ソフトBサファテ出さない変則的継投 観客席も「?」 4連勝でも暗雲
◆ソフトバンク5-3楽天(17日・ヤフオクドーム)
大きな1勝だ。右肘手術を受けた高谷が1軍に戻り、3本のアーチが飛び出し、東浜に初勝利が付き、チームは今季初の4連勝。だが…。守護神のデニス・サファテ投手(37)が下半身の違和感を訴えて、2点リードの最終回にも登板を回避。中村晃外野手(28)は右太ももを痛めて、きょう18日にも出場選手登録抹消の恐れが出た。もうけが人はたくさん。心の底から勝利を喜びたかったのに…。
2点差を守り切って今季初の4連勝を飾った瞬間、マウンドに絶対的守護神の姿はなかった。1点リードの7回2死から9回1死まで3イニングをまたいだモイネロから森へのリレー。セーブシチュエーションにもかかわらず、サファテ抜きの変則的継投に、勝利を喜ぶ観客席にも「?」が走った。
工藤監督「そうですね、ちょっとまあ(サファテは)試合前からちょっと脚の感じがあんまり良くないってところがあったので。じゃあ、もう今日はやめとこうということを話をして決めました」
試合後、指揮官は守護神の登板回避理由を説明した。試合前練習でサファテは投手陣のアップに不参加。下半身の違和感を訴え、首脳陣との協議の末、点差に関係なく登板を回避することが決まった。試合終盤にはブルペンに入ったがキャッチボールのみ。「下半身に不安があったので今日は投げるのをやめた」。試合後のサファテは報道陣の前にしっかりと立ち止まって答えたが、さらに質問が続くと「詳しいことは、今日は勘弁してくれ」と言い残してドームを後にした。
■登板はきょう判断
18日以降のサファテの登板について工藤監督は「本人とまた話をして。まあ、今日1日休めば(大丈夫)というふうには思ってますけど。また明日聞いて判断します」と軽症を強調した。ただ今季のサファテは8日の楽天戦では2安打2四球でサヨナラ負けのピンチを招き、15日のロッテ戦でも失点。本来の姿から精彩を欠いているとも言えるだけに、不安は増す。
工藤監督は開幕前から今季も8回は岩崎、最終回はサファテに任せることを公言してきたが、岩崎は右肘手術で長期離脱が決まった。責任感の強いサファテが万全の状態でない中で、ここまで登板を続けてきたことも否定できない。故障者が相次いだ捕手陣で高谷が復帰したものの、その日に中村晃が右太もも裏に痛みを訴えて途中交代。18日の検査結果次第では出場選手登録を抹消される見込みだ。貯金を3とし、ようやく波に乗ってきたチームに、暗雲が垂れ込めている。 (倉成孝史)
=2018/04/18付 西日本スポーツ=