木梨憲武お悩み相談「自分の才能や合う仕事がわかりません(22才男性)」

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とんねるずの木梨憲武さんがTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』にゲスト出演。悩み相談コーナー「相談は踊る」の中で22才男性のリスナーからの「自分の才能や、自分に合う仕事がわかりません」という相談に対して回答していました。

Emerson エマーソン 02 (GOOD モーニング!)

(長峰由紀)今日は通算1112件目。ラジオネーム「リバティー」さん。22才男性からの相談です。木梨さんも一緒に参加してください。

(木梨憲武)かしこまりました。

(長峰由紀)「ジェーン・スーさん、長峰さん、そしてゲストの木梨さん、こんにちは。自分が相談をする日が来るなんて思ってもみませんでしたが、木梨さんがゲストと聞いて思い切ってメールを送ってみます。相談は『自分にはどんな才能があるのかわからない。そもそも才能ってなんなのか?』です。思春期の中学生のような悩みで恐縮ですが、自分はいま22才。この春、大学を卒業していま一応フリーターみたいな立場です。いままで22年生きてきた中で、学校の先生になりたいとか、バスケの選手になりたいとか、映画関係の仕事をしてみたいとか、ちょっとだけお笑い芸人になってみたいとか。いろいろな夢というか目標がありましたが、たぶん死ぬほどそれに向けて本気で努力をしたことはないと思います。

いつか自分に向いている仕事、自分の才能を活かせる仕事に就きたいなというフラフラな状態で就職活動をしなかったのですが、先月実家に帰った際、これまでいい意味で放任主義だった父親から『どんな仕事でもいいから一度就職してみろ。それでその仕事が自分に向いていないなら辞めてもいい』と言われました。スーさんはこれまでいろいろな仕事をされて、いまはラジオパーソナリティーでコラムニストです。長峰さんはアナウンサー。そして木梨さんはお笑いでトップに立って絵も描いていらっしゃいます。お三方ともある意味特殊なお仕事をされていますが、自分の才能というのは意識したことはありますか? どのタイミングでこれが自分の才能を活かせる仕事だと意識しましたか? ここまでメールを書いてみて、改めて自分には何の才能があるのかと考えている時点で何の才能もない証拠だなと思いつつ、そんな情けねえ自分にアドバイスをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします」。

(ジェーン・スー)ということで……。

(木梨憲武)あら、そうですか。22才、リバティーくん。

(長峰由紀)いいお声で(笑)。

(木梨憲武)じゃあ悩みをお答えする前に1曲。渡辺真知子『かもめが翔んだ日』。……あれっ? 今日は出ない?

(長峰・スー)ハーバーライトが~♪



(木梨憲武)ありがとうございます。すいません。なんかラジオイコール曲がかかるんじゃないかって。

(ジェーン・スー)そうですね。DJのように。

(木梨憲武)今日はこの悩みを。

(ジェーン・スー)相談に乗ってください。

(木梨憲武)いま、15分前にこの悩みの紙を見せていただいて。全くうちの長男と一緒ですよ。22才。

(ジェーン・スー)えっ、ええーっ! お子さんってもう22才なんですか!?

(木梨憲武)いちばん上が22才。

(ジェーン・スー)ええーっ!

(木梨憲武)二番目は19才。三番目の女の子が15才。今度、15才。

(長峰・スー)うわーっ!

(木梨憲武)全く22才。一緒ですね。

(ジェーン・スー)いかがですか?

(木梨憲武)リバティーと一緒です!

(ジェーン・スー)フハハハハハッ!

(長峰由紀)わかりました(笑)。

お父さんと同意見

(木梨憲武)まあ、本当にこのリバティーくんのお父さんと全く同じことを言っていますけども。どこに就職するのか、何が好きなのかっていうのは、いまちょうど探している最中じゃないですか。この年代。勉強をし続けるのか、就職をするのか。それも自由だとは思うんですけども。

(ジェーン・スー)木梨さんが22才の時はもう、とんねるずとして活躍をされていますよね?

(木梨憲武)とんねるずか、貴明&憲武か……でも、18才から4ヶ月、それこそ高卒でダイハツ自動車に就職していますから。

(ジェーン・スー)ダイハツ自動車に。

(木梨憲武)4ヶ月行ってました。浜田山営業所。研修期間は池袋。

(ジェーン・スー)どうでした? 自分に合う、合わないってわかります?

(木梨憲武)ええとね、「俺、そんなに車、好きだったっけかな?」って。でも、うちのオヤジが自転車屋からオートバイから車も直せたんで。俺もぼんやり、なんとなく車検とか塗装とか覚えようかな、自転車・オートバイを覚えようかな、ぐらいの感じで入れていただいたんで。研修とかを……で、1人で車検、軽自動車を直していたから。で、その頃にちょうど『お笑いスター誕生!!』でちょっとテレビの方になった時、22才。ぼんやりとんねるずになっていくっていうのでやることを見つけちゃったっていうのが。「うわうわうわっ、面白そう!」って。まあ、そこからですね。

(ジェーン・スー)テレビ、『お笑いスター誕生!!』に出ていた頃はもう社員?

(木梨憲武)社員です。

(ジェーン・スー)社員をしながら出ていたんですか?

(木梨憲武)だから軽自動車の後ろでオイルを交換しながらネタの順番を覚えていましたから。

(ジェーン・スー)引き算しかできない電卓で電池が逆だった、みたいな。そういうやつですよね。

(木梨憲武)そうですね。で、石橋貴明さんの方はホテルマンですから。小田急ホテルセンチュリーでコーヒーを運びながらネタを覚えていたと思うんですけど。

(長峰由紀)じゃあ、二足のわらじ的な?

(木梨憲武)そうですね。で、まあ何週か勝ち抜いちゃったんで。会社にちょっと言えなくなって。最初は「お腹が痛い」って言って休んでいたんですけども。

(ジェーン・スー)フフフ(笑)。かなり頻繁な腹痛(笑)。

(木梨憲武)「ちょっと免許証を取りに行くんで休ませてください」なんて言いながら、ちょっと休ませてもらって撮影をしていたんですよ。で、そのオンエアーを昼休み、テレビをつけると会社で先輩たちと見るくだりになるんですよ。で、最終的に先輩たちが「木梨、お前なにやってんだ?」って……。

(長峰・スー)アハハハハハッ!

(木梨憲武)「いやいやいや。……でして」ってことになって、辞めさせていただいた形で。「がんばってこいよ!」っていう風に、そのダイハツのみなさんたち。すっごい優しい先輩が応援してくれていてっていう。まあ、自分のことはそうなんですけど。

(ジェーン・スー)そこで見つかったからいいけども、やっぱり22才。どうしたらいいんだろう、この先……っていう思いの人には何を言えるかな?

(木梨憲武)いや、このお父さんが言うようにね、どんどん自分で動いちゃうしかないですね。

(ジェーン・スー)やってみないとわからないっていうことですね。

(木梨憲武)まあ映画関係とかバスケ……スポーツの場合はそれでご飯を食べていけるかどうかの、技術も努力もあるとは思うんですが。自分がラジオで働きたいな、放送作家になりたいな、出る側のDJになりたなっていうのも含めて。現場に行って、そちらの先輩たちといい感じの出会いがあれば、これはそっちが好きになっていくんですよね。

(ジェーン・スー)ああ、そうか。つまり、やりたいこととか才能とかじゃなくて、環境で仕事が好きになっていく可能性もあると。

(木梨憲武)そうです。ものすごいいいタイミングでお茶を出せば、すごい買われますから。「お前、お茶ぐらいわかんねえかな? いま、食ってるのに……」っていうんだと、結構遠くなっちゃうんですけども。「ジャカジャカジャーン♪」って(いいタイミングでお茶を)やると、「いいねえ!」なんてなっていきますから。そうやって、その仕事が好きなのか、この先輩が好きなのか、ぼんやりダブるとすごくいいかもしれないですね。結構先輩のモノマネから入るとかね。仕事の仕方の。

(ジェーン・スー)ああ、なるほど。

(木梨憲武)なんて偉そうに言っていますけども、大丈夫ですか? こういうことでも?

(ジェーン・スー)いや、完璧だと思います。

(長峰由紀)だからきっかけっていうのはいろんなところにあるっていうことですか?

(木梨憲武)そうですね。

(ジェーン・スー)だからリバティーさん、私がいまノリさんのお話を聞いて「そうだな」って思ったのが、「才能に基づいた人生の生き方をしなきゃいけない」って思ってらっしゃると思うんですけども。それじゃないんですよね。もっと「生活」ですよね。

(木梨憲武)「生活」と、あとは「人」かな。

(ジェーン・スー)人ですよね。

(木梨憲武)結局人になっちゃうんですよ。最終的に。

(長峰由紀)出会い。

才能よりも、人

(ジェーン・スー)だからどんな才能があっても、環境が悪かったりそれが生活に馴染んでなかったらちょっと、ねえ。

(木梨憲武)そう。その環境が大好きなんだけど、この先輩が大嫌いだから辞めた! とかね。「いつまで頑張ればいいんだ?」とかね。「俺、この音楽をやりたいのに、このプロデューサーが『そっちじゃない。売れる音楽はこれだ』って言ったら、もうここでは歌いたくないんですけど……詞の内容、全然変わってきちゃうんですけど?」みたいな。

(ジェーン・スー)フハハハハハッ!

(長峰由紀)そんなことがあったんですか?(笑)。

(木梨憲武)いや、わかんないですよ。

(ジェーン・スー)いままで、人運はよかったですか?

(木梨憲武)もう俺、人運だけだと思うんですけど。先輩たちにかわいがってもらったり、いろんなスタッフと物を作っていくにあたってそれがどんどんプラスになっていく。うちのカミさんもそうなんですけど、そういう仲間たちにアドバイスをいただいたり。「こうしろ、ああしろ」って。それでいつも、いまだにそういうお酒を飲んでいるんですけども。

(ジェーン・スー)人運がいいのって、もちろん運もあると思うんですけど、さっきおっしゃっていたみたいにまず好かれようっていうようなお話をされていたじゃないですか。ノリさんが。まず、そこにいる人たちに好かれるためにいいタイミングでお茶を出すとか……。

(木梨憲武)「好かれよう」って思って入らない方がいいかもしれない。「お前、好かれようと思っているんでしょ?」って向こうも見るから。「自分、どうっすかね? こんな感じで」の方が。

(ジェーン・スー)ああ、そうね。

(長峰由紀)もうまな板に乗る感じですか? ありのまま?

(木梨憲武)そうの方がいいとは思うんですけど。うん……えっ、それ、いま歌った方がよかった?

(長峰由紀)いやいやいや、そんな全然! 言ってませんから、そんなこと(笑)。

(ジェーン・スー)そんなこと……(笑)。

(木梨憲武)ごめんなさい、怒らないで。

(ジェーン・スー)アハハハハハッ!

(長峰由紀)ごめんなさい、怒りん坊(笑)。

(木梨憲武)だから、今日いまこのリバティーくんの場合は本当に15分前にこの紙をいただいた後、もう俺、彼の就職先を決めてます。

(ジェーン・スー)ええっ! 早い!

「もう彼の就職先、決めてます」(木梨憲武)

(木梨憲武)いまちょうど映画(『いぬやしき』)をやっているんで。フジテレビさんの映画部。映画関係の仕事。そして東宝さん。東宝さんも映画の仕事をやっています。みんな、僕よりも歳下ですけども。あと、その『いぬやしき』を作ったプロデューサー。この3軒にまずリバティーくん、会ってください。

(ジェーン・スー)ええーっ!?

(木梨憲武)会わせます、これ。

(ジェーン・スー)マジか! ええーっ!

(木梨憲武)で、そっから社員なのかアルバイトか、センスがあるのか、本当に好きなのかは会ってからでしょう? こういうきっかけがあれば、会った方がいいの。絶対に。で、「お前、いいねえ! じゃあ、出る側もあるかもね?」とか。「じゃあ、こっち側がいいね」っていうのは、その3人が決めますから。

(ジェーン・スー)うわーっ! すごいとんねるずっぽい展開! ヨダレ出ちゃった、いま!

(長峰由紀)本当。なんか番組みたい。

(木梨憲武)だってこういうタイミングでこういうお話をいただいたから。まあ、リバティーはうちの倅と一緒だし。「じゃあお前、映画……たぶん違う作品を撮っているんで現場見てこい」とか。リバティーはいつも、週に1回かならず来て、「いま僕はこんななっています」ってこのラジオで発表しろっていう話だね。

(ジェーン・スー)なるほど! わかりました。すっごい!

(木梨憲武)「今週のリバティー」みたいなね。

(ジェーン・スー)「今週のリバティー」(笑)。リバティー♪ フフフ(笑)。テーマを作ろう。ありがとうございます。

(木梨憲武)いえいえ。

(ジェーン・スー)人の人生ってこうやって変わっていくんだね。もう言い訳できないよ!

(木梨憲武)リバティーくんね、22才で埼玉に住んでいるから。20日に舞台挨拶があるから。そこにまず来させます。

(ジェーン・スー)そうですね。わかりました。じゃあ、スタッフの方から連絡をさせていただきますので。リバティーくん、君の人生、もう回り始めちゃったから! よろしく!

(曲おわり)

(ジェーン・スー)いやー、夢のような展開だったね。

(長峰由紀)びっくりしましたねー!

(ジェーン・スー)でもやっぱり人の上に立つっていうか、有名な、著名なことをしている人たちのやるべきことってああいうことなんだろうなっていま、すごいなと思いながら……。

(長峰由紀)道を作るんですね。

(ジェーン・スー)道をバババッ!って。しかもパパッ!っと。

(長峰由紀)早い!

(ジェーン・スー)もう水の中にバッと手を突っ込んでガーッ!って。1回引き上げるみたいにザザーッ!って。興奮しました。

(中略)

(木梨憲武)まあ、そうなってみないとわからないって言ったらそれまでなんですが、本当に楽しみですよね。さっきのリバティー。来るか来ないか。でも、来てみた方がいいと思わない?

(ジェーン・スー)そうですよね。来てみた方がいいと思いますよ。

(木梨憲武)様子を見に。で、少し感じを出してくれればいいわけ。(気取った感じで)「リバティーですけど」って。それじゃあ嫌われちゃうから(笑)。「あ、はじめまして。リバティーです」って。そこから映画界の人が「ああ、よかったね。じゃあ、映画なにが好きなの?」とか、そういうところからスタートしてみて。その時、そういう瞬間とかを大事にした方がいいかなって。

<書き起こしおわり>