女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんです。キレキャラとおふざけキャラと真面目キャラを分離する才能がないので、丸ごとの自分を出してます。

親になる時、親に疑問を持った時に読んで欲しい本

この増田を読んで思ったことを書きます

【追記あり】子供の泣き声に耳栓されて心が折れた

続・子供の泣き声に耳栓されて心が折れた

 

当時の母親達に響いたアメリカインディアンの教え

 結論から言うと、この増田にもはてなーにも「アメリカインディアンの教え」を読んでほしい、それが一番手取早いと思うことがしばしばあります。

 記憶違いでなければ、「アメリカインディアンの教え」は私が若い頃に「育児本」「教育論」的な扱いで大ヒットした本です。私がなぜこの本を知ったかというと、職場の社長の妻を筆頭に、子供を持つ中年女性の常連客達の間で大ヒットしていたからです。私の職場は、社長の妻とも常連客ともおしゃべりする職場(それも仕事のうち)だったので、彼女らがこの本を読んで、熱く自分の親や自分の子育てについて語り合っているのを聞いて、私も読んでみたくなったのです。

 人によって、心当たりのある部分は違っていて、私はこの部分で泣いた、私はあの文章で泣いたとか大騒動でした。私も、ボロボロと号泣しながら読んだのを覚えています。どの部分が響いたのかは忘れてしまいましたが。

 さらに、彼女らは40代~50代で、難しい時期の子供がいたりして、私が脳みそが思春期から抜け出せていないような感じだったので、「高円寺さんみたいな、子供の側がこれを読んだらどう思うのか教えてほしい。」という要望もあり、読んだような気がします。

 

アメリカインディアンの教えは親が子に与える影響について書いている

 アメリカインディアンの教えは以下の8章から語られています。

  1. 批判ばかり受けて育った子は批難ばかりします
  2. 敵意にみちた中で育った子は誰とでも戦います
  3. 冷やかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
  4. ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
  5. 心が寛大な人の中で育った子は我慢強くなります
  6. はげましを受けて育った子は自信を持ちます
  7. ほめらる中で育った子は、いつも感謝することを知ります
  8. 公明正大な中で育った子は正義心を持ちます

 私は、元増田に「育児ノイローゼ」と書きましたが、私自身もメンタルがまいっていると、責められてもないのに責められているような気分になってしまったり、相手は私のことを何とも思ってなくて合理的に接しただけなのに嫌われたと感じててしまうことはあります。要するに被害妄想です。

 しばらくたって落ち着くと、私の考え違え・気のせいだと思えるのですが、メンタルが弱っている時はそうは思えません。じゃあ、なんで、私はそんなにも簡単に被害妄想に陥ってしまうのかと考えると、私の場合は1~4までは全て当てはまっているうえに

 

■裏読みした場合のアメリカインディアンの教え

  1.  批判ばかり受けて育った子は批難ばかりします
  2. 敵意にみちた中で育った子は誰とでも戦います
  3. 冷やかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
  4. ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
  5. 心が寛大でない人の中で育った子は我慢ができない子になります
  6. はげましてもらえない中で育った子は自信を失います
  7. ほめられない中で育った子は感謝しないどころか、人の足を引っ張ってまで自分がほめられようとします
  8. 公明正大でない中で育った子は社会を恨みます

と、読み替えると、5~8も全部当てはまってるんですよね。要するに「愛」のない養育環境で育ったから被害妄想を持ちやすいってことです。

 

アメリカインディアンの教えを上記増田に当てはめると

 もし、上記の増田の生育環境に問題があったとしたら、

  • ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
  • はげましてもらえない中で育った子は自信を失います

あたりが、当てはまりそうです。単に育児ノイローゼからくる被害妄想だった可能性も高いので、生育環境に全く問題はなかったかもしれませんが、当てはまるとしたら、この二つかなと思いました。

 

また、生育環境と同時に、心理では人の性格をおおざっぱにタイプA・B・Cと分けるやり方もあるらしく、この増田はCに入りそうで、そういったことが重なって、とても悲しい気持ちになったのかな?と思いました。

詳しくはこちらの記事でどうぞ。

タイプA、タイプB、タイプC性格とメンタルヘルスの関係

 

私は社会に出てからのほうが大切にされた

 私は生育環境が悪かったので小学校まではひどくひねくれていた上に、毎日のように「死にたい」「家族全員を殺したい」と思っていました。ですけど、中高と非常に寛大で優しい先生に出会ったこと、働いた先の上司、同僚、お客さんが私を教育してくれたことで、随分人生が変わりました。さらに大学時代の友人たちにも下記のような態度で接してもらっていました。

 だからこそ、今の私があると、彼らには感謝の気持ちしかありません。

 

■いいとこ取りしたアメリカインディアンの教え

  • 批判を受けずに育った子は批難しない子になります
  • 敵意のない中で育った子は誰にでも寛容になります
  • 冷やかしを受けずに育った子は自己表現ができるようになります
  • ねたみを受けずに育った子はいつも人に優しくしようという気持ちになります
  • 心が寛大な人の中で育った子は我慢強くなります
  • はげましを受けて育った子は自信を持ちます
  • ほめらる中で育った子は、いつも感謝することを知ります
  • 公明正大な中で育った子は正義心を持ちます

 私は、育児放棄+精神的・肉体的虐待の中で育ってきましたから、基本的な礼儀作法、マナーなんて知りもしないし、人とのコミュニケーションの取り方もおかしかったんですね。父親に全力で批判されて生きてきたので、大学に入ってからも気に入らない相手は全力で批判してました。本人に向かってね。それが、悪いこと、相手を傷つけることだなんて思いもしませんでした。だって、私自身が親にやられてきたことですから、ナチュラルに人を批判する癖をつけていたんですよね。

 それも歳をとったから客観的に言えるだけで、その当時は自分が相手を批判しているという自覚さえなかったと思います。たぶんですけど、「思ったことを言ってるだけ」程度にしか思ってなかったと思います。

 大学に入るまでは、寛大な心で受け止めてもらえる、はげましを受ける、ほめられる、なんてことは高校の先生くらいにしかしてもらったことがなかったんですよ。

 だけど、大学(夜間)入って、仕事を始めると、あちこちで不遜な態度をとる私に「やんわり注意してくれる人」っていうのが結構いたんですね。「そういうことは、こうこうこういう理由でやらないほうがいいよ。」とか「それは、もうちょっとこういう言い方をしたほうがいいよ。」とか、「どうして、そういうふうに考えるの?」みたいな感じで、絶対に私の言動を責めずに「不遜な態度」の理由を聞いて、分析して、私に分かるような分かりやすい言葉で諭してくれたんです。

 そのような人が、一人ではなくて沢山いたから、私は人間関係的にはすごく恵まれていたほうだと思います。

 

ネットにも結構いる

 はてなのブログやブコメを読んでいると、自覚的、無自覚かは置いておいても、生育環境からくる「認知の歪み(?)」的なものを持っているであろう文脈の人が結構見かけられます。そういうのを見るたびに、「あー、若い頃の私みたいだなー」って、しみじみします。こういう人達は「寛容さに包まれる機会が少なかったんだろうなー」って。

 はてなを始めた最初の頃は、はてなは「皮肉ぽく」書くのが様式美なのか?という空気を読んで、皮肉ぽくコメントしてましたが、ネットの距離感でそれをやったら誤解を招くし、相手が傷つくんだと気づいてやめました。リアル友達とだと皮肉合戦で笑いあっているので、当初、その感覚でネットに書き込んでました。ちょっと距離感が近すぎでした。すみません。

 そんな反省も含めて、現在は「私が人様から受けた寛容さ」を社会に還元したいという気持ちで、記事やコメントを書いているつもりです。そんなんばっかりだと面白くないという人もいるみたいだけど、現在の私はこのスタンスかな。

 

アメリカインディアンの教えを読んで欲しい人

  • 理由は分からないけど、生きるのがしんどいって感じてる人
  • 理由は分からないけど人から嫌われやすい人
  • 理由は分からないけど人から批難・批判されやすい人
  • 人間関係がうまくいかなくて困ってる人
  • 自分の親は毒親ではないかと疑っている人
  • 子育てに自信が持てない人
  • 自分に自信が持てない人

などに、特に読んでほしい本です。

 

アメリカインディアンの教えを読むにあたっての注意事項

 この本は、親が子供に与える影響について書いた本でもありますが、著者の加藤諦三が壮絶な父親叩きをしている本でもあります。私や夫、私の周囲ではこの本に良い影響を受けた人が多いのですが、担当の精神科医にこの話をしたら「悪い影響を受ける人もいる」とのこと。

 何のことかと考えてみたら、恐らくですけど、自分に現在起こっている問題を全部親のせいにするための材料、つまり親叩きの材料にする人もいるのではないかと思いました。毒にも薬にもなる本だと。

 この本は機能不全家庭を責めるため、毒親を叩くためではなく、自分自身が毒親にならないため、機能不全家族を作らないために読んでほしい本です。また、毒親になるには悲劇的な背景があるという視点でも読んで欲しいです。親のこの言動のために自分はこの考え方になってしまったんだ、それを改めてもっといい人生にしよう、と自分自身を許せるようになるために読んでいただきたいです。

 

まとめ

数十年前に、母親たちに大人気だった「アメリカインディアンの教え」ですが、「続・アメリカインディアンの教え」というのも発行されました。ですが、私には「続・アメリカインディアンの教え」はピンときませんでした。

 そのことを、職場の主婦たちに話すと「それは、まだあなたが子供側の立場しか体験してないからよ。続~は、親側の立場から書いた本だから、私達には続~のほうが響いたよ。」と言われました。今、手元に「続・アメリアインディアンの教え」がないので、読めないのですが歳を重ねた今なら心に響くのかもしれません。

アメリカインディアンの教え (扶桑社文庫)

アメリカインディアンの教え (扶桑社文庫)

 
続アメリカインディアンの教え―あなたの幸せがここにある (扶桑社文庫)

続アメリカインディアンの教え―あなたの幸せがここにある (扶桑社文庫)