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クレイジーなアイデアを無数に

 もちろん、優秀な人材を集め最新のコンピューター環境を用意するだけでAIを巡る世界規模の競争に勝てるわけではない。他社に先駆けるための研究開発の方針として岡野原氏が強調したのは、「クレージーなアイデア」の追求と、ともかく多くのアイデアを試してみることである。

 「研究者としてはまだ駆け出し」と謙遜した同氏は、先人の言葉を借りてこの方針を表明した。「クレージーでないようなことをやっているのだったら間違っているのだ」(米Google社共同創業者のLarry Page氏)「10年後を考えるにはクレージーでなければならない」(元ソニー副社長の久夛良木 健氏)。ただし、「もしそれがうまくいくと知っているなら試みではない」(米Amazon.com社 CEOのJeff Bezos氏)と、挑戦には失敗がつきものであることを指摘。G. A. Stevens氏らの論文を引用して「3000のアイデア=1つの商業的な成功」と、数をこなさなければ成功しないことを強調した。

 締めくくりとしてAlan Kay氏の有名な「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」を取り上げ、同社への参加を志望する人材に一緒に未来を切り開くことを呼びかけた。

クレージーなアイデアを求める
(出典:Preferred Networks)