の夏が来る。
草太) はあ…。
鈴愛) 最後の夏休みだ。
草太) 短めで。
鈴愛) は?
草太) 何か話始まるんやろ?
短めで頼む。
鈴愛) みんな恋をしている!
草太) そっち!?
高校出てからの進路とかないんか?
鈴愛) 私はどうせバカだ。
どこも受からん。悩んでもしかたの
ない事は悩まないのだ。
草太) そうですか。
鈴愛) 草太…。
お姉さんは、この夏で18になります。
草太) はい。私ももうすぐ17です。
鈴愛) 君の話はいいのだ。
草太) すいません。
鈴愛) 最後の砦だと思ってた
菜生がさあ…裏切ったんや。
草太) 裏切った?
鈴愛) こ~んな分厚いラブレター
もらってさ、つきあいだした。
草太) まあ、菜生ちゃんそこそこ
かわいいもんな。
鈴愛) 私はかわいないか?
草太) 姉ちゃん、怖い。
鈴愛) あ~あ…。このまま何にも
ないまま終わるんかなあ。
私に恋とかいうやつはないんか。
草太) 恋っていうのは、探すもんじゃ
なくて、出会ってしまうもんなんや。
鈴愛) ん?
草太) 恋は、するもんじゃなくて、
落ちるもんなんや。
鈴愛) 落とし穴か? 私の周りには
落とし穴が一個も掘ったらへん!
草太) 姉ちゃん、そんな事言っとるで、
律にいちゃんの好きな子の絵なんか
描いちゃうんだよ。
鈴愛) あ~訳分からん。
あっ、ねえ、恵ちゃんとはさ、
ほんじゃあれ? 出会ってしまったの?
草太) 何で知っとる?
鈴愛) えっ、お母ちゃんに聞いたもん。
あんたお母ちゃんには言うんやね。
草太) 姉ちゃんには言わん。
姉ちゃんの口は羽より軽い。
仙吉) 何だ何だ、何の話や?
鈴愛) あっ、お帰んなさい。
草太) お帰りなさい。
鈴愛) あれ?
お父ちゃんとお母ちゃんは?
仙吉) まだ飲んどる。ともしびで。
何や鈴愛、
こんなとこで寝とったんか?
鈴愛) うん。風鈴の音聞きながら
タオルケットで寝てると、
昔を思い出す。
草太) ああ、昔よくここで昼寝しとった。
鈴愛) あっ、今日説明会やったんやね?
ぎふサンバランド。
(サンバランドのパンフレットを見る鈴愛)
草太) これか…ぎふサンバランド。
鈴愛) おじいちゃん、あれ歌ってよ。
子守歌。
仙吉) ん?
草太) 俺たちの子守歌。
**********
<商店街>
宇太郎・晴) ♪夢はいまも
めぐりて 忘れがたき故郷
(手をつないで歩く宇太郎と晴)
晴) ここに、サンバランド行きの
シャトルバスが通るんか。
宇太郎) どうなんかなあ。
晴) どうなんやろうね。
でも私は、ウーちゃんがいたら、
どこだってふるさと。故郷。
宇太郎) え?
晴) ウーちゃんのいるところが、
私の、ふるさと。
宇太郎) フフフ…。
何や晴さん、酔っ払いかあ。
晴) フフフッ。
**********
<楡家>
(台所の椅子に座り、歌う仙吉)
仙吉) ♪いかにいます 父母
恙なしや友がき
雨に風につけても
(居間で眠っている鈴愛と草太)
仙吉) ♪雨に風につけても 思い
あの時分は、不思議なもので、
ともすると子供に戻りたいような、
早く大人になりたいような…
**********
そしてその朝も、鈴愛は、
一時間に一本しか来ないバスを、
いつものように待っていました。
(目の前を自転車で通りすぎる男子)
(道路に落ちるカセットテープ)
鈴愛) あっ。あっ、あっ!
あっ、待って! これ!
(カセットテープを拾って追いかける鈴愛)
鈴愛) 待って!
これ…これ落としました!
ねっ、ちょっと、あなた!
これは、もしかして…
出会ってしまった系の?
鈴愛) これ落としました!
ねえ、ちょっと…。
鈴愛もとうとう…運命の…!
(振り向く男子)
えっ?
び…微妙…
小林) え?
(通り過ぎてゆくバス)
**********
菜生ちゃんがもらった分厚いラブレターの
一枚目。お相手は西高校の高橋君らしい。
はじめまして。
突然のお手紙すみません。
西高校の高橋です。
いつも通学途中であなたを見かけていて、
一目見たときからずっと気になっていまし
た。最近は気がつくといつもあなたのこと
を考えるようになっています。僕の想いを
少しでもあなたに伝えられたらと思い、
柄にもなく筆を執りました。
つたない言葉ですが、あなたへの
気持ちを思いの限り書きました。
最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
あなたは僕と初めて会ったときのことを
覚えていますか? 僕は今でもはっきり
と覚えています。ちょうど1年前の6月、
前日の晩から続いた雨と蒸し暑さで憂鬱
な気分のまま学校へと向かうときでした。
楽しそうな笑い声が聞こえてきたので、
僕はさしていた傘を傾けて声がする方に
少し耳を向けてみました。
け~な~る~い~~~!(知らんけどw)
これは…身悶えするわ~。けなるいわ~。
いいな、いいな、菜生ちゃんズルイ!って
口走ってまう(一体何がズルイのか謎w)。
青春の匂いがするする~! 甘酸っぱ~い、
レモンの、カルピスの、初恋の匂いがする。
恋っていうのは、探すもんじゃなくて、
出会ってしまうもんなんや。
恋は、するもんじゃなくて、
落ちるもんなんや。
草太はもう、出会ってしまっているのね…。
おばちゃんは寂しいぞ。まだ落ちてほしくな
かったぞ。天使の草太でいてほしかった~。
なんかね、ホント、キュンキュンみぞみぞす
るよ。この道は~いつか来た道、通る道~。
妄想と願望…めくるめく恋に恋するお年頃。
鈴愛が走って追いかけた、カセットテープの
君は…び、微妙~というか、絶妙に、微妙w
でもね、何もないよりは、微妙でさえ青春の
一ページとなるのが、若者の特権というか。
運命だろうが、運命でなかろうが関係ない。
とにかく恋したい! そういう年頃なのよ~。
「半分、青い」関連ブログはこちらから↓
「半分、青い」関連ブログリスト
「朝ドラ」関連ブログリスト
●「半分、青い」HP
ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪
にほんブログ村
にほんブログ村
連続テレビ小説 半分、青い。 Part1 (NHKドラマ・ガイド)
1,188円
Amazon |
半分、青い。 上 (文春文庫)
918円
Amazon |
NHK連続テレビ小説「半分、青い。」オリジナル・サウンドトラック
3,240円
Amazon |
「永野芽郁in半分、青い。」PHOTO BOOK―連続テレビ小説 (TOKYO NEWS MO...
1,728円
Amazon |