伊藤忠商事は19日、持ち分法適用会社のユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)を子会社にすると発表した。株式公開買い付け(TOB)で出資比率を約41.5%から50.1%に引き上げる。出資額は1200億円になる見通し。食品や雑貨などの調達や商品開発力を強化し、経営資源を有効活用することでセブン&アイ・ホールディングスなどに対抗する狙い。伊藤忠は子会社化後もユニー・ファミマHDの上場は維持したい考え。
買い付け期間は今年8月ごろを目指す。買い付け期間は1株につき11000円。買い付け予定株数の上限は1093万株で、買い付け総額は1203億円となる見込み。ユニー・ファミマHDの19日の終値は9900円だった。
ユニー・ファミマHDの前身の旧ファミリーマートは1998年に伊藤忠の持ち分法適用会社となった。16年9月にファミリーマートと「サークルKサンクス」を傘下に持つ旧ユニー・グループホールディングスが経営統合し、ユニー・ファミマHDが誕生した。
伊藤忠は筆頭株主として商品開発力の強化や物流システムなどで関係強化を推進してきた。17年3月には伊藤忠副社長だった高柳浩二氏が社長に就任していた。
ユニー・ファミマHDの主力のコンビニエンスストアの国内店舗数は、1万7232店と2万店を超えたセブン―イレブン・ジャパンに次いで業界2位。サークルKサンクスは今年11月にはファミリーマートへのブランド転換が完了する見込みだ。コンビニ3位のローソンも17年2月に三菱商事の子会社になっており、商社は川下の小売り分野へ経営の関与を強めている。
国内の小売市場は人口減やネット通販の伸長で業態を超えた競争環境が激化する見通しだ。伊藤忠は子会社化により関係を一段と強化し、グループの経営資源を相互に活用して持続的な成長につなげたい考えだ。