Findy(ファインディ)代表の山田です。最近、Findyでも採用活動を活発化させています。もちろん、面接をするのですが、その際に必ず聞くのが「あなたがやりたいことは何ですか?」という質問です。
ただし、この問いが必ずしも正しい問いなのかというのは前から考えていることでした。
例えば以下のけんすうさんのブログは当時読んだ際に記憶に残ったのですが、「別に『やりたいこと』なんて見つけなくてもいいんじゃないか」という内容で多くの人が、これを読んでほっとしたのではないでしょうか。自分自身もその1人でした。
本当に「やりたいことを見つける」のは難しいです…。また、やりたいことがないといけない症候群も世の中に蔓延していますよね。ちょっと気持ち悪いくらいです…。
ただ、全くやりたいことがない、と言われると採用する側としてはなかなか難しいものです。そこで、面接時にどの程度のレベル感でやりたいことを考えれば良いか、改めて再考してみました。
パフォーマンスが高いのは個人のやりたいことと会社でできることがマッチしている時
Findyでもハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービスFindyを通して「働く個人の価値を見える化し、個人がもっと自由に働ける社会を創る」を目指しており、個人にフォーカスしてサービスを作っています。そして、その結果として個人が自由に働き活躍してほしいというふうに考えています。
では、個人が成果を最大化できるのはどのような時でしょうか?
これは主観にはなってしまいますが「個人のやりたいこと」と「会社でできること」が一致している時が最もパフォーマンスが高いと考えています。当たり前ではあるのですが、一定程度のスキルがあれば小さなスキルの差分よりも、このマッチ度こそが大事だったりします。
また以前に、こんなブログも書きましたが、リード・ホフマンの「ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」という本は非常に参考になります。
従って、採用する或いは契約する企業サイドとしては必ずやりたいことは何かということを聞きたいわけです。
聞きたいのは生涯を通してやりたいことではない
では、企業側としてはどういった内容を期待しているのでしょうか?
それは必ずしも生涯かけてやりたいことを聞きたいというわけではありません。スタートアップやベンチャーのように一生働くことが前提ではなく、まずは数年間で活躍してほしいということを考える企業であれば、一旦は3〜5年の間にどういったことをやりたいかというのが一番聞きたいことだったりします。フリーランスであれば、数ヶ月から1年単位で一致していれば十分だと考えています。
従って、やりたいことは何かと問われた時にあまり気負わずにとりあえずはここ最近でやりたいことは何かということだけをクリアにしてもらえれば、個人的には良いのではないかというふうに考えています。
やりたいことはそんな高尚なことでなくても良い
また、やりたいことは個人の主観で良いと思います、世の中をこんなふうに変えたいであったり、或いはイノベーションを起こしたいというような高尚な話でも良いのですが、シンプルに個人としてやりたいことでも十分だし、大事だなと思っています。
例えば
- これまでiOSアプリを専門にしてきたが、サーバーサイドでキャリアを積みたく優秀な人がいる環境で働きたい
- FinTechまわりが流行っているので、その分野の企業で働いてみたい
- この会社のサービスが世の中的に必要だと思っておりサービスのユーザー数増に貢献してみたい
- 最近、子供が生まれたので自分のスキルが活かせる場所で子育てと両立しながら働きたい
でも、いいのではないでしょうか?あまり大げさなことを考えすぎずにシンプルに目の前でやりたいことを整理するということが大事なのではないかと思っています。そして、企業が提供でものとの合致こそが一番大事で、合わない場所に無理していく理由はありません。
生涯やりたいことなんてそんな簡単に見つからない
自分自身も起業するにあたってやりたいことを探すというのは非常に苦労しました。なんせ当初はインドネシアで製造業のマーケットプレイスを作るところから起業のアイデアがスタートしています。これは三菱重工時代が生産技術まわりの仕事をしていたからです。実際にインドネシアの工場もまわり、ストライキに出くわしてドキドキしたこともありました。今やっていることと全く関連性がありません…w
以前にこんなブログも書きましたが、起業したのはやりたいことが見つかったから、です。
じゃあ、どうやって今のところにたどり着いたかというと前職で人に関わる仕事をするなかで面白みを感じたこと、そして改めて”もの”ではなく”人”が好きであるということに気づいたことがまずありました。
また、その期間にコーチングを受けて自分がやりたいことということを明確にするプロセスも通っています。
やはり、「自分のことを理解するのが最も難しい」というのが多くの人にとっての実感だと思います。全て一人でクリアにするというよりはコーチングや友人など他人の力を使うというのも、一つの有効なアイデアかと思います。
ただし、採用する側の企業にはやりたいことが必要
個人としては、短期のスパンでのやりたいことをクリアにすることで十分ですが、やはり企業として優秀な人に参画してもらいたいということを本気で考えるのであれば、10年間あるいはその存在をかけてやりたいことは何かということをクリアにする必要があります。
そうでないと、優秀な人を口説けることはありません。従って、創業初期はそこまでクリアになっている必要はないとは思いますが、優秀な人を採用したいと思うタイミングでやはり企業としてあるいは創業者として、やりたいということを明確にして打ち出していくことがあると最近感じています。
Findyでも創りたい社会としては「働く個人の価値を見える化し、個人がもっと自由に働ける社会を創る」と定義しています、今後ビジョン・ミッションをよりクリアにすることで、取り組んでいく事業をよりシャープにしていきたいと思っております。
そんな、スタートアップの立ち上げに興味ある方はぜひこちらから。
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