春は自転車の季節!フツーに飽きたら河川敷のオフロードで泥んこアドベンチャー【新定番 アウトドア遊び】
平日は多くの人が自らを律して働く。だからこそ、休日はより弾け気味にアウトドアへと繰り出すべき。せっかくなら、今年は新定番な遊びを取り入れてはいかがだろうか? キーワードはずばり泥! 非日常体験がチャレンジする気持ちと大きなリフレッシュをもたらすはずだ。
泥道、土手道、砂利の道。
雨上がりは、まさにジャストタイミング。走れ!河川敷
Gravel Ride
サイクリングロードが整備された河川敷の、その脇に点在するオフロード、ダートロードを繋ぎながら、思いつきのミニレースや、ゲームを交えて“泥”に親しみ、“泥”の深い理解に努める有志の自転車走行会。これまでも手を変え、品を変え、名を変え開催されてきた。出場資格不要、年齢性別経験不問、門戸全開の社会の窓から広く参加者を募集中。
河川敷には、自転車を楽しむための地形、要素が詰まってるんです。
自転車仲間に面白いグラベルライドイベントがあるよ、と誘われて行ってみた。グラベルって、オフロードのことだよね? 「“泥”輪ピック第一回大会」だそうな。
首都圏を流れる一級河川荒川の河川敷には、自転車に跨がる男たちが集っている。すでにわいわいとにぎやか。総勢10名ほど、参加者はホビーライダーからシリアスレーサーまで様々で、10台の自転車が個性を放っている。
ドロップハンドルのシクロクロスや、MTB、ギアなしのシングルスピーダーや、なにやら魔改造を施したアヤシゲな自転車まで。ジャンルや統一感は無く、見ているだけで十分楽しい。「“泥”輪ピック」だけに、普通の自転車走行会には見えないメンツとマシン、果たして何が始まるのか?
定刻に荒川サイクリングロードを走り出した一行を追いかけると、快適な舗装路ライドはほんの一瞬。先頭がハンドルを切った先は、土手下の未舗装路、まさにオフロードだった。
折しも降り続いた雨で路面はぬかるんで、ところどころ大きな水たまりができている。
ヌルヌル、デコボコの自動車の轍も油断できない。そんな道に、参加ライダーは容赦無く突入していく。水たまりには我先に突っ込む、ぬるぬる泥道は、その攻略にラインどりを競い、砂利道ではここぞとばかりにズザザーッとテールスライドさせる。ちょっとしたバンプは見逃さずジャンプだ。皆、オフロードに見つけた小さな変化で、思い思いに遊んでいる。
スピードは速くない、いや、オフロードの路面抵抗で速く走れないが正解だ。時々、すっ転ぶ参加者もいるが、柔らかい土の上に転げて泥にまみれて笑っている。オンロードではこうは行かない。
しばらく走って小休憩。みな嬉々とした表情で、コース談義に花を咲かせている。来た道を振り返って見ると、スタート地点の橋が見えている。実は大した距離は走っていないよう。それなのに満ちるこの充実感、なんだか不思議な気分だ。泥にまみれて楽しい気分、子供の時の泥遊び以来かもしれない。
近所の河川敷で、持ってる自転車で十分アドベンチャーですよ。
さて、後半はちょっとしたミニゲームが始まる。なるほど「“泥”輪ピック」。
第一競技は、土手ののり面についた急勾配の一本道、もちろんダート道をシンプルに駆け上がる“土手ヒルクライム”。パワーじゃなくテクニックが必要なんだそうだが、登るより降る方がはるかに楽しい……。
そして、いきなりの「“泥”輪ピック」ハイライトは“白シャツ”クロスだ。各自持ち寄った白シャツを羽織ると、主催者とっておきの泥の水たまり直線コースを使ってレースするのだ。勝敗は速さではなく、シャツのキャンバスにいかに美しい泥ハネを描けるか。なにそれ?だけど、コレがなんとも楽しい。
身近な河川敷と、自転車だけでこんなに遊べるなんて、と目からウロコの1日だった。
河川敷オフロード入門車
SALSA CYCLES
VAYA(TIAGRA組)
価格:22万4640円
疾駆するマッチョ男
フラットハンドル仕様で、全地形での操作性に折り紙つきだ。
All-City
MACH MAN(Sram Apex組)
価格:18万5760円
シングルスピードMTBの父
SURLY
KARATE MONKY SS
価格:18万9000円
※『デジモノステーション』2018年5月号より抜粋。